Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0326) G. LOVE & SPECIAL SAUCE / G. LOVE & SPECIAL SAUCE 【1994年リリース】

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今回取り上げているG. LOVE & SPECIAL SAUCE〔G・ラヴ&スペシャル・ソース〕の1stアルバム「G. LOVE & SPECIAL SAUCE」は1994年のリリースだ。


同じ年にはBeck〔ベック〕のメジャー第1弾アルバム「MELLOW GOLD」がリリースされている。


当時、Beckは注目のアーティストとしてrockin'on やCROSSBEAT等の洋楽雑誌で大きく取り上げられていて、筆者は「MELLOW GOLD」を買おうか、買うまいかを1ヶ月ほど悩んでいた。


結局、「MELLOW GOLD」を買うことに決めたのだが、同時に何となくアルバム・カヴァーがカッコ良かったこともあって、気になっていた「G. LOVE & SPECIAL SAUCE」も一緒に買うことにした。


買ってきた上記2枚のアルバムのうち、先ずはBeckの「MELLOW GOLD」から聴き始めたのだが、確かにヒット曲"Loser"の良さはもちろんのこと、エクスペリメンタルでローファイなこのアルバムからは新世代によるオルタナティヴ・ロックの新しい息吹を感じることが出来た。


そして、次は当然のことながら「G. LOVE & SPECIAL SAUCE」を聴くことになるわけだが、このアルバムのカッコ良さに、さっき聴いたばかりの「MELLOW GOLD」が霞んでしまったのである。


「G. LOVE & SPECIAL SAUCE」は、そのアルバム・カヴァーのセンスの良さに「これは何かありそうだ」と直感的に感じていたのだが、その時はそれが見事なまでに的中した。


1曲目の"The Things That I Used to Do"からG. Loveのブルージーで軽やかなギターに持っていかれるのだが、Jimmie Prescott〔ジミー・プレスコット〕のベースとJeffrey Clemens〔ジェフリー・クレメンズ〕が奏でるジャジーで達者なリズムが素晴らしいグルーヴを生み出しているのだ。


筆者としては、一緒に買った「MELLOW GOLD」よりも「G. LOVE & SPECIAL SAUCE」の方にロックン・ロールを感じてしまい、「MELLOW GOLD」を効く回数が日に日に減っていくのと反比例する形で「G. LOVE & SPECIAL SAUCE」ばかりを聴くようになっていた。


「G. LOVE & SPECIAL SAUCE」をWikipediaで調べるとオルタナティヴ・ヒップ・ホップと書かれている。


確かにオルタナティヴ・ヒップ・ホップと言われればそうなのだが、筆者はこのバンドのことをブルース・バンドだと思っている。


理想的な3ピースのブルース・バンドであり、非常に美しい正三角形が描かれているのだ。


このバンドはサーフ・ミュージック・シーンの代表という側面もあるらしいのだが、それについては、筆者はよく分かっていない。