今回取り上げているDANZIG[ダンジグ]は、米国ニュージャージー出身のホラー・パンク・バンド、MISFITS[ミスフィッツ]のシンガーだったGlenn Danzig[グレン・ダンジグ]を中心に結成されたバンドである(Glenn DanzigはMISFITSとDANZIGの間にSAMHAIN[サムヘイン]というバンドもやっている)。
MISFITSのことは、GUNS N' ROSES[ガンズ・アンド・ローゼズ]やMETALLICA[メタリカ]のメンバーが、当時(1980年代後半)の洋楽雑誌のインタビューで度々その名前を挙げていたので気になってはいたのだが、アルバムを買うまでには至らなかった。
そんな折、元MISFITSのGlenn DanzigがDANZIGというバンドをやっていることを知り、1stアルバムの「DANZIG」を輸入盤で購入した(文章がDANZIGだらけになってしまった...)。
MISFITSはパンク・バンドだったので、RAMONES[ラモーンズ]やSEX PISTOLS[セックス・ピストルズ]のような音を予想してアルバム「DANZIG」を聴いたのだが、飛び出してきたのはメタル成分がかなり多めのゴシック・ロックであり、意表を突かれた記憶がある。
また、後にDANZIGのミュージック・ビデオを見た時に初めてGlenn Danzigの姿を知ったのだが、彼が筋骨隆々の厳ついヴィジュアルだったことも意外だった。
ゴシック・ロックをやる人というのは、BAUHAUS[バウハウス]のPeter Murphy[ピーター・マーフィー]やCHRISTIAN DEATH[クリスチャン・デス]のRozz Williams[ロズ・ウィリアムズ]のように痩せているイメージがあったのだが、Glenn Danzigの体はパンパンにパンプアップされていたのだ。
筆者の中では、THE STOOGES[ザ・ストゥージズ]のIggy Pop[イギー・ポップ]、BLACK FLAG[ブラック・フラッグ]~ROLLINS BAND[ロリンズ・バンド]のHenry Rollins[ヘンリー・ロリンズ]、そして、MISFITS~SAMHAIN~DANZIGのGlenn Danzigが3大筋肉ヴォーカリストなのである。
DANZIGはバンドと言うよりも、Glenn Danzigのソロ・プロジェクトなので、自分の好きなようにやれるためなのか、短命に終わったMISFITSやSAMHAINと違い、2020年現在でも活動を続けている。
筆者が特に好きなのは、今回取り上げている3rdアルバムの「DANZIG III: HOW THE GODS KILL」なのだが、DANZIGはゴシック・ロックが好きな人なら、どのアルバムを聴いても、かなり楽しめるアーティストなのではないだろうか。
ゴシック・ロックなのに、声質が泥臭くて、米国人らしいブルージーなテイストがあるのも味わい深くて良いのである。