#0254) PARADISE / INNER CITY 【1989年リリース】

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このブログではデトロイト・テクノにおける三巨頭のうち、Derrick Mayデリック・メイ〕とJuan Atkinsホアン・アトキンス〕は取り上げた。


残る一人はKevin Saundersonケヴィン・サンダーソン〕である。


今回は、そのKevin Saundersonと、女性シンガーのParis Grey〔パリス・グレイ〕の二人により結成されたユニット、INNER CITY〔インナー・シティ〕の1stアルバム「PARADISE」を取り上げてみる。


筆者は主にロックを中心に音楽を聴いてきたリスナーなので、テクノを含むエレクトロニック・ミュージックに関しては全くの門外漢なのだが、上記のデトロイト・テクノにおける三巨頭の名前はかなり昔から知っていた。


とにかく、この3人の名前はロック・ミュージシャンのインタビューでも名前が出てくることがしばしばあるため、いつの間にか憶えてしまったのだろう。


この三巨頭はいずれも個性的なミュージシャンであり、それぞれが唯一無二の存在なのだが商業的に最も成功したのがKevin Saundersonだと言われている。


確かに今回取り上げたINNER CITYの「PARADISE」を聴いていると「商業的に最も成功した」というのも頷ける話なのである。


ノン・ヴォーカルの楽曲が中心のデトロイト・テクノ・シーンにおいて、INNER CITYは女性シンガーParis Greyのソウルフルなヴォーカルを全面的にフィーチュアしているため、このアルバム「PARADISE」にはポップ・ミュージックのアルバムと言っても差し支えないくらいキャッチーな楽曲が詰まっている。


正直なところ、筆者はこの「PARADISE」というアルバムをデトロイト・テクノだと意識して聴いたことがない。


Paris Greyという女性シンガーのヴォーカルを楽しむためのポップ・ミュージックのアルバムとして聴いているのである。


もちろん、Kevin Saundersonが全面的に楽曲制作に関わっており、Kevin Saundersonと盟友のJuan Atkinsによりプロデュースされているので、デトロイト・テクノハウス・ミュージックの作品としても楽しめることはもちろんなのだが、聴き始めるとParis Greyのヴォーカルに耳が持っていかれてしまうのである。


これは、たぶん、筆者が本格派のエレクトロニック・ミュージックのリスナーではないからだと思うのだが、そんな筆者でも楽しめるアルバムがこの「PARADISE」なのである。