12月に入ってからはヒップ・ポップとクラウトロックを聴き続けていたのだが、今週からはサザン・ロック、というよりは、サザン・メタルを聴くことが多くなった。
今回取り上げているCORROSION OF CONFORMITY[コロージョン・オブ・コンフォーミティ]はハードコア・パンクからキャリアをスタートさせ、ストーナー・メタル、スラッジ・メタル、サザン・メタルに音楽性を広げていったバンドだ。
筆者と同じ世代(2020年現在でアラフィフ)の人でCORROSION OF CONFORMITY(以下、COC)を聴いている人の多くは、METALLICA[メタリカ]経由でこのバンドを知った人が多いのではないだろうか。
筆者も正にそれであり、METALLICAのインタビューでCOCを知り、COCのアルバムを買うに至った。
筆者の場合、METALLICA経由で知ったバンドを、METALLICAよりも気に入ってしまう場合が多い。
DIAMOND HEAD[ダイアモンド・ヘッド]然り、VENOM[ヴェノム]然り、そして、COC然りである。
そもそも、筆者が心底好きなMETALLICAのアルバムは1st「KILL 'EM ALL」、2nd「RIDE THE LIGHTNING」、3rd「MASTER OF PUPPETS」までであり、4th「...AND JUSTICE FOR ALL」以降は、ついぞ嵌れない状態が続いており、スラッシュ・メタル四天王ではMETALLICAよりもMEGADETH[メガデス]、SLAYER[スレイヤー]、ANTHRAX[アンスラックス]の方が圧倒的に好きだ。
さて、今回取り上げているのはMETALLICA経由で知って、METALLICAよりも気に入ってしまったCOCの6thアルバム「AMERICA'S VOLUME DEALER」だ。
COCらしさが全開になった傑作という意味では、もしかすとる前作「WISEBLOOD」の方がファンからの人気は高いのかもしれない。
この「AMERICA'S VOLUME DEALER」ではストーナー・メタルやスラッジ・メタルの成分が薄まり、サザン・メタルの成分が濃くなっている。
曲によっては、サザン・メタルというよりも、1970年代のサザン・ロックに聴こえる曲もある。
前作までと比較すると歌メロが強調されており、これまでにない格段にキャッチーな内容のアルバムに仕上がっている。
最も聴き易いCOCのアルバムとも言えるだろう。
COCは、3rd「BLIND」以降、1st「EYE FOR AN EYE」や2nd「ANIMOSITY」で聴けたハードコア・パンクの成分を薄めていくのだが、この6th「AMERICA'S VOLUME DEALER」を聴いていると、初期のハードコア・パンク時代のCOCとは別のバンドと考えた方がいいのかもしれないと思えてくるのである。