昨日はドラムマシーンを使った打ち込み系のダンス・ミュージックを取り上げた訳だが、そうすると、今度はその反動なのか、人間による生の演奏、それも、高度な演奏技術に裏打ちされた土の香りのするアーシーなロックが聴きたくなる。
そうなると、サザン・ロックあたりが求める音に最も近い。
今回は、GOV'T MULE〔ガヴァメント・ミュール〕の6thアルバム「DEJA VOODOO」を取り上げることにする。
タイトル欄には「DEJA VOODOO」と書いているが、本当のタイトルは、Eにはグレーブが付き、Aにはアキュートが付くので、「DÉJÀ VOODOO」が正式なタイトルだ。
GOV'T MULEはディスコグラフィの中から、どれか一枚を選ぶのが難しいアーティストだ。
どれもこれも甲乙つけがたいほどアルバムのクオリティが高く、そのレベルが拮抗している。
そして、聴く回数が多いのがスタジオ・アルバムよりもライヴ・アルバムの方なのである。
このバンドは演奏が上手いし、歌も上手い。
故に、ついついライヴ・アルバムを聴きたくなってしまうのである。
しかし、筆者はそのアーティストを代表する一枚を選ぶ時にライヴ・アルバムを選ぶというのは、どうも反則のような気がするので、このブログでは殆ど取り上げていない。
たぶん、取り上げたのは、アナログ・レコードにおけるA面がライヴ音源となっているZZ TOP〔ジー・ジー・トップ〕の「FANDANGO!」くらいではないだろうか?
今回、GOV'T MULEのスタジオ・アルバムの中から何故「DÉJÀ VOODOO」を取り上げたかというと、オリジナル・メンバーでベーシストのAllen Woody〔アレン・ウッディ〕を亡くした彼らがようやく後任のパーマネントなベーシストAndy Hess〔アンディ・ヘス〕を迎え入れて制作したアルバムであり、彼らが深い悲しみから立ち直り始めた一枚でもあるからだ。
GOV'T MULEのアルバムには駄作は無いので、実のところ、どのアルバムから聴き始めても良いのである。
今回、あえて「DÉJÀ VOODOO」を取り上げた理由がもう一つあるとするなら、アルバム・カヴァーのインパクトの大きさかもしれない。