洋楽アーティストの中には本国での高い評価に対し、日本での評価が驚くほど低いアーティストが存在する。
PEARL JAM〔パール・ジャム〕やSTONE TEMPLE PILOTS〔ストーン・テンプル・パイロッツ〕は、その例としてよく名前があがるアーティストだ。
しかし、今回取り上げているLIVE〔ライヴ〕はPEARL JAMやSTONE TEMPLE PILOTSとは比較にならないほど、本当に「日本での評価が驚くほど低い」アーティストなのである。
今回は彼らの出世作となった2ndアルバムの「THROWING COPPER」を取り上げているが、これは正にポスト・オルタナティヴの名盤である。
プロデュースはTALKING HEADS〔トーキング・ヘッズ〕のJerry Harrison〔ジェリー・ハリスン〕なのだが、これはちょっと意外な感じがする。
LIVEの音楽性はR.E.M.〔アール・イー・エム〕を引き合いに出して語られることが多いのだが、確かに初期R.E.M.のフォーク・ロック的な曲もあるのだが、LIVEの曲には綿密に構築されたヘヴィ・ロック的な曲やプログレ的な曲もあり、こういった整合感のある曲はR.E.M.とは全く異なるテイストを持つ。
PEARL JAMやSTONE TEMPLE PILOTSのリスナーを取り込めるポテンシャルがあるはずなのだが、何故か「日本での評価が驚くほど低い」のである。
筆者が考えられるその理由は二つあり、一つはメンバーのルックスが地味すぎるので外見のカッコ良いバンドを好む日本のロック・ファンには刺さりにくいということ、もう一つはLIVEというバンド名だ。
何しろ、このバンドのライヴ・アルバムは「LIVEのライヴ・アルバム」となってしまうのだからややこしい。
また、現在のインターネット社会では極めてググラビリティが低いバンド名でもある。
一応、バンド名のロゴにはIにグレイヴ・アクセントのような記号を付けてLÌVEとしているようだがこの程度では焼け石に水だろう。
筆者は数字を根拠にして音楽を聴くタイプではないのだが、改めて「THROWING COPPER」について調べてみたところ、全米で800万枚のセールを上げ、全米1位になっていることが分かり、予想を上回る大物ぶりに少々驚いている。
LIVEの出世作となったアルバムなので今回は「THROWING COPPER」を取り上げたが、LIVEのアルバムはどれを聴いてもクオリティが高く、筆者にとってはハズレが無いバンドなのである。