Rock & Roll Prisonerの憂鬱

好きな音楽についての四方山話

#0431) THE BEST OF ROUGE / ROUGE 【1975年リリース】

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ROUGE[ルージュ]というバンドを知った切っ掛けは全く憶えてない。


ただ、今回取り上げている彼らの1stアルバム「THE BEST OF ROUGE」を、中古レコード店で見つけたときの衝撃は今でも鮮明に憶えている。


NEW YORK DOLLSニューヨーク・ドールズ]やん!


もう、この一言に尽きる。


NEW YORK DOLLSの1stアルバム「NEW YORK DOLLS」のリリースは1973年、ROUGEの1stアルバム「THE BEST OF ROUGE」のリリースは1975年なので、もう、間違いなくROUGEDOLLSの影響を受けているはずだ。


先ほど「ROUGEを知った切っ掛けを全く憶えてない」と書いたが、たぶん、筆者が1980年代後半に嵌っていた日本のバッド・ボーイズ・ロックン・ロール・バンドのインタビュー記事の中でROUGEの名前が登場していたのではないかと思う。


日本のバッド・ボーイズ・ロックン・ロール・バンドとは、RED WARRIORS[レッド・ウォーリアーズ]、ZIGGY[ジギー]、G.D.FLICKERSジー・ディー・フリッカーズ]、SHADY DOLLS[シェイディ・ドールズ]、MARCHOSIAS VAMP[マルコシアス・バンプ]などのことである(MARCHOSIAS VAMPは違うかな?)。


これらのバンドのインタビュー記事で、1970年代の日本には、村八分[むらはちぶ]、SONHOUSEサンハウス]、外道[げどう]などのロックン・ロール・バンドがいたことを知ったのだが、ROUGEの名前も出ていたような気がする。


それ故、中古レコード店で「THE BEST OF ROUGE」っを見たときに、「えっ、ROUGEって、あのROUGEなん?」ってなったのである。


ROUGEの奏でる音楽はアルバム・カヴァーのとおり、NEW YORK DOLLSに通じるグラマラスなロックン・ロールなのだが、DOLLS以前に、THE ROLLING STONESザ・ローリング・ストーンズ]、THE YARDBIRDS[ザ・ヤードバーズ]、THE PRETTY THINGS[ザ・プリティ・シングス]といった、ブルースの影響を多分に受けた1960年代の英国のロックン・ロール・バンドからの影響が大きいのではないかと思われる。


ただし、このバンド、ブルージーなロックン・ロールをやりながらも、常に、どこかに笑える要素を含んでいるのである。


コミック・バンドではないのだが、人を笑わせようとするエンターテイナーっぷりが凄い。


特に、このアルバムに収録されている"正義のパンツマ"という曲は、何回聴いても「クスクス」と笑ってしまうのである。

 

#0430) KYLIE / Kylie Minogue 【1988年リリース】

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筆者はロックを中心に音楽を聴いてきたリスナーだが、ロックが好きな女子とは付き合ったことがない。


どちらかと言えば、ロックが好きな女子は積極的に避けてきた感がある。


こんな書き方をすると、女子側からは、「こっちから願い下げだよ」とか「付き合ってもらえるつもりでいるよ、この男」って思わる可能性が大きい。


しかし、自分が付き合う女子には、ロックみたいなゴツイ音楽ではなく、もっと可愛らしい音楽を聴いてほしいなと思っていた。


筆者がこれまでに付き合ってきた女子は、ロックはもとより、そもそも洋楽を聴かない人が多かった。


ただし、洋楽は殆ど聴かないけど、ユーロビートは好きだという人は何人かいた。


そんな女子たちが好んで聴いていたのは、BANANARAMA[バナナラマ]、DEAD OR ALIVEデッド・オア・アライヴ]、Rick Astley[リック・アストリー]、そして、今回取り上げているKylie Minogueカイリー・ミノーグ]なのである。


筆者も、当時(1980年代後期)、付き合っていた女子からの影響で、ユーロビートはよく聴いていたのだが、中でもKylie Minogueの1stアルバム「KYLIE」は特に好きなアルバムだった。


