Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0307) FEEL THE SHAKE / JETBOY 【1988年リリース】

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JETBOY〔ジェットボーイ〕というバンドの存在を知った切っ掛けは、かつて刊行されていた洋楽雑誌のMUSIC LIFEだ。


時期的には、たぶん1987年で、確か「今、L.A.のロックン・ロール・バンドが熱い」といった内容の記事だったと思う。


その記事には「1970年代に隆盛を極めたAEROSMITHエアロスミス〕やKISS〔キッス〕が1980年代に入り一時的に沈みかけたものの再浮上の兆しがあり、そんなAEROSMITHやKISSに影響を受けた若い世代のロックン・ロール・バンドがMÖTLEY CRÜE〔モトリー・クルー〕やRATT〔ラット〕の次の波として続々とL.A.から登場している」といった文章が書かれていた。


その記事の中で写真付きで紹介されていたのがGUNS N' ROSES〔ガンズ・アンド・ローゼズ〕、FASTER PUSSYCAT〔ファスター・プッシーキャット〕、L.A. GUNS〔L.A.ガンズ〕、BRUNETTE〔ブルネット〕、そして、JETBOYだった(ただし、JETBOYはL.A.ではなくサンフランシスコ出身だ)。


この中でGUNS N' ROSESは言うまでもなく1980年代後期を代表するスーパースターとなり、FASTER PUSSYCATとL.A. GUNSもある程度の人気を得ていた。


BRUNETTEはデビューすることなく、後に中心メンバーが元JOURNEY〔ジャーニー〕のギタリストNeal Schon〔ニール・ショーン〕と合流してHARDLINE〔ハードライン〕に発展した。


そして、JETBOYは今回取り上げている1stアルバム「FEEL THE SHAKE」のリリース直前に所属レーベルと何らかのゴタゴタがあり、紆余曲折して漸くリリースに漕ぎ着けたような記憶があるが古い記憶なので定かではない。


このバンド、かなり普通のグラム・メタル系ロックン・ロール・バンドだ。


バンド名のJETBOYはNEW YORK DOLLSニューヨーク・ドールズ〕の曲から付けられているはずだがNEW YORK DOLLSっぽさは全くない。


ベーシストが元HANOI ROCKSハノイ・ロックス〕のSami Yaffa〔サミ・ヤッファ〕だがHANOI ROCKSっぽさは全くない。


シンガーは見事なモヒカンだがハードコア・パンクっぽさは全くない。


若干AC/DC〔エーシー・ディーシー〕に似ているような気もするがAC/DCの鋭い切れ味は無い。


しかし、このアルバム収録の"Hometown Blues"のようなフェイクなブルースを聴いていると、どうにも憎めなくなり、筆者にとっては思い出深く記憶に残り続けているバンドなのである。