ここ数年の間、ヘヴィ・メタル専門誌のBURRN!を買う機会が増えた。
1980年代には毎月買っていた雑誌なのだが、1990年代中頃から買わなくなり、2000年代に入ってから再び時々買うようになり、この3年くらいは毎月買っている(現在は2020年である)。
最近のBURRN!を読んでいて気付くのは、メンバー全員が女性のヘヴィ・メタル・バンドが日本国内にけっこういるということだ。
筆者は女性ミュージシャン好きなので、この辺りのバンドのアルバムも聴いてみたいのだが、今のところ他に聴きたいものが多すぎて手を出せていないのが現状だ。
日本国内にはメンバー全員が女性のヘヴィ・メタル・バンドが増えているようだが、欧米ではシンガーのみ女性のヘヴィ・メタル・バンドはけっこういるようだが、メンバー全員が女性のヘヴィ・メタル・バンドとなると相変わらず少ないようだ。
1980年代はメタル・バブルの時代だったがメンバー全員が女性のヘヴィ・メタル・バンドは殆どいなかった。
今、パッと思いつくのはGIRLSCHOOL〔ガールスクール〕、VIXEN〔ヴィクセン〕、そして、PHANTOM BLUE〔ファントム・ブルー〕くらいだろうか。
PHANTOM BLUEはVIXENほどの知名度はないバンドだが、このバンドはかなりの実力派バンドだ。
米国(ロサンゼルス)出身のバンドだが、音楽性は切れ味の鋭い欧州風のヘヴィ・メタルであり、今回取り上げている1stアルバム「PHANTOM BLUE」は1980年代におけるヘヴィ・メタルの名盤だと筆者は思っている。
楽器を担当しているメンバー4人の演奏技術も高いのだが、シンガーGigi Hangach〔ジジ・ハンガック〕の歌声は一瞬聴いただけでは女性とは気づかないほどのワイルドさがある。
「ヘヴィ・メタル・バンドは男じゃないと...」と思っている人でもPHANTOM BLUEは十分にいけるバンドであり、同じ時代の米国でもこれほど正統派のヘヴィ・メタルをやっている男性バンドは少なかった。
当時、日本盤もリリースされたのだが、VIXENを意識してのことか、日本盤は下記のアルバム・カヴァーに変えられていた。
しかし、このアルバム・カヴァーではVIXEN風のゴージャスなポップ・メタルを期待して買った人は「メタルすぎるやん!」と感じてしまったのではないだろうか?