当時の女性アーティストのトップはMadonna[マドンナ]だったのだが、筆者にとってのMadonnaは、それほど嵌れないアーティストだった。


Madonnaの曲やパフォーマンスは、脂っこく、胃もたれするような感じがして、アルバム1枚を最後まで聴く気にはなれなかったのだ。


それに比べると、Kylie Minogueの曲やパフォーマンスは、清楚で、清々しい感じがして、ずっと聴いていることができた。


歳も近いので(筆者はKylie Minogueの1つ下)、親近感が持てたというのもある。


MANIC STREET PREACHERSマニック・ストリート・プリーチャーズ]の名曲、"Little Baby Nothing"は、Kylie Minogueにデュエットをオファーしていたそうだ。


もちろん、実際のデュエットの相手となったTraci Lords[トレイシー・ローズ]の歌唱も大好きだし、本当に素晴らしいしい曲だと思う。


しかし、Kylie Minogueとのデュエットが実現していたら、"Little Baby Nothing"がどんな感じになっていたのか、願わくは聴いてみたいものである。

 

#0429) AUGUST AND EVERYTHING AFTER / COUNTING CROWS 【1993年リリース】

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今回取り上げているCOUNTING CROWS[カウンティング・クロウズ]の1stアルバム「AUGUST AND EVERYTHING AFTER」を英語版のWikipediaで調べてみると、Genreの欄にAlternative Rockと書いてある。


「うぅ~ん」という感じである。


AUGUST AND EVERYTHING AFTER」は1993年にリリースされたアルバムであり、当時はグランジ/オルタナティヴ・ロックの全盛期だ。


当時の日本の洋楽雑誌でも、「AUGUST AND EVERYTHING AFTER」をオルタナティヴ・ロックとして扱っていたような記憶があるのだが、実際のところ、このアルバムは、どう聴いてもオルタナティヴ・ロックではない。


言うまでもないことかもしれないが、Alternativeとは、「取って代わるもの」、或いは、「代替手段」という意味である。


では、オルタナティヴ・ロックとは、「何に取って代わるもの」であり、「何の代替手段」なのかと言えば、「メインストリームのロックに取って代わるもの」であり、「メインストリームのロックの代替手段」なのである。


大衆に支持されるメインストリームの王道ロックではなく、支持してくれる人は少ないかもしれないが、独特の表現手段でロックをやるのがオルタナティヴ・ロックなのだ。


そうなると、COUNTING CROWSの「AUGUST AND EVERYTHING AFTER」に詰められた曲の感触はオルタナティヴ・ロックというよりも、むしろ、メインストリームの王道ロックなのである。


筆者の耳には、COUNTING CROWSの曲は、ハートランド・ロックと言われてる、かなり保守的なロックの音に近いよう聴こえている。


メインストリームだからダメなんて言うつもりは全く無く、むしろ、筆者は、オルタナティヴ・ロックも聴くが、本質的にはメインストリームの王道ロックが好きなリスナーだ。


何しろ、筆者のロックへの入り口は、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンとグラム・メタル(LAメタル)である。


筆者の周りには、オルタナティヴ・ロックを知ると、メインストリームの王道ロックを馬鹿にして聴かなくなる人もいたが、筆者はオルタナを好きになってからも、王道ロックを聴き続けたし、何より、そんなストイックなロックの聴き方ができない。


そんな無節操なロック・ファンである筆者にとって、COUNTING CROWSが奏でる、米国の大地の匂いのする王道ロックは大歓迎なのである。

 

#0428) FANTASTIC / WHAM! 【1983年リリース】

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今回取り上げているWHAM!ワム!]の1stアルバム「FANTASTIC」が、全英チャートで初登場1位になっていることを最近知った。


FANTASTIC」は1983年にリリースされており、当時の筆者は14歳なので、中2の時にリアルタイムで聴いたアルバムだ。


この時代は英国のアーティストが、米国のチャートを席捲していた時期であり、それはメディアによって、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれていた。


ちなみに、1960年代に、THE BEATLESザ・ビートルズ]やTHE ROLLING STONESザ・ローリング・ストーンズ]等が米国のチャートを席捲した現象がブリティッシュ・インヴェイジョンであり、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンとは、1980年代に起きた2回目のブリティッシュ・インヴェイジョンという意味である。


