■ 第10位
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title | VISAGE[ヴィサージ] |
artist | VISAGE[ヴィサージ] |
released | 1980年 |
origin | London, England, UK |
comment | ニュー・ロマンティックとは、このVISAGE、否、Steve Strange[スティーヴ・ストレンジ]から始まった。 音楽的には「LOW」および「"HEROES"」の頃のDavid Bowie[デヴィッド・ボウイ]の音楽性をキャッチーに再現した、非常に優秀なフォロワーだ。 VISAGEとは、Midge Ure[ミッジ・ユーロ]という、あらゆる音楽に順応できる稀代のミュージシャンが、Steve Strangeという面白いキャラクターを使ってBowie Likeな世界観を描いた期間限定の作品なのではないだろうか? |
■ 第9位
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title | KINGS OF THE WILD FRONTIER[アダムの王国] |
artist | ADAM AND THE ANTS[アダム・アンド・ジ・アンツ] |
released | 1980年 |
origin | London, England, UK |
comment | ニュー・ロマンティックの始まりは、Steve StrangeのVISAGEと、Adam Ant[アダム・アント]が率いるADAM AND THE ANTSだ。 多くのニューロマ系アーティストは、VISAGEからの影響が強いシンセポップをやっていたのだが、ADAM AND THE ANTSの音楽性には、それらのシンセポップ勢とは一線を画す、生々しいロック・バンドらしさがあった。 ツイン・ドラムスが織りなす、原始的なリズムがカッコ良い。 |
■ 第8位
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title | VIENNA[ヴィエナ] |
artist | ULTRAVOX[ウルトラヴォックス] |
released | 1980年 |
origin | London, England, UK |
comment | ULTRAVOXは、ニュー・ロマンティックではなく、ポストパンクだと思うのだが、John Foxx[ジョン・フォックス]が脱退し、Midge Ure[ミッジ・ユーロ]が加入して、この「VIENNA」を制作したところ、時代と相まってニューロマっぽくなったのではないだろうか? それにしても、Midge Ureとは、凄いミュージシャンである。 筆者の大好きなハード・ロック・バンドTHIN LIZZY[シン・リジィ]のギタリストも完璧に務められる上に、こんなニューロマ的な曲も制作しつつ、"Do They Know It's Christmas?"という、現在でも聴き継がれるクリスマス・ソングまで作ってしまうのだから。 |
■ 第7位
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title | QUIET LIFE[クワイエット・ライフ] |
artist | JAPAN[ジャパン] |
released | 1979年 |
origin | London, England, UK |
comment | JAPANも、ULTRAVOXと同様に、ニュー・ロマンティックではなく、ポストパンクだと思うのだが、時流に寄せてみたらニューロマっぽくなったのではないだろうか? 1st「ADOLESCENT SEX」や2nd「OBSCURE ALTERNATIVES」でやっていた、「白人が頑張って演奏しているファンク」も好きだったのだが、このアルバムで打ち出したシンセポップの方がJAPANというバンドには合っているような気がする(個人的にに好きなのは1stと2ndだ)。 JAPANがHansa Recordsからリリースした最後のアルバムであり、David Sylvian[デヴィッド・シルヴィアン]が「自身のキャリアの始まりである」と位置付ける歪な作品でもある(つまり、筆者が好きな1stと2ndは彼にとっては黒歴史ということなのである)。 |
■ 第6位
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title | THE PARTY'S OVER[パーティーズ・オーヴァー] |
artist | TALK TALK[トーク・トーク] |
released | 1982年 |
origin | London, England, UK |
comment | TALK TALKのアルバムの中では、唯一、ニュー・ロマンティックっぽさがあるのが、このデビュー・アルバムだ。 2nd「IT'S MY LIFE」ではアート・ロック的な方向性を打ち出し、3rd「THE COLOUR OF SPRING」では生楽器を大々的に取り入れたオーガニックな方向に向かうのだが、このデビュー・アルバムでは初々しいシンセポップを聴かせてくれる。 とても線の細さを感じるアルバムなのだが、「デビュー・アルバムはこうであってほしい」、そんな願いが詰め込まれたような1枚なのである。 |
■ 第5位
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title | THE LEXICON OF LOVE[ルック・オブ・ラヴ] |
artist | ABC[エービーシー] |
released | 1982年 |
origin | Sheffield, England, UK |
comment | これは、デビュー・アルバムとしては、完成度の高すぎるアルバムだ。 実は、5位以上のアーティストは、デビュー・アルバムの時点で、その完成度が既に異常なほどに高いのだが、このABCのデビュー・アルバムは群を抜いて完成度が高い。 古(いにしえ)のソウル・ミュージックやファンクをシンセポップとしてアップデートしたアルバムであり、目新しさは何も無いのだが、曲、アレンジ、歌のどれをとっても非の打ち所がない完璧なデビュー・アルバムなのである(それ故に、2nd以降が地味に聴こえてしまうのだが...)。 |
■ 第4位
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title | KISSING TO BE CLEVER[ミステリー・ボーイ] |
