筆者にとって、ゆっくりとくつろぎたい時に聴きたくなるミュージシャンと言えばJimmy Reed〔ジミー・リード〕だ。
その中でも1stアルバムの「I'M JIMMY REED」が良い。
よく晴れた休日の午後に聴くには最高の1枚だ。
そもそもJimmy Reedを知ったきっかけは、THE ROLLING STONES〔ザ・ローリング・ストーンズ〕がJimmy Reedの"Honest I Do"をカヴァーしていたからだ。
とにかくSTONESの"Honest I Do"が大好きで、オリジナルのJimmy Reedが気になり、行きつけの輸入レコード店に行って、その店のオーナーに「Jimmy Reedって何者?」って訊いたところ、オーナーが出してくれたレコードが「I'M JIMMY REED」だった(確か中古盤だったように記憶している)。
アルバムの1曲目が"Honest I Do"だったので、興奮しながらレコードに針を落としたところ、流れてきたその音にぶっ飛んだ。
Mick Jagger〔ミック・ジャガー〕には申し訳ないが、歌の上手さが段違いだ。
今になって思えば、駆け出しのロック・シンガーと脂の乗ったブルース・シンガーを比べるのはフェアではなかった(正直なところ、今でもMick Jaggerのことは歌の上手いシンガーだとは思っていないが、Mick Jaggerの魅力は歌の上手い下手の次元で語れるものではないと思っている)。
当たり前のことだがブルースにも色々なタイプのミュージシャンがいる。
その中でも聴く者をリラックスさせてくれるということに関してはJimmy Reedの「I'M JIMMY REED」がダントツだ。
緩く、そして、いい感じにレイドバックした彼の歌とサウンドはJimmy Reed独特の個性であり、他に代わる者がない。
同じブルースでも、Robert Johnson〔ロバート・ジョンソン〕を聴く時はちょっとした緊張を強いられる。
きっと、Robert Johnsonのミステリアスな人生と伝説がそうさせるのだろう。
Jimmy Reedを聴く時は緊張なんてまるで無い。
ただただ気持ち良くグルーヴに身を任せればそれでいい。
次の休日がもし晴れだったら、バーボンでも飲みながら、久しぶりに「I'M JIMMY REED」を聴くことしよう。