今回取り上げているWHAM![ワム!]の1stアルバム「FANTASTIC」が、全英チャートで初登場1位になっていることを最近知った。
「FANTASTIC」は1983年にリリースされており、当時の筆者は14歳なので、中2の時にリアルタイムで聴いたアルバムだ。
この時代は英国のアーティストが、米国のチャートを席捲していた時期であり、それはメディアによって、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれていた。
ちなみに、1960年代に、THE BEATLES[ザ・ビートルズ]やTHE ROLLING STONES[ザ・ローリング・ストーンズ]等が米国のチャートを席捲した現象がブリティッシュ・インヴェイジョンであり、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンとは、1980年代に起きた2回目のブリティッシュ・インヴェイジョンという意味である。
筆者の洋楽への入り口は、正にこの第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンなのである。
当時の筆者は、DURAN DURAN[デュラン・デュラン]、SPANDAU BALLET[スパンダー・バレエ]、CULTURE CLUB[カルチャー・クラブ]、KAJAGOOGOO[カジャグーグー]あたりと共に、WHAM!も夢中になって聴いていた。
当時は全然気付いてなかったのだが、今、改めて上記したアーティストの1stアルバムを聴いてみると、その完成度の高さに驚かされる。
どれもこれも、素人臭さが全く無く、曲も演奏も実にプロっぽいのである。
後の1990年代に起きた、シューゲイザーやブリットポップには、物凄く素人臭いアーティストが多かったが、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンのアーティストは完全にプロであり、本人たちのプロ意識も高い。
その中でも、今回取り上げているWHAM!の「FANTASTIC」は完成度の高さが尋常ではない。
筆者は、George Michael[ジョージ・マイケル]の最高傑作は、ソロとしての1stアルバム「FAITH」だと思っているのだが、彼の作曲家としての才能は「FANTASTIC」の時点で既に完成されいる。
George Michaelは1963年生れなので、当時の彼は20歳なのだが、今、改めて「FANTASTIC」を聴いてみると、とてもじゃないが20歳の新人が書いた曲とは思えない完成度の高さなのである。
ここに至るまで、もう一人のWHAM!であるAndrew Ridgeley[アンドリュー・リッジリー]に触れなかったが、彼はGeorge Michaelの親友というだけで充分に大きな役割を果たしたのである。