Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0175) THE CAPTAIN AND ME / THE DOOBIE BROTHERS 【1973年リリース】

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洋楽を聴き始めた最初の5年くらいが最も貪欲にレコードを聴き漁っていた。


洋楽雑誌、或いは、テレビやラジオの洋楽番組を欠かさずにチェックし、次に聴くべきアーティストを日々探していたのだ。


時には、思いがけず、洋楽雑誌や洋楽番組意外から情報を得ることもあった。


今回取り上げたTHE DOOBIE BROTHERS〔ザ・ドゥービー・ブラザーズ〕の3rdアルバム「THE CAPTAIN AND ME」 が正にそれであり、このバンド、そして、このアルバムは、ある漫画を切っ掛けにして知ることになった。


その漫画とは、#0070.5で取り上げた佐藤宏之著の「気分はグルービー」という作品である。


この漫画は、筆者が中学から高校にかけて愛読した作品であり、今でも数年毎に読み直すほどのお気に入りだ。


バンド活動をしている高校生(途中から一人だけ浪人生になる)の日常を描いた青春漫画なのだが、著者の佐藤宏之がバンドマンなので、漫画の中で描かれるバンド活動の描写が実にリアルなのである。


そんなリアルな漫画の中で主人公達が所属するバンド、ピテカントロプス・エレクトス(通称ピテカン)がライヴハウスでTHE DOOBIE BROTHERSの"China Grove"をカヴァーするシーンが描かれていたのだ。


漫画の中に登場する架空のバンドではあるが、ピテカンがカヴァーするバンドなら聴かない訳にはいかないのである。


THE DOOBIE BROTHERSは人気バンドだったので、レンタルレコード店で"China Grove"が収録された「THE CAPTAIN AND ME」 を見つけることは簡単だった。


当然ながら"China Grove"は名曲だったのだが、何より、その、おおらかで骨太なウェスト・コースト・サウンドに魅了された。


1960年代後半生まれの筆者にとって、ウェスト・コーストと言えば1980年代のLAメタルなのだが、1970年代はEAGLESイーグルス〕や、このTHE DOOBIE BROTHERSなのである。


THE DOOBIE BROTHERSを聴いていると、開拓者精神を宿して西部を駆け抜けた初期の米国人の姿が目に浮かぶ。


ロックを聴き始めた頃の筆者は英国のアーティストに興味が向くことが多かったのだが、本作は、筆者が米国に興味を向ける切っ掛けとなった一枚でもある。