アーティスト | 曲名 / 収録アルバム / リリース / コメント | 出身国 |
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AEROSMITH〔エアロスミス〕 | 【 曲 名 】Angel 【 収録アルバム 】PERMANENT VACATION 【 リリース 】1987年 【 コメント 】 Steven Tyler〔スティーヴン・タイラー〕と1980年代を代表するヒットメーカーのDesmond Child〔デズモンド・チャイルド〕による共作曲。 1970年代にSteven Tylerが書いた"You See Me Crying"や"Home Tonight"といった繊細なバラードとはかなり趣の異なるいかにも売れそうなDesmond Child色の濃いベタベタのラヴ・バラードだ。 しかし、筆者はこのベタベタのラヴ・バラードを拒むことができない。 男性なら誰しもこの曲に登場するような自分が生きる理由と思える天使のような女性を探し求めているのではないだろうか。 |
米国 |
BAD ENGLISH〔バッド・イングリッシュ〕 | 【 曲 名 】When I See You Smile 【 収録アルバム 】BAD ENGLISH 【 リリース 】1989年 【 コメント 】 AEROSMITH の"I Don't Want to Miss a Thing"の作曲者であるDiane Warren〔ダイアン・ウォーレン〕がBAD ENGLISHに提供した曲であり、全米1位を獲得した曲。 この曲もベタベタのラヴ・バラードであり、John Waite〔ジョン・ウェイト〕の甘い歌声が最高だ。 我ながらベタベタのラヴ・バラードが好きな自分に呆れてしまう。 愛する女性の微笑みを見ることが自分の幸せに繋がるというこの曲のテーマには、筆者をはじめ多くの男性が共感を得たはずだ。 |
英国/米国 |
CHEAP TRICK〔チープ・トリック〕 | 【 曲 名 】The Flame 【 収録アルバム 】LAP OF LUXURY 【 リリース 】1988年 【 コメント 】 Bob Mitchell〔ボブ。ミッチェル〕とNick Graham〔ニック・グラハム〕がCHEAP TRICKに提供した曲であり、この曲も全米1位を獲得した曲だ。 AEROSMITHやBAD ENGLISHもそうだが、キャリアのあるミュージシャンでありながら外部のソングライターを採用する柔軟な姿勢が素晴らしい(もちろんレコード会社からのプッシュもあるはずだが)。 引き続き、これもまたベタベタのラヴ・バラードだ。 この曲で歌われているような「君を好きになりすぎて夜も眠れない」という気持ちは誰もが経験したことがあるのではないだろうか。 |
米国 |
CINDERELLA〔シンデレラ〕 | 【 曲 名 】Don't Know What You Got (Till It's Gone) 【 収録アルバム 】LONG COLD WINTER 【 リリース 】1988年 【 コメント 】 これもまたベタベタのラヴ・バラードなのだが上記の3曲とはかなりテイストが異なる曲だ。 たぶん、これは失った愛についての歌だ。 タイトルの"Don't Know What You Got (Till It's Gone) "とは「失って初めてわかる、その存在の大切さ」であり、その存在とはもちろん女性のことだろう。 当たり前のような幸せは、失うことにより、それが当たり前ではなかったことに気付くのである。 |
米国 |
THE DOGS D'AMOUR〔ザ・ドッグス・ダムール〕 | 【 曲 名 】How Come It Never Rains 【 収録アルバム 】IN THE DYNAMITE JET SALOON 【 リリース 】1988年 【 コメント 】 このバンドをこのカテゴリーに入れるのは少し抵抗があったのだが、やはり1980年代屈指のこの名曲を入れないわけにはいかなかった。 Charles Bukowski〔チャールズ・ブコウスキー〕から多大なる影響を受けたTyla〔タイラ〕の文学性が全開となったバラードであり、酒焼けしたTylaの声がまるで短編小説のようにこの曲を盛り上げる。 この曲に登場する男は「君が死ぬまで愛して続けるよ」と女に言うが、二人の行き先には全く希望が見えない。 もう何もかも全てが嫌になった夜は、この曲を聴いて敗者の美学に酔いしれたい。 |
英国 |
FASTER PUSSYCAT〔ファスター・プッシーキャット〕 | 【 曲 名 】House of Pain 【 収録アルバム 】WAKE ME WHEN IT'S OVER 【 リリース 】1989年 【 コメント 】 猥雑なバンド名からはちょっとイメージし難いのだが、なかなか社会派のバラードである。 この曲に登場する子供は、両親の不仲、そして、家を出て行った父親の不在に心を痛めている。 米国ではこの曲がリリースされるずいぶん前から離婚が大きな社会問題になっているが、日本で生まれた筆者も離婚した親の下で育てられた子供だったので、この曲は平常心で聴くことができない。 イントロのハーモニカの音が切ない。 |
