プログレッシヴ・ロックと言えば、所謂プログレ5大バンドと言われている、PINK FLOYD[ピンク・フロイド]、KING CRIMSON[キング・クリムゾン]、YES[イエス]、GENESIS[ジェネシス]、Emerson, Lake & Palmer[エマーソン・レイク&パーマー]の知名度が特出して高いので、その他のバンドが地味に見えてしまいがちだ。
しかし、今回取り上げているVAN DER GRAAF GENERATOR[ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター]は、CAMEL[キャメル]と並び、5大バンドの次にくる存在感と高い音楽性を持っているのではないだろうか?
筆者もプログレに関しては、圧倒的に、聴くバンドが5大バンドに偏っているのだが、今回取り上げているVAN DER GRAAF GENERATORの6thアルバム「STILL LIFE」は、5大バンドの名盤に匹敵するくらいの回数を聴いている。
VAN DER GRAAF GENERATORを知った切っ掛けは、このブログでプログレを取り上げるときに必ず登場する、筆者が学生時代にバイト先で知り合ったU君のお兄さんからの影響である。
とにかく、U君のお兄さんは熱狂的な、と言うより、狂信的なプログレマニアであり、その上、若くして高給取りだったので、メジャー、マイナーを問わず、膨大な量のプログレのレコードを所蔵していた。
その量たるや、自宅の一室を、プログレのレコード置き場にしていたほどである。
その一室から取り出してくれて、オーディオ・ルーム(これは別の部屋)で聴かせてくれたのが、今回取り上げているVAN DER GRAAF GENERATORの「STILL LIFE」だったのである。
筆者にとってのVAN DER GRAAF GENERATORの良さとは、即ち、ヴォーカルなのである。
正直なところ、筆者は、プログレは好きなのだが、プログレを聴く時にヴォーカルは殆ど聴いていない。
5大バンドでも、演奏と同じくらい歌を聴き入ってしまうのは、YESのJon Anderson[ジョン・アンダーソン]だけであり、他のバンドは専ら演奏を中心に聴いている。
VAN DER GRAAF GENERATORのPeter Hammill[ピーター・ハミル]は、Jon Andersonのような美声ではないのだが、ちょっと狂気を感じさせる凄みがあり、アッパーな時とダウナーな時の振幅が極めて特徴的なのである。
「プログレは冗長で...」と思っている人でも、Peter Hammillのヴォーカルなら、けっこう引き込まれて、聴けてしまうのではないだろうか。