■ Turn Out the Lights / Bernie Tormé
[title]
Turn Out the Lights [ターン・アウト・ザ・ライツ]
1st album
released: 1982
- Turn Out the Lights
- Painter Man
- Lies
- America
- Getting There
- Possession
- No Reply
- Chelsea Girl
- India
- Oh No!
[artist]
Bernie Tormé [バーニー・トーメ]
( Gillan [ギラン], Ozzy Osbourne [オジー・オズボーン] )
origin: Ranelagh, Dublin, Ireland
[comment]
この人は、イアン・ギラン(Deep Purple)、オジー・オズボーン(Black Sabbath)とバンド活動を共にするという恵まれた環境にいながら、そこを離れてソロ活動を始めるという変わり者だ。
1952年生なので、ジョニー・サンダース(New York Dolls)、ポール・スタンレー(KISS)、ブラッド・ウィットフォード(Aerosmith) と同い年であり、年齢を考えるとギラン~オジーの頃は既にそこそこのベテランである。
ストラト+マーシャルでアームを使って弾きまくる奏法は、明確にジミ・ヘンドリックス~リッチー・ブラックモアの流れを汲むものなのだが、弾き過ぎなくらいクレイジーなところが彼の最大の魅力だろう。
歌に関しては、はっきり言って上手くもなければ声に個性があるわけではないので、後に元 Girl のシンガー Phil Lewis と組むのだが、結局また自分で歌うようになる。
この人の書く「ロックン・ロール色の強いヘヴィ・メタル」は優れているので、楽曲に合う上手いシンガーと組めれば、或いは、ギランかオジーのところに残っていれば80年代屈指のギター・ヒーローになれていたような気がする。
■ Mercy / Steve Jones
[title]
Mercy [マーシー]
1st album
released: 1987
- Mercy
- Give It Up
- That's Enough
- Raining in My Heart
- With You or Without You
- Pleasure and Pain
- Pretty Baby
- Drugs Suck
- Through the Night
- Love Letters
[artist]
Steve Jones [スティーヴ・ジョーンズ]
( Sex Pistols [セックス・ピストルズ], The Professionals [ザ・プロフェッショナルズ] )
origin: Shepherd's Bush, London, England
[comment]
このアルバムがリリースされた頃に洋楽のミュージック・ビデオを紹介するテレビ番組で初めて "Mercy" を聴いたときは、「間違ってクリス・レアの曲かけたんちゃうん!」と思うほど衝撃を受けた。
"Mercy" が、あまりにもアダルトなソフト・ロックすぎて、かつて英国を騒がせた、あの Sex Pistols にいたギタリストのイメージと全く重ならなかったのである。
筆者が初めてロックだと意識して聴いたアルバムは、中学校の同級生にもらった Sex Pistols のコンピレーション・アルバム(たぶん Flogging a Dead Horse)なのだが、それで Sex Pistols が好きになったわけでもなければ、パンクに嵌ったわけでもないのでスティーヴ・ジョーンズの音楽的嗜好については全く知らなかった。
その後のインタビュー記事を読んで知ったのだが、この人は Faces の大ファンであり音楽的嗜好としては、伝統的なロックを好む保守的な人なのである。
当時、クリス・レアの名盤 On the Beach が愛聴版だった筆者にとって、このアルバムは大歓迎の音楽性であり今でも聴き続けている愛聴盤になった。
■ Thunder / Andy Taylor
[title]
Thunder [サンダー]
1st album
released: 1987
- I Might Lie
- Don't Let Me Die Young
- Life Goes On
- Thunder
- Night Train
- Tremblin'
- Bringin' Me Down
- Broken Window
- French Guitar
[artist]
Andy Taylor [アンディ・テイラー]
( Duran Duran [デュラン・デュラン], The Power Station [ザ・パワー・ステーション] )
origin: Tynemouth, Northumberland, England
[comment]
この2024年に Duran Duran というバンド名が如何ほどの重みを持つのか分からないが、筆者にとっては洋楽を聴き始めて最初期に好きになったバンドであり、同世代(筆者は69年生)の洋楽リスナーにも同様の人が多いのではないだろうか。