米国 |
GUNS N' ROSES〔ガンズ・アンド・ローゼズ〕 | 【 曲 名 】Patience 【 収録アルバム 】G N' R LIES 【 リリース 】1988年 【 コメント 】 一番好きなGUNS N' ROSESのバラードは"Don't Cry"なのだが、今回のリストは1980年代のバラードに限定しているので、代わりに"Patience"をリストに入れることにした。 GUNS N' ROSESのバラードとしては"November Rain"や"Estranged"のような大作の方が高い評価を得ていると思うのだが、筆者は素朴なアメリカン・テイストの漂う"Patience"の方が好きだ。 「君が恋しくて涙が流れる」と歌い始める以外なほど可愛らしい歌詞に意表を突かれる。 「俺たちに必要なのは、ほんの少しの忍耐」という歌詞のとおり、Axl Rose〔アクセル・ローズ〕はけっこう自分のことを分かっているのではないかと感じた瞬間でもあった。 |
米国 |
HANOI ROCKS〔ハノイ・ロック〕 | 【 曲 名 】Don't You Ever Leave Me 【 収録アルバム 】TWO STEPS FROM THE MOVE 【 リリース 】1984年 【 コメント 】 この曲こそ筆者がAndy McCoy〔アンディ・マッコイ〕というソングライターに無条件降伏する切っ掛けとなった名バラードである。 歌詞は、自分のもとから去っていく女性に対し、「行かないでくれ」と懇願している男の心境を歌っているのだが、「もし、行くのなら、今ここで俺を殺してくれ」と言うほど、この曲に登場する男は思い詰めている。 こんな歌詞をAndy McCoyにしか書けない切ないメロディにのせて歌われたら、もう無条件降伏するしかない。 筆者にとっては上記したTHE DOGS D'AMOURの"How Come It Never Rains"と双璧をなす1980年代のロックン・ロール・バンドが放った珠玉のバラードなのである。 |
フィンランド |
KIX〔キックス〕 | 【 曲 名 】Don't Close Your Eyes 【 収録アルバム 】BLOW MY FUSE 【 リリース 】1988年 【 コメント 】 この曲は1980年代で最も感動的なバラードだと思う。 この曲のメッセージは「自殺なんかするんじゃない」という分かり易いものであり、自殺の防止を目的に書かれた曲だ。 自殺は当時、そして、今も深刻な社会問題であるが、KIXはこの曲の中で「目を閉じるな、君の最後のララバイを歌わないでくれ」と歌っている。 KIXはバラードが似合うバンドではないので、それが逆にこの曲を感動的なものにしており、筆者はこの曲のイントロを聴いただけで涙腺が緩むのである。 |
米国 |
L.A. GUNS〔L.A.ガンズ〕 | 【 曲 名 】The Ballad of Jayne 【 収録アルバム 】COCKED & LOADED 【 リリース 】1989年 【 コメント 】 もう既に自分の元にいない女性にむけて歌われたラヴ・バラードであり、バンド名のとおりロサンゼルスという都市の風景が目に浮かぶ曲だ。 このバンドのシンガーPhil Lewis〔フィル・ルイス〕は、しばしば歌が下手だと言われることのある人だが、筆者がL.A. GUNSのライヴを観た時は全く下手だとは感じなかった。 この曲でも、かつて彼女と過ごした思い出を情感たっぷりに切々と歌い上げており、聴いているとこの曲の世界観に引き込まれる。 メタリックなロックン・ロールが持ち味であるL.A. GUNSの曲の中では異色の曲だが名曲である。 |
米国 |
MÖTLEY CRÜE〔モトリー・クルー〕 | 【 曲 名 】Home Sweet Home 【 収録アルバム 】THEATRE OF PAIN 【 リリース 】1985年 【 コメント 】 Nikki Sixx〔ニッキー・シックス〕とTommy Lee〔トミー・リー〕のペンによる曲だが、おそらく歌詞の大部分(或いは全て)はNikki Sixxによって書かれているのではないだろうか。 とても美しくて詞的な曲である。 人生という名の旅をライヴ・ツアーに掛け合わせていると思うのだが、いずれにしても望郷への想い綴った曲なのだと思う。 筆者は旅行や出張で他所の土地を訪れても早々に地元に帰りたくなってしまう質なので、そんな人間にとってライヴ・ツアーとは想像を絶する過酷な日々なのだろう。 |
米国 |
Ozzy Osbourne〔オジー・オズボーン〕 | 【 曲 名 】Goodbye to Romance 【 収録アルバム 】BLIZZARD OF OZZ 【 リリース 】1980年 【 コメント 】 Ozzy Osbourne〔オジー・オズボーン〕をロックン・ロールやグラム・メタルのカテゴリーに入れてしまうのはいくら何でも無理があるのは承知の上である。 しかし、この曲が収録されているアルバムでオーヴァーグラウンドに浮上したRandy Rhoads〔ランディ・ローズ〕はグラム・メタル・バンドQUIET RIOT〔クワイエット・ライオット〕のギタリストだったので強引に入れることにした。 この曲はOzzyが過去と決別するために、どうしても必要だったのだろう。 この美しいバラードを歌うことでOzzyはBLACK SABBATH〔ブラック・サバス〕、および、かつてのバンド・メイトに別れを告げたのである。 |
