Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0245) 100 TON CHICKEN / CHICKEN SHACK 【1969年リリース】

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1980年代において、筆者がロックを聴く上で最大の情報源としていたのは雑誌であり、当時は『MUSIC LIFE』や『音楽専科』を毎月買っていて、これらの雑誌に載った新譜や旧譜の紹介記事を読んで購入するレコードを決めるのだが、何しろ雑誌というのは当たり前だが音が聴けるわけではない。


紹介記事を書いているライターと自分の感性が異なることなんてザラにあるので、レコードの購入は一か八かの賭けであり、失敗することも多かった。


その点、レンタル・レコード店というのは便利だったが、この手の店は売れ筋中心の品揃えなのでマニアックなレコードは少ない。


筆者が恵まれていたなと思うのは、ロックを聴く人やバンドマンが周りに沢山いて、彼らからレコードを貸してもらえたことである。


これらの人達は筆者よりも3~5歳くらい年上で(当時の筆者は中学生)、同級生のお兄さんやお姉さん、或いは、近所に住んでいた大学生なのだが、よく通っていた中古レコード店の店員さんは10歳くらい歳の離れた人だったのだがとても仲良くなり、この人がある日、50枚以上のレコードを筆者に貸してくれた。


いずれも古いレコードで状態があまり良くなかったのだが、雑誌でしか見たことのないレコードを聴くことができたのは嬉しかった。


そんなレコードの中で上記の画像のアルバム・カバーに一際目を惹かれたのだが、それが今回取り上げたCHICKEN SHACK〔チキン・シャック〕の3rdアルバム「100 TON CHICKEN」だ。


CHICKEN SHACKはFLEETWOOD MACフリートウッド・マック〕、SAVOY BROWN〔サヴォイ・ブラウン〕と並ぶ3大ブリティッシュ・ブルース・ロック・バンドであり、有名なバンドだが、CHICKEN SHACKのレコードを見たのはこの時が初めてだった。


前作の2ndアルバム「O.K. KEN?」まではStan Webb〔スタン・ウェッブ〕(guitar/vocals)とChristine Perfect〔クリスティン・パーフェクト〕(keyboards/vocals)の二枚看板体制だったのだが、Christine PerfectがFLEETWOOD MACのJohn McVie〔ジョン・マクヴィー〕と結婚して脱退したため、この3rdアルバム「100 TON CHICKEN」はStan Webbのブルース・ギターが完全にイニシアチブを取るスタイルに移行している。


このアルバムからCHICKEN SHACKはStan Webbのワンマン・バンドになるのだが、後にUFO〔ユー・エフ・オー〕やMSG〔マイケル・シェンカー・グループ〕で活躍するPaul Raymon〔ポール・レイモンド〕がキーボード・プレイヤーとして参加している興味深い作品でもある。