筆者の洋楽への入り口は、正にこの第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンなのである。


当時の筆者は、DURAN DURANデュラン・デュラン]、SPANDAU BALLETスパンダー・バレエ]、CULTURE CLUBカルチャー・クラブ]、KAJAGOOGOO[カジャグーグー]あたりと共に、WHAM!も夢中になって聴いていた。


当時は全然気付いてなかったのだが、今、改めて上記したアーティストの1stアルバムを聴いてみると、その完成度の高さに驚かされる。


どれもこれも、素人臭さが全く無く、曲も演奏も実にプロっぽいのである。


後の1990年代に起きた、シューゲイザーブリットポップには、物凄く素人臭いアーティストが多かったが、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンのアーティストは完全にプロであり、本人たちのプロ意識も高い。


その中でも、今回取り上げているWHAM!の「FANTASTIC」は完成度の高さが尋常ではない。


筆者は、George Michaelジョージ・マイケル]の最高傑作は、ソロとしての1stアルバム「FAITH」だと思っているのだが、彼の作曲家としての才能は「FANTASTIC」の時点で既に完成されいる。


George Michaelは1963年生れなので、当時の彼は20歳なのだが、今、改めて「FANTASTIC」を聴いてみると、とてもじゃないが20歳の新人が書いた曲とは思えない完成度の高さなのである。


ここに至るまで、もう一人のWHAM!であるAndrew Ridgeley[アンドリュー・リッジリー]に触れなかったが、彼はGeorge Michaelの親友というだけで充分に大きな役割を果たしたのである。

 

#0427) BADLANDS / BADLANDS 【1989年リリース】

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大名盤である。


今回取り上げているBADLANDSの1stアルバムについては、それだけで充分だ。


ちなみに、2ndアルバムの「VOODOO HIGHWAY」も1stと甲乙つけがたい大名盤である。


ハード・ロックが好きで、BADLANDSを聴いたことがないのであれば、それは非常に勿体ないことなので絶対に聴くべきだ。


BADLANDSは、Ozzy Osbourneオジー・オズボーン]のバンドを脱退したギタリストのJake E. Lee[ジェイク・E・リー]が、シンガーのRay Gillen[レイ・ギラン]、ドラマーのEric Singer[エリック・シンガー]、ベーシストのGreg Chaisson[グレッグ・チェイソン]と共に結成した、ブルースをベースにしたハード・ロック・バンドだ。


Ray GillenとEric SingerはBADLANDS 結成前は、BLACK SABBATHブラック・サバス]に在籍経験があるのだが、Eric Singerは、現在(2021年)ではKISS[キッス]のドラマーとして有名だ。


それにしても、ドラマーなのに名前がEric Singerというのは大変ややこしい。


シンガーのRay Gillenは残念ながら1993年に34歳という若さで亡くなっており、Greg ChaissonはBADLANDS加入前の経歴がよく分からない。


BADLANDSを簡単に説明すると、凄腕のミュージシャンが集まって、素晴らしい曲を演奏した、奇跡のようなハード・ロック・バンドだ。


Jake E. Leeは、Ozzy Osbourneの「BARK AT THE MOON」と「THE ULTIMATE SIN」を事前に聴いていたのでテクニカル・スキルの高いギタリストであることは予めて分かっていた(ちなみに、この人がOzzy Osbourneのアルバムで弾いているギターはテクニカル過ぎて、レコードを聴いているだけでは、どうやって弾いているのか全く分からない)。


BADLANDSの曲は、そんなJake E. Leeのテクニカルなギターと、泥臭いブルースを実に巧く融合させた完全無欠のハード・ロックなのである。


そして、そんなJake E. Leeのテクニカルなギターを時に凌駕してしまうほど凄いのが、Ray Gillenの迫力のヴォーカルだ。


この人の高音域における声の伸びの美しさは絶品であり、1980年代に登場したシンガーの中でも、その実力はトップクラスであると言えるだろう。


もし、BADLANDSを聴いたことがないのであれば、シングルにもなった"Dreams in the Dark"を聴いてもらえれば、その実力が分かるはずである。