諸説あるが、今回取り上げるTHE MOODY BLUES〔ザ・ムーディー・ブルース〕の2ndアルバム「DAYS OF FUTURE PASSED」は最初のプログレッシヴ・ロックのアルバムと言われている。
このアルバムは1967年のリリースである。
同年にリリースされたロックのアルバムは、THE BEACH BOYS〔ザ・ビーチ・ボーイズ〕の「SMILEY SMILE」、THE BEATLES〔ザ・ビートルズ〕の「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、Bob Dylan〔ボブ・ディラン〕の「JOHN WESLEY HARDING」、BUFFALO SPRINGFIELD〔バッファロー・スプリングフィールド〕の「BUFFALO SPRINGFIELD AGAIN」、CREAM〔クリーム〕の「DISRAELI GEARS」、THE DOORS〔ドアーズ〕の「THE DOORS」、THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE〔ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス〕の「AXIS: BOLD AS LOVE」、PINK FLOYD〔ピンク・フロイド〕の「THE PIPER AT THE GATES OF DAWN」、THE VELVET UNDERGROUND〔ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド〕の「THE VELVET UNDERGROUND & NICO」等々、きりが無いのでこれくらいにしておくが、ロックの歴史にとって重要な作品が多い。
そもそも、1960年代とはロックの歴史にとって最も重要な時代なので名盤が多いのは当たり前なのだが、上記のアルバムを改めて見てみると、この時代にロックにおける表現方法は出尽くしているように思える。
1970年代に隆盛を極めるハード・ロックやプログレッシヴ・ロックも、その萌芽が上記のアーティストのアルバムの中に見て取れる。
今回取り上げたTHE MOODY BLUESの「DAYS OF FUTURE PASSED」も既に述べたとおり、最初のプログレッシヴ・ロックと言われているが、Peter Knight〔ピーター・ナイト〕によって編曲され、彼に指揮されたTHE LONDON FESTIVAL ORCHESTRA〔ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団〕と共演した作品であり、プログレッシヴ・ロックと言うよりはシンフォニック・ロックと言った方が解り易い。
筆者にとってのTHE MOODY BLUESと言えば、かつて、音楽雑誌MUSIC LIFEの巻末特集で見た「英国ロックの歴史」的な記事で知ったバンドであり、そこで紹介されていた"Nights In White Satin (邦題:サテンの夜)"が聴きたくて焦がれたバンドだ。
同曲が収録された「DAYS OF FUTURE PASSED」は、筆者のブログに時々登場する10代の頃の友人であるU君のお兄さん(膨大なプログレのレコードとCDを保持する熱狂的なプログレ・マニア)に聴かせてもらい、その後30年以上聴き続けているアルバムだ。
全く古びていないシンフォニック・ロックの名盤であり、例えば、1990年代後半以降のMERCURY REV〔マーキュリー・レヴ〕やTHE FLAMING LIPS〔ザ・フレーミング・リップス〕あたりが好きな人に向けて筆者がお薦めする一枚なのである。