Rock'n'Roll Prisoner's Melancholy

好きな音楽についての四方山話

#0348) DISCOVER / GENE LOVES JEZEBEL 【1986年リリース】

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1970年代後期くらいから登場したポストパンクやニュー・ウェイヴのアーティストを今では殆ど聴かなくなってしまったのだが、そこから派生したゴシック・ロックとニューロマンティックのアーティストは何故か今でも好んで聴くことが多い。


好きなゴシック・ロックのアルバムは?


こう訊かれた時に答えるのは、BAUHAUS〔バウハウス〕の「IN THE FLAT FIELD」、或いは、THE CULT〔ザ・カルト〕の「LOVE」あたりだと思う。


ゴシック・ロックと言うと、何となく色物的なイメージがあるが、BAUHAUSやTHE CULTは演奏技術も達者で音楽としての土台がしっかりしているので、50歳を超えた現在の耳で聴いても「しんどいなぁ、これ」と感じることはない。


SEX GANG CHILDREN〔セックス・ギャング・チルドレン〕やVIRGIN PRUNES〔ヴァージン・プルーンズ〕あたりも個性的で面白いのだが、ちょっと非音楽的すぎて50歳を超えたオジサンの耳で日常的に聴くには少々しんどいものがある。


今回取り上げているGENE LOVES JEZEBEL〔ジーン・ラヴズ・ジザベル〕も、初期の頃は一応ゴシック・ロックというジャンルに入るバンドだ。


このバンドは4thアルバム「THE HOUSE OF DOLLS」から急激にポップ化し、5thアルバム「KISS OF LIFE」ではハード・ロックのテイストも取り入れ、ゴシック・ロックからジワジワと離れていった。


4thアルバム以降の方が音楽的には優れていて聴き易いと思うのだが、ゴシック・ロック期の1stから3rdアルバムにも独特の妖しげな魅力があり、これはこれで捨てがたいものがある。


今回取り上げている「DISCOVER」は3rdアルバムであり、次作で打ち出してくるポップな要素も既に表面化しており、ポップなゴシック・ロックという感じの音楽性は、同時代の同ジャンルでも彼らに近い存在はいなかったと思う。


GENE LOVES JEZEBELは、このアルバム・カヴァーに写るヴィジュアルがかなりイケてるJay Aston〔ジェイ・アストン〕とMichael Aston〔マイケル・アストン〕の双子を中心としたバンドだ。


兄弟でやっているバンドというのは、喧嘩別れするケースが多いように思えるのだが、GENE LOVES JEZEBELも例外ではなく、現在ではJay Aston's GENE LOVES JEZEBELとMichael Aston's GENE LOVES JEZEBEという二つのバンドに分裂しているようだ。


筆者は一人っ子なので兄弟の気持ちは全く分からないのだが、兄弟で仲良くバンドを続けるのはそんなに難しいことなのか、機会があれば一度訊いてみたいものである。