筆者の世代(2019年現在でアラフィフ)がMARTHA & THE VANDELLAS〔マーサ&ザ・ヴァンデラス〕を知る切っ掛けとなったのは、1985年に行われたチャリティー・コンサートLive Aid〔ライヴ・エイド〕だろう。
当時、日本でもLive Aidは生中継されており、泊りがけで遊びに行っていた親戚の家でテレビにかぶりついて見ていたのを記憶している。
このLive AidでMick Jagger〔ミック・ジャガー〕とDavid Bowie〔デヴィッド・ボウイ〕がデュエットしたミュージック・ビデオが流れたのだが、その時に歌われていた曲がMARTHA & THE VANDELLASの"Dancing In The Street"だったのである。
今でこそ、Mick JaggerとDavid Bowieの二人が、かつては凄いミュージシャンだったということを理解しているものの、当時の筆者はこの二人に期待するものなど何も無く、「ライブやのに何でMVやねん!」と突っ込みを入れつつ、全く期待せずに流れていたミュージック・ビデオ見たのだが、"Dancing In The Street"という曲のカッコ良さに予想外の不意打ちを喰らった。
その後、大好きなTHE JAM〔ザ・ジャム〕の4thアルバム「SETTING SONS」に収録されている"Heat Wave"もMARTHA & THE VANDELLASの曲だと知り、この女性ボーカル・グループに興味が湧いてきたのである。
MARTHA & THE VANDELLASは、THE SUPREMES〔ザ・スプリームス〕、THE MARVELETTES〔ザ・マーヴェレッツ〕と並び、モータウン・レコードの3大ガール・グループである。
余談だが、THE SUPREMESの現在の日本語表記は〔ザ・シュープリームス〕ではなく、実際の発音に近い〔ザ・スプリームス〕と書くそうだが、確かにこちらの方がシャープに聴こえてカッコ良いと思う。
今回取り上げたのはMARTHA & THE VANDELLASのコンピレーション・アルバム「THE ULTIMATE COLLECTION」である。
このアルバムは、モータウン・レコードからリリースされているので何となく安心感があるのだが音の方はあまり良くない。
データ的なことは解らないのだが、リマスター等はされていなさそうな音である。
しかし、彼女たちの代表曲が25曲も収録されているので非常にお買い得な一枚だ。
実のところMARTHA & THE VANDELLAS はTHE SUPREMESほど「曲名は知らずとも、絶対にどこかで聴いたことがあるはずの曲」が多いグループではないのだが、MARTHA & THE VANDELLASにはTHE SUPREMESにはない躍動感があり、ロック・バンドがカヴァーしたくなる曲が多いのである。