今回取り上げているのは、Nas[ナズ]の1stアルバム「ILLMATIC」であり、ヒップ・ホップの歴史における名盤中の名盤である。
ちなみに、Nasのカタカナ表記はナスだったのだが、いつの頃からかナズに変わっている。
たぶん、英語の発音に近づけた場合、ナスではなく、ナズになるのではないだろうか?
まぁ、ナスだと野菜の茄子と同じなので、ナズと濁らせた方がカッコ良い。
話が完全に横道に逸れてしまったが、Nasの「ILLMATIC」と言えば、普段、ヒップ・ホップを聴かない人でも、その存在を知っているのではないだろうか?
普段、ヒップ・ホップを聴かない人、それは、正に筆者のことであり、筆者が日常的に聴く音楽はロックなのだが、「ILLMATIC」に関しては、1990年代にド嵌りしたアルバムなのである。
何故、ド嵌りしたのか?
それは、単純にサウンドがカッコ良いからだ。
何となく感じていることなのだが、「ヒップ・ホップを聴くならリリック(歌詞)を理解しなければ意味がない」という風潮があるような気がしている。
こんなことを書くと、真正のヒップ・ホップ・ファンからは、お叱りを受けるかもしれないが、筆者はヒップ・ホップのリリックに関しては殆ど興味が無い。
英語が苦手ということもあるのだが、筆者は、ヒップ・ホップのサウンドが好きなのである。
ラッパーの声も、曲を構成するサウンドの一部として聴いている。
例えば、ロックの場合、英語の歌詞を理解して曲を聴いている人など、1割もいないと思うし、それを、けしからんと言う人も殆どいないと思う。
ヒップ・ホップも、サウンドだけで楽しんでも良いのではないだろうか?
Nasの「ILLMATIC」は、とにかく、サウンドがカッコ良いアルバムなのである。
このアルバムのサウンドからは、ニューヨークという都会の匂いが漂ってくる。
そして、それと同時に、「都会の汚れ」が、このアルバムのサウンドからは聴こえてくるのである。