#0282) JOBRIATH / Jobriath 【1973年リリース】

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今回取り上げているJobriath〔ジョブライアス〕の1stアルバム「JOBRIATH」は、SILVERHEAD〔シルヴァーヘッド〕2ndのアルバム「16 AND SAVAGED」と並び、筆者が最も高い金額を支払って買った中古レコードである。


どちらが高かったかは憶えていないが、いずれの中古レコードにも2万円近い価格が付いていたような気がする。


二組とも1970年代初頭に盛り上がったグラム・ロック・ムーヴメントから出てきたアーティストであり、Jobriathは米国のソロ・シンガー、SILVERHEADは英国のバンドだ。


そして、二組ともこのムーヴメントの中では、あまり売れなかったアーティストだ。


SILVERHEADの「16 AND SAVAGED」はその高価な額に値する筆者好みのロックン・ロールであり、直ぐに愛聴盤になったのだが、Jobriathの「JOBRIATH」は「なんやこれ?金返せ!」というのが最初に聴いた時の率直な感想だった。


Jobriathの音楽性というのは「こういう感じです」という具合に言葉で言い現わすのが難しい。


それをどうにかして、あえて言うのであれば、オペラっぽい、或いは、宇宙っぽいと言えば少しは伝わるのだろうか?


宇宙っぽいと言ってもDavid Bowieデヴィッド・ボウイ〕の「SPACE ODDITY」や「ZIGGY STARDUST」とはかなり趣が異なる。


実はBowieも最初に聴いた時は歌い方と声がなかなか受け入れらなくて、その良さが解るまでに少しの時間を要したアーティストである(もちろん、今では「SCARY MONSTERS」までの全てBowieのアルバムを超名盤だと思っている)。


Jobriathの宇宙っぽさというのは、どこかチープで、作り物っぽい匂いがするのである。


そして、Jobriathの歌はドラァグクイーンが場末のキャバレーでオペラを歌っているようなシーンが目に浮かぶのである。


とにかく、大枚を投じて買ったレコードなので何とか好きになろうとして毎日聴いていたところ、不思議なことにJobriathの音楽が好きになっていたのである。


今思うと、後に筆者がロックン・ロールだけではなく、Scott Walker〔スコット・ウォーカー〕、Marc Almond〔マーク・アーモンド〕、Rufus Wainwrightルーファス・ウェインライト〕といったバロック・ポップやオペラティック・ポップと呼ばれる音楽を好んで聴くようになったのは間違いなくJobriathに出会っていたからなのである。