このブログではごく稀にブルースのアーティストを取り上げることがあるが、筆者がブルース・リスナーではなくロック・リスナーなので、ロックと関わりの深いブルースのアーティストを取り上げてきている。
うっかり「ロックと関わりの深いブルース」と書いてしまったが、そもそもロックとはブルースの息子なので、特にロック黎明期においてはブルースの影響を受けていないロックを探す方が難しい。
THE ROLLING STONES〔ザ・ローリング・ストーンズ〕のKeith Richards〔キース・リチャーズ〕が「ブルースを知らないなら、ギターを手にし、ロックン・ロールをプレイする意味はない」と言っていたが、確かにこれは一理ある。
今回取り上げるJohn Lee Hooker〔ジョン・リー・フッカー〕もロック・ファンにはかなりお馴染みのブルース・マンなのではないだろうか。
John Lee Hookerは1917年生まれ(日本の元号で言うと大正6年生まれ)で、1948年にシングル"Boogie Chillen'"リリースしてから、2001年に亡くなるまでの間、多くのアルバムをリリースしているので、筆者もまだほんの一部しか聴いていないのだが、今回取り上げる「BURNIN'」は彼の代表曲である"Boom Boom"で幕を開けるアルバムなので、最初に聴くJohn Lee Hookerというアーティストのアルバムとしては最適であろう。
このアルバムはヴィージェイ・レコードからリリースされた4枚目のアルバムであり、同レーベルからの1枚目である「I'M JOHN LEE HOOKER」と並んで人気の高いアルバムだ。
John Lee Hookerの曲の中でも"Boom Boom"はTHE ANIMALS〔ジ・アニマルズ〕がカヴァーしているので、ロック・ファンにとっても知名度の高い曲である。
筆者はロック、中でもとりわけロックン・ロールを聴く時と、ブルースを聴く時は気持ちの違いが殆ど無い。
これがジャズを聴く時、クラシックを聴く時、歌謡曲を聴く時などは、ロックを聴く時とは明確に異なる気持ちで聴いている。
とにかく筆者にとって、ブルースとロックン・ロールの境目というのは極めて曖昧なのである。
ブルース・マンの中でもJohn Lee Hookerは殊更ロックン・ロールとの距離が近いような気がする。
King Of Boogieと言われ、その孤高のスタイルを貫き通す姿勢にはロックン・ロールと相通ずるところがあるのだ。
もしかすると、本格的なブルース・リスナーにとってはJohn Lee Hookerとロックン・ロールにはかなりの距離があるのかもしれないが、筆者にとってJohn Lee Hookerとはブルース・マンであると共にロックン・ローラーであり、「BURNIN'」というアルバムもブルース・レコードであると共にロックン・ロールの名盤なのである。
最後に余談だが、John Lee Hookerという名前、字面も音の響きも異常にカッコ良いと感じるのは筆者だけだろうか?