#0012) SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS) / David Bowie 【1980年リリース】

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David Bowieデヴィッド・ボウイ〕のアルバムを1枚選ぶとなると、架空のロック・スターであるZiggy Stardust〔ジギー・スターダスト〕を演じた1970年代前半のグラム・ロック期や、Brian Enoブライアン・イーノ〕とコラボレートした1970年代後半のベルリン三部作あたりから選ぶのが妥当であろう。


しかし、筆者が最も愛着を持つBowieのアルバムは、今回取り上げた「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」だ。


前述したグラム・ロック期やベルリン三部作に限らず、筆者にとってBowieのアルバムは、1stアルバム「DAVID BOWIE」から、この14thアルバム「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」まで、全てが傑作アルバムなのである。


Bowieとの出会いは「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」の次作である「LET'S DANCE」だった。


当時(1983年頃)、音楽雑誌「MUSIC LIFE」の表紙でBowieを知り、表紙になるくらいだから凄いロック・ミュージシャンなのだろうと信じて買った「LET'S DANCE」は全く筆者の心に響かなかった。


あまりにもコマーシャルなそのサウンドは、当時、先鋭的なロックを欲していた筆者が求める音ではなかった。


これ以降、Bowieのことは忘れかけていたのだが、音楽雑誌「音楽専科」に掲載されていたグラム・ロック特集でBowieが取り上げられており、どうやら昔のBowieは凄かったらしいことを知った。


そして、グラム・ロックの傑作「THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS」購入し、一瞬にして完全に打ちのめされた。


その後、Bowieの過去のアルバムを徐々に買い集め、「LET'S DANCE」の前作である「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」に辿り着いた。


「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」は1980年のアルバムだ。


Bowieが影響を与えたであろう当時のポストパンクやニュー・ウェーヴのアーティストから、逆にBowieが影響を与えられているような音楽性が面白い。


そして、少し、コマーシャルな匂いがする。


Bowieの曲には初期の頃からコマーシャルな要素はあった。


しかし、それは、Bowieのメロディー・メイカーとしての類い稀なる才能が結果としてコマーシャリズムに結びついただけだ。


「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」で微かに漂うコマーシャルな匂いは、何となく狙ったように思える。


これを最大限に狙って作って大ヒットしたのが次作「LET'S DANCE」なのだろう。


「LET'S DANCE」以降のアルバムも、遺作となった「BLACKSTAR」まで、「次こそは好きだったあのBowieが帰ってくるかも」という思いで買い続けた。


しかし、結局のところ好きになれるアルバムは1枚も無かった。


筆者の好きな最後のBowieのアルバムが「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」なのである。


それ故に、このアルバムへの愛着が強い。


「SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)」を聴いていると、Bowieが過去の自分に別れを告げ、新しい世界へ旅立っていく姿が目に浮かぶ