Rock & Roll Prisonerの憂鬱

好きな音楽についての四方山話

#0415) TEXAS FLOOD / Stevie Ray Vaughan & DOUBLE TROUBLE 【1983年リリース】

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Stevie Ray Vaughanスティーヴィー・レイ・ヴォーン]を聴かずして、ブルースを語るなかれ」と言うと、乱暴な言い方に聴こえるかもしれないが、そういうことなのである。


筆者が初めて聴いたStevie Ray Vaughanのレコードは、専門学生時代(1988年頃)にバイト先で知り合い、その後一緒にバンドをやることになるA君が「これ、聴いてみなはれ」と言って貸してくれた、Stevie Ray Vaughan & DOUBLE TROUBLEスティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル]の1stアルバム「TEXAS FLOOD」だ。


Stevie Ray Vaughanのことは、THE FABULOUS THUNDERBIRDS[ザ・ファビュラス・サンダーバーズ]のギタリストJimmie Vaughan[ジミー・ヴォーン]の弟であるということや、David Bowieデヴィッド・ボウイ]の大ヒットアルバム「LET'S DANCE」に参加しているという事前情報は持っていたのだが、何となく敷居の高さを感じていて、A君が貸してくれるまでは一度も聴いたことがなかった。


しかし、A君が貸してくれた「TEXAS FLOOD」を聴いた瞬間、「もっと早く聴いておくべきだった」と後悔したのである。


筆者は、このアルバムを聴くことで、初めて「ブルースとは何か」を理解できた気がする。


例えば、ブルースを聴いたことがない人に、いきなりRobert Johnson[ロバート・ジョンソン]を聴かせたところで、ブルースを理解してもらえることは殆どないと思うが、Stevie Ray Vaughanなら多くの人がブルースを理解できるだろう。


当時(1980年代後半)の筆者は、Steve Vaiスティーヴ・ヴァイ]やJoe Satrianiジョー・サトリアーニ]等、テクニカルなギタリストを好んで聴いていたので、それまでに何度か聴いたことのあるフォーク・ブルースのレコードで聴けるアコースティック・ギターの良さにはまだ気づいておらず、ただただ「ブルースって地味やなぁ~」としか思っていなかった。


ところが、Stevie Ray Vaughanはエレクトリック・ギターをギンギンに弾きまくってくれるので、一瞬にして彼のギターの虜になったのだ。


そして、Steve VaiJoe Satrianiとは違う「ギターの上手さ」があることに気付いたのである。


後に分かったことなのだが、Stevie Ray Vaughanはブルース・ギタリストだけではなく、Wes Montgomeryウェス・モンゴメリー]やDjango Reinhardtジャンゴ・ラインハルト]といったジャズ・ギタリストからも影響を受けており、彼が極太の弦から鳴らす濁りの無い美しい音はジャズ・ギタリストからの影響なのかもしれない。


陳腐な言い方になるが、Stevie Ray Vaughanとは、ブルース・ギタリストの最高峰なのである。