このブログでは既にスラッシュ・メタル四天王と呼ばれているMETALLICA〔メタリカ〕、MEGADETH〔メガデス〕、SLAYER〔スレイヤー〕、ANTHRAX〔アンスラックス〕のアルバムを取り上げた。
#0097) METALLICA
#0087) MEGADETH
#0077) SLAYER
#0067) ANTHRAX
では、このスラッシュ・メタル四天王の位置に最も近いバンドは何かと考えた場合、これには賛否両論あると思うのだが、筆者はEXODUS〔エクソダス〕がそれに相当するのではないかと考えている。
EXODUSはスラッシュ・メタル四天王ほどの商業的な成功は納めていないが、METALLICAのKirk Hammett〔カーク・ハメット〕が過去に在籍していたり、METALLICA、SLAYER 、ANTHRAX と同時期(1980年代初頭)から活動を開始していたりという具合に、スラッシュ・メタル・バンドとしての歴史や存在感は申し分ない。
そして何よりも決定的なのは、数年前に音楽雑誌BURRN!がミュージシャンに対して行った、「あなたの好きなスラッシュ・メタルのアルバムは?」的なアンケートで物凄い得票を集めていたのが今回取り上げたEXODUSの1sアルバム「BONDED BY BLOOD」なのである。
記憶が定かではないが、確か1位だったような気がする。
と、書いてはみたものの筆者がこのアルバムを聴いたのは上記のBURRN!のアンケート結果を見てからである。
その得票の凄さを見て、それまでさほど興味を持っていなかったEXODUSに俄然興味が湧いてきたのである。
このバンドには何となく、出遅れた感があった。
METALLICAやSLAYER とほぼ同じ時期に活動を開始したものの(EXODUSは1980年、METALLICAとSLAYER は1981年)、EXODUSが1stアルバムを漸くリリース出来たのは1985年である。
翌年の1986年は、METALLICAは3rdアルバムの「MASTER OF PUPPETS」、SLAYER は3rdアルバムの「REIGN IN BLOOD」という、それぞれの音楽性を研ぎ澄ませたアルバムをリリースしていた時期だ。
実のところ、筆者はこの「BONDED BY BLOOD」というアルバムの日本盤がリリースされていたかどうかも記憶にないほど、このアルバムに対する認識が薄かった(2ndアルバムの「PLEASURES OF THE FLESH」のレビューが音楽雑誌MUSIC LIFEに載っていた記憶はある)。
上記のBURRN!のアンケートを見なければ、たぶんこのアルバムを聴かなかっただろう。
遅まきながら聴いてみて驚いたのは、そのあまりにも解り易いスラッシュ・メタルっぷりである。
これをスラッシュ・メタルと呼ばずして、何をスラッシュ・メタルと呼ぶのかというほどのスラッシュ・メタルっぷりなのである。
スラッシュ・メタルについて書かれた記事でよく目にするベイエリア・クランチが何なのかを知りたいのであれば、このアルバムを聴けば直ぐに解るだろう。
このアルバムから始終かき鳴らされるザクザクとしたギター・リフにやられた人はスラッシュ・メタル・マニアとなり、やられなかった人はスラッシュ・メタルが必要ないということである。