ROUGE[ルージュ]というバンドを知った切っ掛けは全く憶えてない。
ただ、今回取り上げている彼らの1stアルバム「THE BEST OF ROUGE」を、中古レコード店で見つけたときの衝撃は今でも鮮明に憶えている。
NEW YORK DOLLS[ニューヨーク・ドールズ]やん!
もう、この一言に尽きる。
NEW YORK DOLLSの1stアルバム「NEW YORK DOLLS」のリリースは1973年、ROUGEの1stアルバム「THE BEST OF ROUGE」のリリースは1975年なので、もう、間違いなくROUGEはDOLLSの影響を受けているはずだ。
先ほど「ROUGEを知った切っ掛けを全く憶えてない」と書いたが、たぶん、筆者が1980年代後半に嵌っていた日本のバッド・ボーイズ・ロックン・ロール・バンドのインタビュー記事の中でROUGEの名前が登場していたのではないかと思う。
日本のバッド・ボーイズ・ロックン・ロール・バンドとは、RED WARRIORS[レッド・ウォーリアーズ]、ZIGGY[ジギー]、G.D.FLICKERS[ジー・ディー・フリッカーズ]、SHADY DOLLS[シェイディ・ドールズ]、MARCHOSIAS VAMP[マルコシアス・バンプ]などのことである(MARCHOSIAS VAMPは違うかな?)。
これらのバンドのインタビュー記事で、1970年代の日本には、村八分[むらはちぶ]、SONHOUSE[サンハウス]、外道[げどう]などのロックン・ロール・バンドがいたことを知ったのだが、ROUGEの名前も出ていたような気がする。
それ故、中古レコード店で「THE BEST OF ROUGE」っを見たときに、「えっ、ROUGEって、あのROUGEなん?」ってなったのである。
ROUGEの奏でる音楽はアルバム・カヴァーのとおり、NEW YORK DOLLSに通じるグラマラスなロックン・ロールなのだが、DOLLS以前に、THE ROLLING STONES[ザ・ローリング・ストーンズ]、THE YARDBIRDS[ザ・ヤードバーズ]、THE PRETTY THINGS[ザ・プリティ・シングス]といった、ブルースの影響を多分に受けた1960年代の英国のロックン・ロール・バンドからの影響が大きいのではないかと思われる。
ただし、このバンド、ブルージーなロックン・ロールをやりながらも、常に、どこかに笑える要素を含んでいるのである。
コミック・バンドではないのだが、人を笑わせようとするエンターテイナーっぷりが凄い。
特に、このアルバムに収録されている"正義のパンツマ"という曲は、何回聴いても「クスクス」と笑ってしまうのである。