Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0159) LUCY / CANDLEBOX 【1995年リリース】

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筆者が洋楽に聴き始めた1980年代初頭は、当然だが今のような安価な音楽配信サービスは無かった。


故に、レコードやCDを買うというのは、なかなか勇気のいる行為だった。


レコードやCD は2,500円から3,200円くらいする高価な代物なので、「絶対に聴きたい」物にはその予算を投入できるが、「何となく聴いてみたい」程度の物は先ずレンタル店で借りて聴き、それを手元に置いておきたいほど気に入ったら購入するというのが当時の筆者のお決まりの流れだ。


ちなみに、レンタル店での取り扱いの無い場合は周りの仲間がそれを買うまで待つのだが、誰も買わない場合は諦めるしかない。


「絶対に聴きたい」と思って購入しても、「あぁ~、失敗したわぁ~、えらいもん買うてしもたわぁ~、どないしょ~」となることも度々で、そんな場合は何とか好きになれるように頑張って聴き込むのだが、そうすると、不思議なことに、物によっては好きになってしまう場合もある。


Amazon Music Unlimitedに加入してからは、プライム会員なら月額780円で聴き放題なので、昔、「何となく聴いてみたい」と思っていたが、いつの間にか聴き逃してしまったアーテイストの作品を頻繁に聴くようになった。


今回取り上げたCANDLEBOX〔キャンドルボックス〕の2ndアルバム「LUCY」も、そんな一枚だ。


Amazon Music Unlimitedに1st~3rdまでのボックスセットがあったので聴いてみたのだが、特に、2ndアルバム「LUCY」が気に入ったので、最近のヘヴィ・ローテーションになっている。


CANDLEBOXは、所謂グランジ、或いは、ポスト・グランジとして知られていると思うのだが、いやいや、これは王道ハード・ロックだ。


そして、上手いことグランジ特有の殺伐感を散りばめている。


初期のプリミティヴなグランジだけを愛する原理主義者の方に聴かせたら、「こんな物は流行に便乗しただけの産業グランジだ」と言われそうな音だ。


あのMadonna〔マドンナ〕が設立したマーベリックからCDをリリースしてるので、それを狙ってやっている確信犯の可能性も大いにある。


しかし、筆者のような、とにかく質の高い楽曲には目が無いリスナーにとって、CANDLEBOXというバンドは有難い存在なのである。