Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0047) I SEE A DARKNESS / Bonnie 'Prince' Billy 【1999年リリース】

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Bonnie 'Prince' Billy〔ボニー・プリンス・ビリー〕とは、米国のシンガー・ソングライターWill Oldham〔ウィル・オールダム〕のステージ・ネームである。


この人は、PALACE BROTHERS〔パレス・ブラザース〕とか、PALACE MUSIC〔パレス・ミュージック〕とか、PALACE SONGS〔パレス・ソングス〕とか、PALACE〔パレス〕とか、或いは本名のWill Oldhamとか、とにかく色々と名前を変えて音源をリリースしてきているのだが、今回取り上げたこの「I SEE A DARKNESS」以降のアルバムはたぶんBonnie 'Prince' Billyで統一されている。


「PALACE」に執着していたのに全く原型を留めないステージ・ネームに落ち着いた。


「なんで、ちょこっとずつ変えながら全然ちゃうとこいくねん!」って感じだが、なかなかカッコ良いステージ・ネームだ。


このアルバムを一言で表現するなら「暗黒フォーク」だ。


まぁ、このアルバム・ジャケットで、アルバム・タイトルが「I SEE A DARKNESS (僕は暗闇を見る)」なのだから、明るい曲が鳴りそうな感じがしない。


Bonnie 'Prince' BillyというかWill Oldham本人のルックスは、アメリカの農場で働いていそうな禿で髭の、一見、陽気そうに見えるオッサンである。


そんなオッサンが、こんな暗い曲を書いて歌って演奏してしまうというギャップに魅かれる。


オッサンと言ってしまったが、Will Oldhamは筆者と同世代である。


筆者もたいがいオッサンそのもののルックスなので、Will Oldhamも筆者からオッサンと言われる筋合いはないのかもしれない。


このブログを始めた時、最初の記事で、筆者が数年前まで鬱病を患っていたことを書いた。


鬱病の時は、それまで好きだった音楽ですら聴きたくなくなるのだが、それでも時々音楽を聴きたくなる時があった。


その時に聴いていたのが実はこのアルバムだった。


暗いアルバムなのだが、筆者にとっては、何故か癒しの効果があったのである。


だからと言って、同じ症状の人に薦められるようなアルバムではない。


このアルバムは、そういうアルバムである。