ロック界でオズボーン姓といえば、大方の人が先ずは思いつくのはBLACK SABBATH〔ブラック・サバス〕のOzzy Osbourne〔オジー・オズボーン〕だろう。
オズボーンという姓は、筆者の耳には一風変わって聴こえたので、これは芸名なのだろうと勝手に思い込んでいた。
その後、MELVINS〔メルヴィンズ〕のBuzz Osborne〔バズ・オズボーン〕を知り、MELVINSの音楽性が語られる時にBLACK SABBATHがよく引き合いに出されていたので、こちらも「これはOzzyから拝借した芸名なのだろう」と勝手に思い込んでいた。
筆者にとってのOzzyとは、将にロック界のカリスマ中のカリスマであり、筆者がロックを聴き始めた頃(1980年代初期)には既にレジェンドとなっていたアーティストだ。
筆者もOzzyの初期のソロ・アルバムには深く傾倒していたので、MELVINS のBuzzのことを「カリスマと同じ芸名を名乗るなんて大胆な奴だな」と思っていた。
そして、その後、Joan Osborne〔ジョーン・オズボーン〕が出てきた時に「あれっ?」となった。
Joanの音楽性からすると、Ozzyから芸名を拝借する必要など全く無いわけであり、Wikipediaで調べてみたところ、OzzyもBuzzもJoanもオズボーンという姓が本名であることが分かった。
綴りについては、Ozzyの性はOsbourneで、BuzzとJoanの性がOsborneなので全く同じではないが、筆者にとってはちょっと驚きの出来事だった。
さて、今回取り上げたのはロック界のオズボーン姓の一人である(我ながら無理やりな括りだと思う)Joan Osborneの1stアルバム「RELISH」だ。
このアルバムは、フォーク、カントリー、ブルース等、米国のルーツ・ミュージックに根差した何の変哲もないロックだ。
しかし、そんな何の変哲もないロックがこの歳になると(2019年6月現在でアラフィフ)、最も心地よく聴ける音楽なのである。
若い頃に好んで聴いていたハード・ロック、ヘヴィ・メタル、パンク・ロック、ニュー・ウェイヴ等、攻撃性の高い音楽は、この歳になると聴くのが少々しんどくなってくる。
特に日曜の朝という穏やかな時間には、Joan Osborneのような大地に包み込まれる感じの温かいルーツ・ミュージックがいい。
日曜の朝は散歩に出るのが習慣だが、今日は散歩に出るのは止めにしようと思う。