Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0042) IN THE FLAT FIELD / BAUHAUS 【1980年リリース】

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BAUHAUS〔バウハウス〕を知ったのは彼らが最初の解散をした後だった。


当時の筆者は、BAUHAUSより少し前に解散していたJAPAN〔ジャパン〕が好きで、そのベーシストであるMick Karn〔ミック・カーン〕が立ち上げた新ユニットのDALIS CAR〔ダリズ・カー〕に参加していた異様な存在感を放つシンガーを知る。


それがBAUHAUSのPeter Murphy〔ピーター・マーフィー〕だった。


そして、DALIS CARでPeter MurphyとBAUHAUSに興味を持った筆者がレコード店に取り寄せを依頼して買ったのが今回取り上げるBAUHAUSの1stアルバム「IN THE FLAT FIELD」だ。


BAUHAUSと言えば、ゴシック・ロックの象徴のようなバンドであり、且つ、「IN THE FLAT FIELD」と言えば、ゴシック・ロックを代表するアルバムである。


BAUHAUSと言えばゴス、ゴスと言えばBAUHAUSと言っても過言ではないだろう。


それにも関わらず、何故かBAUHAUSのメンバーはゴスと言われることを嫌う。


しかし、ここで筆者は当たり前のことを、あえて言いたい。


BAUHAUSはゴスだ。


そして、メンバーがどんなにそう呼ばれることを嫌悪しようが、「IN THE FLAT FIELD」はゴシック・ロックの最高峰である。


このアルバムはとても不思議なアルバムである。


憶えやすい歌メロが一つもなく、全然キャッチ―じゃないのに、収録曲の全てが異様に耳に残る。


否、つまり、それがキャッチ―ということなのだろうか?


否、やはり違う。


気軽に口ずさめるメロディからは程遠いし、総合チャートの上位にランクインされるような音楽ではない。


このアルバムは、呪文であり、呪術であり、儀式である。


2ndアルバム以降は本来の意味でのキャッチ―な要素が入り、聴き易さを増していくのだが、この1stアルバムでは聴き手への配慮は殆どなく、ただただ聴き手を奈落へと沈めていく。


ゴシック・ロックを知りたいのであれば、このアルバムを聴き、BAUHAUSの造った世界に彼らと共に落ちてゆけばよい。