Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0176) JOE COCKER! / Joe Cocker 【1969年リリース】

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自分が歳をとってから(40歳を過ぎた頃くらいから)、頻繁に聴くようになった音楽のジャンルがある。


その一つがブルー・アイド・ソウル系の男性ソロ・シンガーだ。


例えば、Frankie Miller〔フランキー・ミラー〕やJess Roden〔ジェス・ローデン〕は、40歳を過ぎてから聴き始めたアーティストだ。


Rod Stewart〔ロッド・スチュアート〕やRobert Palmerロバート・パーマー〕は10代の頃から聴いていたが、筆者にとっては、Rod StewartはFACES〔フェイセズ〕のシンガー、Robert PalmerはTHE POWER STATIONザ・パワー・ステーション〕のシンガーというイメージの方が強い。


そもそも、10代の頃はソロ・シンガーよりもバンドの方が圧倒的に好きだったのである。


ただ、人は歳を取るものであり、若い時に好きだった音楽を聴くのが少々しんどく感じる時がある。


例えば、ハード・ロックヘヴィ・メタルパンク・ロック、ニュー・ウェイヴ等の尖った音は、もちろん今でも好きなのだが、気合の充実していないと聴くのがしんどい。


そうなると、気合の充実していない時でも気楽に聴けるアーティストの作品に手が伸び、それがブルー・アイド・ソウル系の男性ソロ・シンガーになることが多い。


今回取り上げたJoe Cocker〔ジョー・コッカー〕の2ndアルバム「JOE COCKER!」も気楽に聴きたい時に自然と手が伸びる一枚だ。


Joe Cockerのことは、10代の頃に、映画「愛と青春の旅だち」の主題歌"Up Where We Belong"や、Billy Prestonビリー・プレストン〕のカヴァー曲"You Are So Beautiful"という大ヒット曲を聴いて、「声が渋くて歌の上手い人だな」とは思っていたのだが、彼のアルバムを買って聴くまでには至らなかった。


10代の筆者とってのJoe Cockerは、あまりにも成熟していて、ちょっと刺激が足りなかったのだろう。


しかし、50代が目前に迫ったこの歳で聴くと、実にすんなりと耳に入ってくるのである。


このアルバムはJoe Cocker自身が書いたオリジナル曲は1曲のみであり、他は全てカヴァーだ。


昔はオリジナル曲を書くアーティストへの拘りがあったのだが、最近はそんな拘りも無くなり、カヴァー曲を楽しめるようになった。