#0289) IN UTERO / NIRVANA 【1993年リリース】

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今回はNIRVANAニルヴァーナ〕の3rdアルバム「IN UTERO」を取り上げることにする。


正直なところNIRVANAKurt Cobainカート・コバーン〕を取り上げるのは気が重い。


筆者はハード・ロック/ヘヴィ・メタルを好んで聴くので、NIRVANAのようなグランジ/オルタナティヴ・ロックは嫌いだと思われることがあるのだが、NIRVANAは大好きだし、グランジ/オルタナティヴ・ロックの中にも好きなアーティストは沢山いる。


ただし、「ニルヴァーナ」と言うと「ナーヴァナ」と言い直してきたり、「カート・コバーン」と言うと「カート・コベイン」と言い直してきたりするNIRVANA信者やKurt Cobain信者は面倒くさいので大嫌いだ。


この手の信者は、「Kurtは売れることやロック・スターになることを拒み、27歳で自殺したから凄い」という訳の分からないことを言ってくる人が少なからずいるが、Kurt Cobainの凄いところは良い曲を書けるというミュージシャンとしての才能であり、ドラッグに溺れて自殺するなど愚の骨頂であって凄くも何ともないのである。


筆者が好きなのは優れたソングライターとしてのKurt Cobainであり、優れたロック・バンドとしてのNIRVANAなのである。


そのNIRVANAの最高傑作は1991年リリースの2ndアルバム「NEVERMIND」ということになるのだろう。


NEVERMIND」がロックの歴史において重要なアルバムだということに関しては、筆者も何の異論もないのだが、「NEVERMIND」がNIRVANAというバンド、或いは、Kurt Cobainというソングライターの本質を最も体現しているアルバムかと言うと、それは違うのではないかと思っている。


実のところ、筆者が「NEVERMIND」の収録曲の中で心底好きな曲は"Come As You Are"のみであり、他は平均を大きく上回る良い曲だと思うのだが、"Come As You Are"と同じくらい好きな曲は無い。


Kurt Cobainのソングライターとしての本領が発揮されているのは、「NEVERMIND」が爆発的に売れたことにより、ある程度アルバム制作への自由度を手に入れた後に曲作りをした「IN UTERO」の方なのではないだろうか?


このアルバムの収録曲は全て殺伐とした空気感を漂わせていながら、同時に前作に通じるキャッチーな要素も十分に残されている。


これほど不安定でありながら美しい名曲が書けるソングライターはロック史上Kurt Cobain唯一人なのである。