今回取り上げている「DOGGYSTYLE」は、Snoop Dogg[スヌープ・ドッグ]の1stアルバムであり、当時の彼はSnoop Doggy Dogg[スヌープ・ドギー・ドッグ]と名乗っていた。
Snoop Doggは、この1stアルバム「DOGGYSTYLE」が日本でリリースされる前から、洋楽系音楽雑誌での前評判が高かったと記憶している。
筆者は無節操に色々なジャンルの音楽を聴くが、元来はロック・リスナーなので、ヒップ・ホップが特別な音楽という訳ではない。
ロック・リスナーである筆者がヒップ・ホップに出会ったのは、RUN-DMC[ラン・ディーエムシー]が、1986年に、AEROSMITH[エアロスミス]のSteven Tyler[スティーヴン・タイラー]、Joe Perry[ジョー・ペリー]とコラボした"Walk This Way"だ。
これは筆者に限らず、筆者と同世代(2021年現在でアラフィフ)のロック・リスナーが、ヒップ・ホップに遭遇する切っ掛けとして、最も標準的な形なのではないだろうか。
RUN-DMC の"Walk This Way"が、あまりにもカッコ良くて、その後、ロックと平行しながらヒップ・ホップ系のアーティストを聴き始めるのだが、その中で、Snoop Doggの「DOGGYSTYLE」は十指に入るくらい嵌ったアルバムだ。
このアルバムは「Gファンクの最高傑作」と言われているらしいが、ヒップ・ホップに詳しくない筆者には、正直なところ、その辺りその歴史的な価値は分かっていない。
筆者にとっての、このアルバムは、聴いていて、ただただ心地よく、このアルバムから聴こえてくるビートに身を委ねたくなるのだ。
ヒップ・ホップは英語が分からなければ本当の良さは理解できないという人もいて、それも一理あると思うのだが、筆者のように英語が分からなくても、ヒップ・ホップをサウンドとして楽しむことはできるはないかと思う。
逆に、ロック・バンドのTHE SMITHS[ザ・スミス]などは、メロディはあるが、Morrissey[モリッシー]の書く歌詞の意味を知らなければ、その良さや凄さを解るのは難しいのではないかと思う(英語の解らない人で、曲だけ聴いてTHE SMITHSが良いという人がいたら、興味があるのでその理由を訊いてみたいと思っている)。
それに比べると、ヒップ・ホップは、歌詞の意味が解らなくても、充分に楽しむことができる音楽なのではないかと思う。
この「DOGGYSTYLE」というアルバムも、筆者にとって、ヒップ・ホップをサンドとして楽しめる1枚なのである。