ロックが好きでAC/DC〔エーシー・ディーシー〕が嫌いな奴なんていない...なんて言うのは嘘で、人の好みは十人十色、ロックは好きだけどAC/DCは好きじゃないという人がいてもそれは当たり前の話だ。
しかし、ロック・バンドのライヴ会場に行った時にAC/DCのTシャツを着ている人を見ると、何だかとても嬉しくなる。
「おっ、この人、わかってるやん!」とか「絶対、この人と話し合うはず!」って思ってしまうのだ(ちなみに、ZZ TOP〔ヅィー・ヅィー・トップ〕やMOTÖRHEAD〔モーターヘッド〕のTシャツを着ている人を見た時も同じことを思ってしまう)。
1970年代から活動していて、現在もなお高い人気を誇るロックン・ロール・バンドとしてはAEROSMITH〔エアロスミス〕と双璧だろう。
しかし、正直なところ、筆者は1980年代以降のAEROSMITHをそれほど熱心に聴いた記憶がない。
これが、AC/DCとなると、時代を問わず、いつ聴いても好きなのである。
一般的には評価が低いと言われている9thアルバム「FLICK OF THE SWITCH」(1983年)や10thアルバム「FLY ON THE WALL」(1985年)ですら好きだ。
そんなAC/DCのアルバムで1番好きなものは何かと考えると、これは選ぶのが難しいのだが、とりあえず今日の気分では4thアルバム「LET THERE BE ROCK」を挙げておこうと思う。
このアルバムに収録されている名曲"Whole Lotta Rosie"を初めて聴いたのは本家のAC/DCの演奏ではなく、GUNS N' ROSES〔ガンズ・アンド・ローゼズ〕のライヴでのカヴァーだった。
GUNS N' ROSESが演奏しているにも関わらず、この曲のヴァースで観客から入る合いの手が「アンガス!」なのである(もちろん、アンガスとはAC/DCのリード・ギタリストAngus Young〔アンガス・ヤング〕のことだ)。
AC/DCは日本での人気が低いという話を、洋楽雑誌で読んだことがあるが、本当かなと思ってしまう。
何故なら、筆者の地元の少し年上のバンド・マンたちは、ほぼ例外なくAC/DCのファンだったからだ。
AC/DCと言うと、どうしても大ヒットした7thアルバム「BACK IN BLACK」(1980年)が注目されがちだが、AC/DCは「BACK IN BLACK」よりも前から凄かったということを分かってもらいたくて、今回はあえて「LET THERE BE ROCK」を選んでみた。