#0350) WILD YOUNG HEARTS / NOISETTES 【2009年リリース】

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筆者は時々このブログで「2000年以降に登場した若いロック・バンドやアーティスト対してなかなか興味が持てない」と書くことがあったが、最近はちょっと考え方が変わってきた。


筆者は1969年生れなので、2000年といえば31歳になった年である。


30代になった頃から筆者の仕事には大きな状況の変化があった。


筆者は所謂「IT業界」で仕事をしてきた人間なのだが、20代の頃に担当していた仕事の殆どはプログラムの製造と、そのテストであり、連日の深夜残業や徹夜などが当たり前のような日々を過ごしてた。


体力的な負担では、20代の頃が最も激務だったのだが、若かったこともあり、特に体調を崩すことなく楽しく働けていたし、趣味であるロックを聴くことも欠かさなかった。


しかし、30代になってからは仕事の状況に変化が生じてきた。


顧客の偉いさんと合って開発スケジュールの打ち合わせをしたり、開発したシステムの導入先となるエンドユーザさんの所に出向いて要求をヒアリングしたり、開発するシステムの一部を外注するにあたり協力会社さんへの仕事の切り出しや彼らの仕事の進捗管理を行ったりという具合に、自分が責任を負うべき仕事の数が急激に増えたのである。


仕事としての遣り甲斐はあり、仲間にも恵まれていたので、それなりに楽しくやっていたのだが、20代の頃と比べると休日でも精神面の疲れが残ることが多くなり、趣味であるロックを聴くことから徐々に遠ざかっていったのが筆者の30代、即ち、2000年以降なのである。


2000年以降のロックがつまらなくなったのではなく、自分の方に問題があったことに最近になって漸く気付き、最近は2000年以降のロックをあれやこれやと探して聴いている。


そんな2000年以降の掘り起こし作業の中で最近メチャクチャ好きになったのが今回取り上げている英国のバンドNOISETTES〔ノイゼッツ〕だ。


1stアルバム「WHAT'S THE TIME MR WOLF?」も良いのだが、2ndアルバム「WILD YOUNG HEARTS」は更に良い。


黒人女性シンガーShingai Shoniwa〔シンガイ・ショニワ〕のソウルフルでちょっとヤンチャな歌声も良いし、インディー・ロックに薄っすらとシンセポップが塗されたような曲も良い。


3rdアルバム「CONTACT」はまだ未聴なので、この4連休に聴いてみようと思っている。

 

#0349) FEEL THE DARKNESS / POISON IDEA 【1990年リリース】

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ロック史上、最も巨漢なバンドは多分POISON IDEA〔ポイズン・アイディア〕だろう。


下に貼ったPOISON IDEAのグループ写真を見ると、メンバーの5分の3がブタだということに驚かされる。

 

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筆者も中年以降、なかなか立派な太鼓腹のブタになってきたのだが、残念ながらまだPOISON IDEAの域には達していない。


とは言え、体重は年々増加する一方なのでPOISON IDEA級のブタになる日も、そう遠くはないのかもしれない。


POISON IDEAのグループ写真を初めて見たのは、1990年代に購入していた洋楽雑誌CROSSBEATの記事だと思うのだが、とにかくその視覚的インパクトに度肝を抜かれたことを鮮明に憶えている。


下らない感想だが、当時の筆者は「POISONとPOISON IDEAでは名前は似とるけどえらい違いやな」と思ったものである。


それまでにも、1970年代にはMeat Loaf〔ミートローフ〕、1980年代にはS.O.D.のBilly Milano〔ビリー・ミラノ〕、GRIM REAPER〔グリム・リーパー〕のSteve Grimmett〔スティーヴ・グリメット〕、CANDLEMASS〔キャンドルマス〕のMessiah Marcolin〔メサイア・マーコリン〕等、巨漢のロック・ミュージシャンは何人もいた。


しかし、言っちゃ悪いがPOISON IDEAは上記のミュージシャンとは比較にならないほど群を抜いて醜く、そこが逆にカッコ良かったのである。


「ロックとはハングリー精神が必要な音楽であり、ロック・ミュージシャンは痩せているからこそ説得力がある」


という理論も確かに一理あると筆者は思っているのだが、POISON IDEAのアルバムを聴いていると、あまりのカッコ良さに「そんなことはどうでもいい」と思えてくる。


