米国デラウェア州ウィルミントン出身のGEORGE THOROGOOD & THE DESTROYERS〔ジョージ・サラグッド&ザ・デストロイヤーズ〕の本国での人気というのはどれくらいなのだろう?
1stアルバム「GEORGE THOROGOOD & THE DESTROYERS」(1977年作)をリリースして以降、2019年現在での最新作である15thアルバム「2120 SOUTH MICHIGAN AVE.」(2011年作)まで、コンスタントに作品のリリースを続けているので、たぶん一定以上の支持を得ているのだろう。
ところで、Thorogoodという姓はサラグッドと読むのかソログッドと読むのか、どちらなのだろう?
そもそも英語をカタカナで読むこと自体に無理があるので拘ったところで無意味なのかもしれないが、今回取り上げる8thアルバム「BOOGIE PEOPLE」の日本盤を買った時は、確かサラグッドと書かれていたように記憶しているので、この記事ではサラグッドと書くことにする。
このアルバムを買った当時は、筆者が最もロックン・ロールに飢えていた時期であり、評判の良いロックン・ロール・バンドのアルバムの購入に、稼いだバイト代を最も落としていた時代である。
GEORGE THOROGOOD & THE DESTROYERSの音楽性は、確かにロックン・ロールと言えばそのとおりなのだが、ブルース・ロックであり、ブギー・ロックと言った方が解り易いだろう。
このアルバムの面白いところは、ファン気質が丸出しになっているところだ。
John Lee Hooker〔ジョン・リー・フッカー〕、Muddy Waters〔マディー・ウォータース〕、Howlin' Wolf〔ハウリン・ウルフ〕、Chuck Berry〔チャック・ベリー〕という大物達の曲のカヴァーが収録されており、筆者は不勉強のため知らないのだがNick Gravenites〔ニック・グレイヴナイツ〕というアーティストの曲やEarl Green & Carl Montgomeryというソングライターによって書かれたカントリーの曲のカヴァーも収録されている。
全10曲を収録しているアルバムで、実に6曲ものカヴァー曲を収録しているのである。
実は、GEORGE THOROGOOD & THE DESTROYERSは他のアルバムにも多くのカヴァー曲を収録しているのだが、好きな曲は躊躇なく自分のバンドでカヴァーしてリリースしてしまうその潔さが良い。
オリジナル曲を書くことに拘るのも、もちろんアリだと思うのだが、有名なブルースやR&Bの曲をこんなにもグルーヴィーに演奏できるなんて、それもまた素晴らしい芸の一つだ。