今回取り上げるTRASHMONKEYS〔トラッシュモンキーズ〕はドイツのガレージ・ロック・バンドだ。
筆者は1980年代初期からロックを聴き始めたので、当時よく聴いていたドイツのバンドと言えばSCORPIONS〔スコーピオンズ〕、ACCEPT〔アクセプト〕、HELLOWEEN〔ハロウィン〕なのである。
その後はSODOM〔ソドム〕、KREATOR〔クリエイター〕、DESTRUCTION〔デストラクション〕等を好んで聴いてきた。
筆者の中におけるドイツとは、上記のとおりメタルのイメージが強い国なので今回取り上げているTRASHMONKEYSの4thアルバム「FAVOURITE ENEMY」を聴いた時は驚いた記憶がある。
その理由は簡単で、TRASHMONKEYSのようなガレージ・ロック・バンドが自分の中のドイツのイメージと全く結びつかなかったからだ。
TRASHMONKEYSは1998年に1stアルバムをリリースしているので、THE STROKES〔ザ・ストロークス〕やTHE WHITE STRIPES〔ザ・ホワイト・ストライプス〕の登場によって2000年頃から盛り上がりを見せ始めたガレージ・ロック・リヴァイヴァルのムーヴメントと多少リンクしてる部分もある。
しかし、今回取り上げている「FAVOURITE ENEMY」は2006年のリリースであり、日本盤もリリースされているはずなのだが、ガレージ・ロック・リヴァイヴァルのムーヴメントには上手い具合にリンクしきれなかった感もある。
しかしながこのアルバム、個人的にはTHE HIVES〔ザ・ハイヴス〕の「YOUR NEW FAVOURITE BAND」、TOKYO SEX DESTRUCTIONの「LE RED SOUL COMUNNITTE」と並ぶ、ガレージ・ロック・リヴァイヴァルの愛聴盤である。
実のところ、ガレージ・ロック・リヴァイヴァルの頃の筆者はBACKYARD BABIES〔バックヤード・ベイビーズ〕、THE HELLACOPTERS〔ザ・ヘラコプターズ〕、HARDCORE SUPERSTAR〔ハードコア・スーパースター〕、BUCKCHERRY〔バックチェリー〕、BULLETS AND OCTANE〔ブレッツ・アンド・オクタン〕等バッド・ボーイズ・ロック・リヴァイヴァル(というムーヴメントがあるか否かは不明だが)を好んで聴いていたので、THE STROKESはちゃんと聴けていないし、THE WHITE STRIPESは現在も未聴である。
そんな筆者がTRASHMONKEYSには何故か惹きつけられるものがあり、購入したくなったのである。
この「FAVOURITE ENEMY」というアルバムはガレージ・ロックと呼ぶにはかなりメロディアスであり、聴いていると「これはガレージ・ロックではないのかも」という気がしてくる。
しかしこのバンド、何度聴いてもドイツのイメージと結びつかない不思議なバンドである。