artist | CULTURE CLUB[カルチャー・クラブ] |
released | 1982年 |
origin | London, England, UK |
comment | 今回のリストで取り上げた10組の中で、筆者が音楽的に最も好きなアーティストは、このCULTURE CLUBなのだが、ニュー・ロマンティックっぽさは薄い。 彼らの2nd「COLOUR BY NUMBERS」は、生涯で最も聴いた回数の多いアルバムなのだが、ニューロマというよりはブルーアイド・ソウルの名盤なので、今回のリストには多少はニューロマっぽさのある1stを入れてみた。 しかし、この1stアルバムも、久々に聴いてみて思ったのだが、ニューロマ感は薄く、どちらかと言えばファンカラティーナの名盤である。 |
■ 第3位
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title | DIAMOND[ダイヤモンド] |
artist | SPANDAU BALLET[スパンダー・バレエ] |
released | 1982年 |
origin | London, England, UK |
comment | ニュー・ロマンティックと言えば咄嗟に頭に浮かぶアーティストの1つがSPANDAU BALLETなのだが、筆者が心底好きな彼らのアルバムは、評価やセールスを落とした4th「PARADE」や5th「THROUGH THE BARRICADES」なので、このバンドにはちょっと複雑な思い入れがある。 SPANDAU BALLETのニューロマ時代のアルバムは、1st「JOURNEYS TO GLORY」と2nd「DIAMOND」であり、両方とも好きなアルバムなので迷ったのだが、タッチの差で2ndを選んだ。 ちなみに、最も商業的に成功した「TRUE」は完成度の高いアルバムだと思うのだが、何故かそれほどの思い入れが無い。 |
■ 第2位
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title | WHITE FEATHERS[君はTOO SHY] |
artist | KAJAGOOGOO[カジャグーグー] |
released | 1983年 |
origin | Leighton Buzzard, Bedfordshire, England, UK |
comment | KAJAGOOGOOのデビュー・シングル"Too Shy"(邦題"君はTOO SHY")を聴いたときは、デビュー・シングルとは到底思えぬ完成度の高さに度肝を抜かれたのだが、このデビュー・アルバムを聴いたときは"Too Shy"がまぐれ当たりでは無いことを確信させられた(ちなみに上記は日本盤のアルバム・カヴァーだ)。 なんなん?この演奏能力の高さ(特にNick Beggs[ニック・ベッグス]のベース)、アレンジの巧みさ、そして、Limahl[リマール]の歌唱力。 LimahlがKAJAGOOGOOを脱退した後、彼が自身のヒット曲「ネバーエンディング・ストーリー」の主題歌("The NeverEnding Story")を日本のテレビ番組で歌うのを聴いたことがあり、外タレなのに生歌なのにも驚いたのだが、何よりも驚いたのは彼の歌の上手さだったのである。 |
■ 第1位
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title | DURAN DURAN[デュラン・デュラン] |
artist | DURAN DURAN[デュラン・デュラン] |
released | 1981年 |
origin | Birmingham, England, UK |
comment | 奇跡的なくらい、メンバー全員が美男子のバンドである。 当時(1980年代初頭、筆者は中学生)、同級生の女子で洋楽を聴いている子の殆どがDURAN DURANのファンであり、「MUSIC LIFE」や「ROCK SHOW」に載っていたメンバーのグラビアを食い入るように見ていた(逆に、洋楽を聴いている女子で、DURAN DURANを聴かない子は、ちょっと友達にはなれなさそうな、筆者が苦手なタイプの女子だった)。 男子は「DURAN DURANなんか女が聴くバンドやん!」と言っていたが、絶対にこっそりと聴いていたはであり、DURAN DURANはヴィジュアルだけではなく、音楽性も当時の新人バンドの中では群を抜いて高かったのである。 「ニューロマとは何か?」を知りたいのであれば、このアルバムを聴き、そして、"Planet Earth"で昇天すれば、ニューロマの全てが分かるのである。 |
#0440.1で70年代の「好きなグラム・ロックのアルバム」を10枚取り上げ、その後、グラム・ロックが影響を与えた80年代のグラム・メタルについて、3週に渡り、「好きなグラム・メタルのアルバム」を30枚取り上げた。
実は、70年代に興ったグラム・ロックが影響を与えたのはグラム・メタルだけではない。
たぶん、ゴシック・ロックにも影響を与えているはずだし、ニュー・ロマンティックにも影響を与えているはずだ(ニューロマの場合は、グラム・ロックというよりは、David Bowie[デヴィッド・ボウイ]とROXY MUSIC[ロキシー・ミュージック]からの影響なのかもしれない)。
今回は、好きなニュー・ロマンティックのアルバムを10枚取り上げてみた。
ULTRAVOX[ウルトラヴォックス]やJAPAN[ジャパン]も10枚の中に入れているのだが、彼らをニューロマと呼ぶことに抵抗を感じる人がいるかもしれない。
もしかすると、A FLOCK OF SEAGULLS[ア・フロック・オブ・シーガルズ]やCLASSIX NOUVEAUX[クラシックス・ヌーヴォー]の方がニューロマっぽいのかもしれない。
まぁ、その辺は、筆者の好みで緩く選んだので、お許し頂きたい。
今回、ニューロマのアーティストの写真を見ていた気付いたのだが、皆、なかなか度胸のあるファッションをしている。
派手、華美ということでは、グラム・メタルも同様である。
しかし、令和4年の現在で、グラム・メタルの恰好をしている人を街中で見ても「あっ、ロックン・ローラーやな」と思うくらいである。
それに比べ、ニューロマの恰好をしている人を街中で見たら(そもそもいないのだが)、「貴族のコスプレしたヤバい奴きた!」と思うのではないだろうか?
皆、なかなか度胸のあるファッションをしている。