Michael Jackson〔マイケル・ジャクソン〕の6thtアルバム「THRILLER」は多くの人に知られているとおり、世界で最も売れたアルバムである。
リリースはされたのは1982年であり、筆者が洋楽を聴き始めた中学1年生の時期と重なる。
このアルバムによりMichael Jacksonは筆者の親(戦中生れ)にまで名前が知られる世界的エンターテイナーの頂点に登り詰めた。
実際に筆者がこのアルバムを買ったのは1983年なってからだと記憶している。
実のところ、当時の筆者はMichael Jacksonに特別な興味を持っていたわけではないのだが、とにかくこのアルバムは、当時洋楽を聴いていた人間が避けて通ることの出来ない存在だったのである。
もし、筆者と同世代で、当時洋楽を聴いていた人の中でこのアルバムを無視できた人がいるのであれば、その人は余程の変わり者か、或いは、音楽に対する何らかの強い拘りを持っている人くらいだろう。
「当時の筆者はMichael Jacksonに特別な興味を持っていたわけではない」と書いたが、実は今もMichael Jacksonには特別な興味を持っていない。
そんな、筆者のような人間でも、とにかく、このアルバムは避けて通れない存在だったのである。
Michael Jacksonのファンの方からの反感を買うことを承知で書くが、やはり、筆者のようなロックを中心に聴いている人間の耳には、Michael Jacksonの音楽はあまり面白くないのである。
同じ1980年代のブラック・ミュージックのアーティストならPrince〔プリンス〕の音楽の方が圧倒的に面白いと感じる。
しかし、そんな筆者でも、シンガーとしてのMichael Jacksonは天才的に凄いと思っている。
不世出のシンガーであり、こんな歌い方の出来るシンガーは、もう二度と現れないだろう。
Michael Jackson は、あの有名な"Thriller"のミュージック・ヴィデオを制作したことにより、その後も世界に向けて視覚的インパクトを与え続けなければならない宿命を背負ってしまったような気がする。
このアルバム収録の"Human Nature"で聴けるMichael Jacksonの歌は特に素晴らしく、この曲を聴いていると、エンターテイナーとしてのMichael Jacksonではなく、シンガーとしてのMichael Jacksonを、もっと聴いてみたかったと思えてならない。