POISON IDEAは米国のオレゴン州ポートランド出身のハードコア・パンク・バンドなのだが、その音楽性にはメタリックなテイストも少なからず入っており、ハードコアのリスナーのみならず、スラッシュ・メタルのリスナーにも受けるバンドなのではないだろうか。


今回取り上げている3rdアルバム「FEEL THE DARKNESS」のオープニング曲"Plastic Bomb"は、美しいピアノの調べで幕を開けるのだが、それも束の間、メタリックなテイストのギターと暗黒感漂うコーラスで奈落の底に突き落とされる。


そして、アルバムのエンディング曲まで彼らのペースで強引に引きずり回されるのである。

 

#0348) DISCOVER / GENE LOVES JEZEBEL 【1986年リリース】

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1970年代後期くらいから登場したポストパンクやニュー・ウェイヴのアーティストを今では殆ど聴かなくなってしまったのだが、そこから派生したゴシック・ロックとニューロマンティックのアーティストは何故か今でも好んで聴くことが多い。


好きなゴシック・ロックのアルバムは?


こう訊かれた時に答えるのは、BAUHAUS〔バウハウス〕の「IN THE FLAT FIELD」、或いは、THE CULT〔ザ・カルト〕の「LOVE」あたりだと思う。


ゴシック・ロックと言うと、何となく色物的なイメージがあるが、BAUHAUSやTHE CULTは演奏技術も達者で音楽としての土台がしっかりしているので、50歳を超えた現在の耳で聴いても「しんどいなぁ、これ」と感じることはない。


SEX GANG CHILDREN〔セックス・ギャング・チルドレン〕やVIRGIN PRUNES〔ヴァージン・プルーンズ〕あたりも個性的で面白いのだが、ちょっと非音楽的すぎて50歳を超えたオジサンの耳で日常的に聴くには少々しんどいものがある。


今回取り上げているGENE LOVES JEZEBEL〔ジーン・ラヴズ・ジザベル〕も、初期の頃は一応ゴシック・ロックというジャンルに入るバンドだ。


このバンドは4thアルバム「THE HOUSE OF DOLLS」から急激にポップ化し、5thアルバム「KISS OF LIFE」ではハード・ロックのテイストも取り入れ、ゴシック・ロックからジワジワと離れていった。


4thアルバム以降の方が音楽的には優れていて聴き易いと思うのだが、ゴシック・ロック期の1stから3rdアルバムにも独特の妖しげな魅力があり、これはこれで捨てがたいものがある。


今回取り上げている「DISCOVER」は3rdアルバムであり、次作で打ち出してくるポップな要素も既に表面化しており、ポップなゴシック・ロックという感じの音楽性は、同時代の同ジャンルでも彼らに近い存在はいなかったと思う。


GENE LOVES JEZEBELは、このアルバム・カヴァーに写るヴィジュアルがかなりイケてるJay Aston〔ジェイ・アストン〕とMichael Aston〔マイケル・アストン〕の双子を中心としたバンドだ。


兄弟でやっているバンドというのは、喧嘩別れするケースが多いように思えるのだが、GENE LOVES JEZEBELも例外ではなく、現在ではJay Aston's GENE LOVES JEZEBELとMichael Aston's GENE LOVES JEZEBEという二つのバンドに分裂しているようだ。


筆者は一人っ子なので兄弟の気持ちは全く分からないのだが、兄弟で仲良くバンドを続けるのはそんなに難しいことなのか、機会があれば一度訊いてみたいものである。

 

#0347) CHERRY PIE / WARRANT 【1990年リリース】

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「グラム・メタル・バンドは女やセックスのことばかり歌っていて、実にけしからん!」という輩がいるが、そんな批判はお門違いも甚だしいことだと筆者は思っている。


