Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0167) NIGHT SONGS / CINDERELLA 【1986年リリース】

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CINDERELLA〔シンデレラ〕は、BON JOVIボン・ジョヴィ〕の弟分として、1980年代のメタル・バブル期に登場したバンドだ。


ちなみに、BON JOVIボン・ジョヴィ〕のもう一つの弟分として、CINDERELLA より少し後に登場したバンドがSKID ROWスキッド・ロウ〕だ。


SKID ROWは後に兄貴分のBON JOVIと揉めたが、CINDERELLAは良好な関係を続けていたように記憶している。


本日はCINDERELLAの1stアルバム「NIGHT SONGS」を取り上げることにする。


アルバム・ジャケットに写るメンバーのヴィジュアルのとおり、グラム・メタルにカテゴライズされるバンドである。


それも、けっこう派手な部類に入るヴィジュアルをしているのではないだろうか?


CINDERELLAと同じ時期に登場したPOISON〔ポイズン〕を#0157で取り上げた時に、「当時、筆者の周りではPOISONを聴いていると馬鹿にされた」と書いた。


しかし、どう言う訳かPOISONと同じくらい派手なヴィジュアルをしていて、POISONと同じフィラデルフィア出身のCINDERELLAは、聴いていても馬鹿にされることはなかった。


不思議な気もするが、理解できるような気もする。


CINDERELLAがこの「NIGHT SONGS」で鳴らしている音は、かなり本格派のハード・ロックであり、エッジの鋭いヘヴィ・メタルなのである。


そして、1stアルバムの時点でも、そこそこブルージーなのだが、その後、2ndアルバム「LONG COLD WINTER」では更に深くブルースに傾倒し、3rdアルバム「HEARTBREAK STATION」では米国のルーツ・ミュージックからの影響も打ち出して、その音楽性を昇華させていく。


ヴォーカル&ギターのTom Keifer〔トム・キーファー〕は、ブルース・ロックの女王Janis Joplinジャニス・ジョプリン〕からの影響が色濃いエモーショナルな歌を聴かせ、Jeff LaBar〔ジェフ・ラバー〕とのツイン・ギターには燻し銀の渋さがある。


この時期のグラム・メタル・バンドの多くが持っていたバブルガム・ポップ的な要素が皆無なのだ。


今回、久しぶりに「NIGHT SONGS」聴いてみたのだが、あまりにも突っ込み所のない完璧さが、逆に可愛くないと感じてしまうほどであった。