#0314) THIS LAST NIGHT IN SODOM / SOFT CELL 【1984年リリース】

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英国のシンセポップ・グループはデュオが多いのだが、これは偶然なのだろうか?


例えば#0304で取り上げたTHE ASSOCIATES〔ジ・アソシエイツ〕や、他にもEURYTHMICS〔ユーリズミックス〕、YAZOO〔ヤズー〕、PET SHOP BOYSペット・ショップ・ボーイズ〕、ERASURE〔イレイジャー〕、THE COMMUNARDS〔ザ・コミュナーズ〕等がいる。


もしかするとニューヨークが生んだシンセパンクの巨匠、SUICIDE〔スーサイド〕の影響も少なからずあるのかもしれない。


上に書いた英国のシンセポップ・デュオに共通して言えるのは、ある意味「アクが強い」とも言える強烈に個性的なシンガーと、マルチな才能を発揮する秀才型サウンド・クリエイターのコンビということだ。


つまり、こういう二人がコンビを組んでしまえばヴォーカル、ギター、ベース、ドラムス、キーボードといったロック・バンドのフォーマットがなくてもレコードをリリース出来てしまうということなのだろう。


もちろん、ツアーに出るとなるとミュージシャンを雇わなければならないので、その辺は少し面倒くさそうだ。


ただし、バンドを組むとなると、少なくとも常時、自分も含めて3人以上の人間関係を維持しなければならないので、そっちの方が面倒くさいのかもしない。


今回取り上げているSOFT CELL〔ソフト・セル〕も英国を代表するシンセポップ・デュオだ。


SOFT CELLと言えば、誤訳も甚だしいGloria Jones 〔グロリア・ジョーンズ〕のカヴァー"Tainted Love"(邦題「汚れなき愛」、直訳「汚れた愛」)の大ヒットが有名であり、この曲が収録されている1stアルバム「NON-STOP EROTIC CABARET」が代表作ということになるのだろう。


しかし、ロック・ファンが聴いて断然カッコ良いと感じるのは、今回取り上げている3rdアルバム「THIS LAST NIGHT IN SODOM」の方だろう。


シンセポップでありながら、このアルバムにはNEW YORK DOLLSニューヨーク・ドールズ〕やTHE STOOGES〔ザ・ストゥージズ〕に通じるロックン・ロールが感じられるのだ。


シングルのB面にはJohnny Thundersジョニー・サンダース〕のカヴァー"Born to Lose"を収録したり、再結成後のアルバム「THE BEDSIT TAPES」にはBLACK SABBATHのカヴァー"Paranoid"を収録したりしている。


あまり言われていないが、このデュオはかなりのロックン・ローラーのはずである。