Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0004) DRUM 'N' BASS FOR PAPA / PLUG 【1996年リリース】

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1990年代の後半、ドラムン・ベースに嵌まっていた時期があった。


その頃を思い出してPLUG〔プラグ〕の「DRUM 'N' BASS FOR PAPA」を久しぶりに聴いてみた。


不穏な空気を撒き散らし、聴くものを不安な気持ちにさせるオープニング曲の” Me & Mr Jones”に先ず圧倒される。


その後、時にエレガントだったり、時に胡散臭かったりと、聴く者を飽きさせることなく様々な表情を見せながら、アラビックなフレーズが耳にこびりつくエンディング曲の” Maker Of All”で大団円を迎える。


まさにジャンルも時代も超えた名盤である。


ドラムン・ベースはブレイクビーツ(既存のドラム演奏を分解して再構築)を用いた音楽なので、クラブ等のダンスフロアでかけることを想定している音楽だと思うのだが、はたしてこのアルバムの曲で踊れるのかなという気がする。


どちらかと言えば聴くための音楽ではないだろうか。


PLUGとは、英国のエレクトロニック・ミュージックのアーティスト、Luke Vibert〔ルーク・ヴァイバート〕がドラムン・ベースの音源をリリースする時に用いるアーティスト名なのだが、2017年現在まで、PLUG名義でリリースされたアルバムは今回取り上げた「DRUM 'N' BASS FOR PAPA」と「BACK ON TIME」の二つしかない。


「BACK ON TIME」はリリースこそ2011年だが、収録曲は1995年から1998年に作られたものなので、Luke VibertのPLUGとしての音楽制作は終わっているのかもしれない。


Luke Vibert自身もPLUGとしての新譜リリースについて、「新譜はないと思うよ。絶対ないとは言い切れないけど」と言っている。


Luke VibertにとってのPLUGとは、もう過去のもので、彼のクリエイティヴィティを刺激する対象ではなくなっているようだ。


しかし、「絶対ないとは言い切れない」という言い方をしているので、期待せずに待ってみようと思う。