#0239) SONG AND LEGEND / SEX GANG CHILDREN 【1983年リリース】

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筆者がロックを聴き始めた時期は1980年代前半であり、英国のアーティストが世界的に人気を博していた第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの頃だ。


そこからニュー・ロマンティックや、更にマニアックなポストパンクやニュー・ウェイヴのアーティストも聴くようになり、その流れの中でポジティヴ・パンクという分かり難いジャンルとムーヴメントが一瞬だけあった。


当時のポジティヴ・パンクは、現在ではゴシック・ロックと呼ばれている。


ゴシック・ロックのような暗い音を出すアーティストが何故ポジティヴ(positive / 肯定的な、前向きな、陽性の)と呼ばれたのか、その辺りが非常に分かり難いのだが、オリジナル・パンクやその後継者であるハードコア・パンクが社会批判や政治批判を繰り返すネガティブ(negative / 否定的な)な傾向があることに対し、そのような否定的なメッセージを持たず、独自の美意識による世界観を構築していたアーティストのことをメディアがポジティヴ・パンクと言ったことがその命名の由来だ。


そして、今回取り上げたのが、そのポジティヴ・パンクを象徴するバンド、SEX GANG CHILDREN〔セックス・ギャング・チルドレン〕の1stアルバム「SONG AND LEGEND」である。


SEX GANG CHILDRENは、SOUTHERN DEATH CULT〔サザン・デス・カルト〕、THE DANSE SOCIETY〔ザ・ダンス・ソサエティー〕と並び、ポジティヴ・パンク御三家と呼ばれていたのだが、たぶん、これは日本独自の呼び方だろう(SOUTHERN DEATH CULTは後にハンド名をTHE CULT〔ザ・カルト〕と改名し、ハード・ロック・バンドとして成功を収めた)。


正直なところ、ハード・ロックを聴くようになり、そこから遡ってブルース聴くようになってからは、ポジティヴ・パンク(ゴシック・ロック)を含めたポストパンクやニュー・ウェイヴ系のアーティストを永年に渡り聴けなくなった時期があった。


しかし、40歳を過ぎたあたりから、その辺りのアーティストに懐かしさを覚えるようになり、再び楽しんで聴けるようになった。


この「SONG AND LEGEND」もどんな音だったか忘れていて、10年くらい前にAmazonで買い直して聴いてみたのだが、所謂ゴシック・ロックという言葉から連想される耽美的な感触は殆ど無い。


原始的なリズムと引っくり返った奇怪な声で歌うヴォーカルが特徴的で、改めて聴いてみるとなかなか面白いのだが、ゴスの元祖BAUHAUS〔バウハウス〕のような耽美な暗黒世界を期待して聴くと大ハズレする音でもある。