そもそも、ロックン・ロールとは、女やセックスのことを歌うところから始まっている。


ロックン・ロールを始めるの人の多くは10代の男、つまり、思春期の男であり、思春期の男の頭の中なんて、99%は女とセックスのことで一杯なのである。


残りの1%で、どうにかこうにか、生命維持活動に必要なことをしているようなものだ。


思春期の男なんていうものは、可愛いあの娘に近づくにはどうしたらいいのか、そして、可愛いあの娘とセックスする方法はないものか、そんなことばかり考えているのである。


女性からはお叱りをうけること覚悟で書くなら、可愛いあの娘が無理なら、そこまで可愛くないあの娘でもいいという不埒なことを考えているのである。


「いや、オレはそんなことを考えたことはない」という男がいたなら、そんな奴は間違いなく100%の大嘘つきである。


グラム・メタルとは思春期の男のリビドーをストレートに表現したロックン・ロールであり、それ故、多くの共感を得られたのである。


今回取り上げているWARRANT〔ウォレント〕の2ndアルバム「CHERRY PIE」は、そんな素晴らしきグラム・メタルの大傑作アルバムだ。


ローラースケートを履いたミニスカートのウエイトレスのアルバム・カヴァーも最高だし、「CHERRY PIE」というアルバム・タイトルも最高だし、収録曲はどれもこれもフック満載のキャッチーなハード・ロックであり、ちょっとした軽薄さも含めて非の打ち所がない。


何よりも、このアルバムに「いけないチェリー・パイ」という邦題を付けた人は天才だ。


WARRANTは1stアルバムのリリースが1989年であり、「LAメタル最後の大物」という触れ込みで紹介されていた記憶がある(グラム・メタルのことを当時の日本ではLAメタルと言った)。


WARRANT以降も、SLAUGHTER〔スローター〕やFIREHOUSE〔ファイアーハウス〕等、商業的に大きな成功を修めたグラム・メタルの大物はいる。


しかし、何故か、筆者にとって、グラム・メタルの繁栄と衰退を最も感じさせてくれる最後のバンドと言えば、それはWARRANTなのである。

 

#0346) SURFING WITH THE ALIEN / Joe Satriani 【1987年リリース】

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今回取り上げているJoe Satrianiの2ndアルバム「SURFING WITH THE ALIEN」は、ロックの歴史に刻まれたインストゥルメンタル・ロックの名盤であり、このジャンルの最高峰と言えるだろう。


そして、筆者が今までに生で演奏を聴いたことのあるギタリストの中で、最も上手いと感じた人は紛れもなくJoe Satrianiジョー・サトリアーニ〕でなのある。


Joe Satrianiのライヴには、学生時代にバイト先で仲良くなったU君に誘われて一緒に行ったのだが、ライヴに行く前の筆者はJoe Satrianiにそれほど興味があったわけではない。


U君がJoe Satrianiの熱烈なファンだったので、それに付き合う形で筆者も一緒にライヴに行ったのである。


当時(1980年代)、筆者の周りのロック好きの仲間では、ある人が好きなアーティストのライヴに、他の人達が付き合う形で行くことが、けっこうあった。


そして、付き合いとして行ったライヴが切っ掛けとなり、そのアーティストを好きになるということも、けっこうあったのである。


筆者にとってのJoe Satrianiとは、正に付き合いで行ったライヴが切っ掛けとなり、好きになったアーティストなのである。


とにかく、ライヴが始まったとたん、クールな顔をして超絶テクでギターを弾きまくるJoe Satrianiに度肝を抜かれてしまい、一発でファンになってしまったのである。


よく知られているとおり、Joe Satrianiは、Steve Vaiスティーヴ・ヴァイ〕、METALLICAメタリカ〕のKirk Hammett〔カーク・ハメット〕、TESTAMENT〔テスタメント〕のAlex Skolnick〔アレックス・スコルニック〕といった世界的に有名なギタリストの先生である。


このアルバムの凄いところは、ギタリストが聴いて凄いと思えるアルバムでありながら、収録曲の全てがキャッチーなので、ギターを弾かない人でも楽しめるところである。


筆者はこのアルバムを、Joe Satrianiの超絶テクを聴きたくて再生することもあれば、休日に読書する時のBGMとして再生することもある。


家の中だけでなく、良く晴れた休日の朝に、散歩しながらこのアルバムを聴くと、実に爽やかな気分になれる。


インストゥルメンタル・ロックなので、ヴォーカルに邪魔されることなく、ずっとJoe Satrianiのギターを聴き続けられるのも良い。