英国 |
POISON〔ポイズン〕 | 【 曲 名 】Every Rose Has Its Thorn 【 収録アルバム 】OPEN UP AND SAY... AHH! 【 リリース 】1988年 【 コメント 】 この曲は、Bret Michaels〔ブレット・マイケルズ〕が当時付き合っていた彼女との破局に基づいて書かれた失恋ソングだと言う。 薔薇(Rose)は甘美な愛の世界、棘(Thorn)はその愛に伴う痛みを現しているのだろうか? POISONというバンドはデビューからずっとパーティー・ロックン・ロール・バンドとしてのアホっぽいイメージが強かった。 しかし、カントリー・テイストの漂う曲調にのせて「全ての薔薇には棘がある」と歌われるこの曲により、バンドのもう一つの顔を見せることに成功したのである。 |
米国 |
SKID ROW〔スキッド・ロウ〕 | 【 曲 名 】I Remember You 【 収録アルバム 】SKID ROW 【 リリース 】1989年 【 コメント 】 Sebastian Bach〔セバスチャン・バック〕は筆者が生歌を聴いたことのあるシンガーの中では、かなりの上位に入る上手いシンガーなのだが、この曲はそんな彼の歌唱力を存分に味わえるバラードである。 抑えきれない迸る感情を爆発させるように歌われるこの曲は、Sebastian Bachというシンガーの全てが詰め込まれている。 「砂に書いたラヴレター」、「手をつないで歩いたね」という照れ臭い言葉もこの歌唱力で歌われると素直に聴けてしまうのである。 真偽のほどでは定かではないが、デビュー・アルバムをリリースするにあたり、レコード会社からキャッチーなバラードが無いと指摘されたDave Sabo〔デイヴ・セイボ〕とRachel Bolan〔レイチェル・ボラン〕がサラっと書いた曲がこれだという説があるのだが、それが事実ならあまりにも凄すぎる話である。 |
米国 |
TWISTED SISTER〔トゥイステッド・シスター〕 | 【 曲 名 】The Price 【 収録アルバム 】STAY HUNGRY 【 リリース 】1984年 【 コメント 】 Dee Snider〔ディー・スナイダー〕の生歌は聴いたことがないのだが、この人もまた抜群に歌の上手いシンガーであり、この感動的なバラードを聴いているとその上手さが実によく分かる。 TWISTED SISTERはデビューの時点でメンバーの殆どが20代後半になっているのでけっこうな遅咲きである。 「夢を叶えるために俺たちは多くの対価(The Price)を支払った」と歌われるこの曲は、下積みの長かったこのバンドのデビューまでの道のりを歌ったものなのだろう。 イントロが流れた瞬間、観客が火を灯すアリーナの光景が目に浮かぶ。 |
米国 |
WHITESNAKE〔ホワイトスネイク〕 | 【 曲 名 】Here I Go Again '87 【 収録アルバム 】WHITESNAKE 【 リリース 】1987年 【 コメント 】 硬派なブルース・ロック・バンドだったWHITESNAKEがグラム・メタルの要素を巧く取り入れて大ヒットしたアルバムからのヒット・シングル。 この曲は過去にリリースした曲のリメイクなのだが、1980年代のバブリーな空気感じさせるゴージャスなリアレンジが良い。 何かを失敗し、「またやってしまったよ」という後悔と、「もう一度やり直すよ」という再生への決意を歌った曲だと思うのだが、哀愁と力強さを同時に感じられる感動的なバラードだ。 ミュージック・ヴィデオにはDavid Coverdale〔デイヴィッド・カヴァデール〕の当時の恋人だったTawny Kitaen〔タウニー・キターン〕が登場するのだが、二人の仲睦まじい絡みも微笑ましい。 |
英国 |
今回は番外編として筆者が名曲だと思っているバラードのリストを作ってみた。
何故なら筆者はバラードが大好きだからだ。
バラードが嫌いと言うロック・ファンもいるようだが、そういう話を聞くと筆者は「ほんまかいな?カッコつけてるだけなんちゃうん」と思ってしまう。
1980年代のメタル・バンドはアルバムに必ずと言っていいほどバラードを収録していたものである(RATTのように頑なにバラードをやらないバンドもいたが)。
何も制約を設けずにこういうリストを作るときりがなくなるので、今回は1980年代にリリースされた曲で、且つ、ロックン・ロールとグラム・メタルにカテゴライズできるアーティストの曲に限定した(中にはここにカテゴライズするには少々微妙なアーティストもいるのだが)。
16曲も選んでしまったが、これでも最初に選んだ中から泣く泣く半分くらいに減らしている。
順位は付けず、アーティスト名で昇順に列挙している。
他の年代や他のカテゴリーのバラードも、いずれ機会があればリストを作ってみようと思う。