#0249) THE SOUTHERN DEATH CULT / SOUTHERN DEATH CULT 【1983年リリース】

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今回はSOUTHERN DEATH CULT〔サザン・デス・カルト〕のコンピレーション・アルバム「THE SOUTHERN DEATH CULT」を取り上げることにした。


SOUTHERN DEATH CULTはバンド名を、DEATH CULT〔デス・カルト〕、THE CULT〔ザ・カルト〕と変えながら、現在も活動を続けるバンドだ。


本音を言うと、このバンドに関しては、ポジティヴ・パンクというジャンルにカテゴライズされていたSOUTHERN DEATH CULT時代よりも、バンド名をTHE CULTと変え、3rdアルバム「ELECTRIC」で完全にハード・ロック化してからの方が音楽的には圧倒的に好きだ。


かつて、SOUTHERN DEATH CULTは、SEX GANG CHILDREN〔セックス・ギャング・チルドレン〕、THE DANSE SOCIETY〔ザ・ダンス・ソサエティー〕と共に「ポジティヴ・パンク御三家」と呼ばれていた時代(1980年代初期)があった。


ポジティヴ・パンクというジャンルが分かり難いのだが、これは今で言うゴシック・ロックのことであり、ゴシック・ロックのような陰鬱な音楽にポジティヴ(positive / 肯定的な、前向きな、陽性の)という言葉が使われていることに違和感を持つ方も多いと思う。


SEX GANG CHILDRENを取り上げた時にも書いたのだが、オリジナル・パンクやその後継者であるハードコア・パンクが社会批判や政治批判を繰り返すネガティブ(negative / 否定的な)な傾向があることに対し、そのような否定的なメッセージを持たず、独自の美意識による世界観を構築していたアーティストのことを当時の英国のメディアがポジティヴ・パンクと言ったことがその命名の由来なのである。


今回、久しぶりにSOUTHERN DEATH CULTを聴いてみたのだが、この頃から既にハード・ロックっぽい音を出しているし、後の大傑作ハード・ロック・アルバム「ELECTRIC」に繋がる萌芽がある。


バンド名をTHE CULTに変更し、2ndアルバム「LOVE」をリリースした1985年にこのバンドは初来日しているのだが、当時のインタビュー記事でメンバーが「FREE 〔フリー〕やLED ZEPPELINレッド・ツェッペリン〕が好きだ」と言っていたのを読んだ記憶がある。


当時はパンク世代のミュージシャンがハード・ロックを好きだと言うのは御法度という空気感があったのだが、FREEやLED ZEPPELINが好きだと堂々と言ってのけたこのバンドのメンバーは清々しいし、正直だと思った。


当時の筆者もFREEとTHE VELVET UNDERGROUND〔ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド〕を同時期に好んで聴いていたので、上記のインタビューを読んだときは何だか嬉しく思えたのである。