Duran Duran はニュー・ウェイヴの流れから出てきたシンセポップ/ダンスロックのバンドなので、最も目立つ楽器はニック・ローズのシンセサイザーであり、アンディ・テイラーのギターではなかった。
ただし、Duran Duran の曲にロックらしい切れ味を与えていたのは間違えなくアンディの奏でるエッジの効いたギターであり、彼の貢献度は高い。
アンディの音楽的なルーツはハード・ロックであり、このアルバムは彼の嗜好が素直に詰め込まれたメジャー感溢れる上質のハード・ロック・アルバムとなっている。
Duran Duran 在籍時のアンディは、ルックスがニュー・ウェイヴからロックン・ローラー風に変わってゆき、バンドの中で浮いていったのだが、Duran Duran 脱退後にリリースされたこのアルバムを聴いたとき、脱退が必然であることが理解できた。
■ Too Much Ain't Enough / Andy McCoy
[title]
Too Much Ain't Enough [トゥー・マッチ・エイント・イナフ]
1st album
released: 1988
- I Will Follow
- Tell Me a Story
- Talking 'Bout a Feeling
- Knee Deep in Sky High
- Too Far Gone
- Too Much Ain't Enough
- Spanish Harlem
- My Mistake
- Heart of the Matter
- Make Believe
[artist]
Andy McCoy [アンディ・マッコイ]
( Hanoi Rocks [ハノイ・ロックス], Cherry Bombz [チェリー・ボムズ], Suicide Twins [スーサイド・ツインズ] )
origin: Pelkosenniemi, Finland
[comment]
「100点」と書くだけで自分の中では完結するので、それ以上書くことを見つけるのが難しいのだが、それではこのような文章を書いている意味がない。
もし、このアルバムを Hanoi Rocks 名義でリリースされていたとしても、当時このアルバムを買った筆者は何の文句も言わなかったと思う。
2001年にアンディ・マッコイとマイケル・モンローにより Hanoi Rocks が再結成されたときに、アンディが「俺とマイケル以外はソルジャーみたいなもんだから2人で十分」と言っていたのだが、筆者にとっての Hanoi Rocks とは「アンディが書いた曲」なのでアンディ1人でも十分だったのである。
Hanoi Rocks 解散後、早々にリリースされた The Cherry Bombz と The Suicide Twins にも十分満足していたのだが、この 1st ソロ・アルバムは明確に Hanoi Rocks の延長線上にあり、アンディの書く魔法のようなメロディーを持つロックン・ロールが詰め込まれている。
もし「一番好きなソングライターは誰か?」と聴かれたら「そんら乱暴な質問は止めろ」と言うつもりだが、どうしても答える必要があるのなら The Dogs D'Amour のタイラか、アンディのいずれかの名を挙げると思う。
■ Atomic Playboys / Steve Stevens
[title]
Atomic Playboys [アトミック・プレイボーイズ]
1st album
released: 1989
- Atomic Playboys
- Power of Suggestion
- Action
- Desperate Heart
- Soul on Ice
- Crackdown
- Pet the Hot Kitty
- Evening Eye
- Woman of 1,000 Years
- Run Across Desert Sands
- Slipping into Fiction
[artist]
Steve Stevens [スティーヴ・スティーヴンス]
( Billy Idol [ビリー・アイドル] )
origin: New York City, U.S.
[comment]
ビリー・アイドルのバンド在籍時からお気に入りだったギタリスト、スティーヴ・スティーヴンスが満を持してリリースしたこのアルバムに当時の筆者はド嵌りし、彼が(正確にはAtomic Playboysというバンドが)「東京ドーム・ファイナルカウントダウン'89」に出演すると知ってチケットも速攻で購入した。
残念ながらギリギリになってスティーヴの出演が中止になったので、複雑な気分で京都から新幹線に乗って東京に向かったのだが、ピンチヒッターはマイク・ヴェセーラが歌っていた頃の Loudness であり、今思うとけっこうレアなライヴを体験できたと思う。
いきなり話を脱線させたが、スティーヴは玩具の光線銃を使ったトリッキーなプレイ、80年代的なフラッシーなソロ、アコースティック・ギターによるしっとりた伴奏など、何でも出来る天才なのだが、大前提として「良い曲」ありきの人なのである。
このアルバムも良い曲を高水準の演奏で聴かせてくれる名盤であり、Sweet のカヴァー "Action" も最高だ。
そして、シンガーのペリー・マッカーティは、スティーヴが組んできたシンガーの中で最も歌唱力が高い。