Rock & Roll Prisonerの憂鬱

好きな音楽についての四方山話

#0440.3) 好きなグラム・メタルのアルバム追加で10選(1980-1989)

■ 第10位

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title UNDER LOCK AND KEY[アンダー・ロック・アンド・キー]
artist DOKKEN[ドッケン]
released 1985年
origin Los Angeles, California, US
comment  80年代に興ったグラム・メタルというジャンルにおいて、MÖTLEY CRÜE[モトリー・クルー]とRATT[ラット]の次にくるバンドと言えば、それは間違いなくDOKKENなのである。
 しかし、このバンドは王道のハード・ロックすぎて、フレッシュさが全く無い。
 グラム・メタル風のヘアスタイルやファッションも、好きでやっているというよりも、マネジメントやレコード会社からの圧力でやらされているように見える。
 とは言うものの、Don Dokken[ドン・ドッケン]の甘く艶やかなヴォーカル、George Lynch[ジョージ・リンチ]の超絶的に個性的でテクニカルなギターが織りなす曲のクオリティは高く、特にこの3rdアルバムは今でも時々聴きたくなる1枚なのである。

■ 第9位

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title ONCE BITTEN[ワンス・ビトゥン]
artist GREAT WHITE[グレイト・ホワイト]
released 1987年
origin Los Angeles, California, US
comment  この時代、LED ZEPPELINレッド・ツェッペリン]に似ていると言われていたバンドが、KINGDOM COME[キングダム・カム]と、このGREAT WHITEである。
KINGDOM COMEは曲をLED ZEPPELINに似せていたが、GREAT WHITEはシンガーであるJack Russell[ジャック・ラッセル]の声質や歌い方がRobert Plantロバート・プラント]に似ているものの、曲はそれほどLED ZEPPELINに似ていない。
 最近になって気付いたのだが、このバンドのブレインは、ギター、キーボード、ハーモニカ、バッキング・ヴォーカル、そして、プロデュースまで担当するMichael Lardie[マイケル・ローディ]だ。
 このバンドも王道ハード・ロックすぎてフレッシュさが全く無いのだが、曲が良いので今でも無性に聴きたくなるときがあり、そんな時に手が伸びるのがこの3rdアルバムなのである。

■ 第8位

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title THRILL OF A LIFETIME[スリル・オブ・ア・ライフタイム]
artist KING KOBRA[キング・コブラ
released 1988年
origin Los Angeles, California, US
comment  KING KOBRAは、60年代から活躍している超有名ドラマーCarmine Appice[カーマイン・アピス]が結成したバンドだ。
 ベテランが作ったグラム・メタルのアルバムを取り上げるのは避けているのだが、このバンドの場合、Carmine Appice以外のメンバーは、当時殆ど無名だったので取り上げることにした。
 1stアルバムから曲のクオリティが高かったのでその片鱗はあったのだが、この2ndはハード・ポップの教科書と言えるほど、非常によくできたアルバムである(ただし、その分、グラム・メタル感は薄い)。
 余計な話かもしれないが、このKING KOBRAというバンド名は、ググラビリティが低すぎて、インターネットが普及した現在では、まず採用されない(できない)バンド名である。

■ 第7位

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title VIXEN[ヴィクセン]
artist VIXEN[ヴィクセン]
released 1988年
origin Saint Paul, Minnesota, US
comment  今あらためてグラム・メタルを振り返ると、このムーヴメントは「男の演者が女の聴衆に向かってパフォーマンスするロック」だったので、演者側に女が入り込む余地が無いムーヴメントだった。
 ベテランではLita Ford[リタ・フォード]がグラム・メタル的なアプローチで活躍していたが、新人で大健闘したのは、間違いなく、このVIXENだろう。
 このアルバムの勝因は、自作曲に拘らず、Richard Marx[リチャード・マークス]等、外部のソングライターが書いた良い曲を積極的に採用したことだ(もちろんレコード会社からの圧力もあったはずだ)。
 しかし、この1stアルバムの成功により、2ndアルバムでは、収録曲の殆どを自作曲にできるという自由を彼女たちは手に入れたのである。

■ 第6位

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title HOUSE OF LORDS[ハウス・オブ・ローズ]
artist HOUSE OF LORDS[ハウス・オブ・ローズ]
released 1988年
origin Los Angeles, California, US
comment  HOUSE OF LORDSは、ANGEL[エンジェル]のキーボーディストだったGregg Giuffria[ジェフリア]が、自身の名を冠したバンドであるGIUFFRIAを解散させた後に立ち上げたバンドだ。
 つまり、ベテランが作ったグラム・メタルのアルバムなので、取り上げるにあたっては多少の迷いがあったのだが、演奏、曲、歌、全てにおいて完璧な名盤なので取り上げることにした。
 GIUFFRIAは「JOURNEY[ジャーニー]に似すぎやないか!」と言われて叩かれたのだが、HOUSE OF LORDSは欧州的な陰りのあるプログレ・ハードという感じの曲が多く、「このバンドでなければ」という個性が明確にある。
 そして、こう感じるのは筆者だけかもしれないのだが、このバンドのシンガーJames Christian[ジェイムズ・クリスチャン]の声質は、Joe Lynn Turner[ジョー・リン・ターナー]に似ているように感じる。

■ 第5位

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title LOVE YOU TO PIECES[ラヴ・ユー・トゥ・ピーシズ]
artist LIZZY BORDEN[リジー・ボーデン]
released 1985年
origin Los Angeles, California, US
comment  シンガーであるLizzy Bordenの名をそのままバンド名にしており、Alice Cooperアリス・クーパー]から影響を受けていることは明白である。
 W.A.S.P.[ワスプ]とは違う形でAlice Cooperが創り出したショック・ロックを受け継ぐバンドなのだが、音楽的にはJUDAS PRIESTジューダス・プリースト]やIRON MAIDEN[アイアン・メイデン]等、英国産ヘヴィ・メタルからの影響が強い。
 メタルを含むロックというジャンルは、演者があまりにも真剣に取り組み過ぎると、それが返ってバカバカしく見えてしまうので、演者側には自らバカバカしさを演じられる余裕があった方が良い。
 LIZZY BORDENの場合も、音楽だけ聴いていると王道すぎるくらいの正統派ヘヴィ・メタルなので、バカバカしく見えるヴィジュアル、そして、奇を衒ったショック・ロックと組み合わせることで、上手い具合にバランスが取れているのである。

■ 第4位

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title BIG DEAL[ビッグ・ディール]
artist KILLER DWARFS[キラー・ドワーフス]
released 1988年
origin Oshawa, Ontario, Canada
comment  「このアルバム・カヴァーを見て、購買意欲をそそられる奴はいるのだろうか?」と感じる人が殆どだと思うのだが、世の中にはこのアルバム・カヴァーを気に入って買う「物好きな奴」もいるのだ。
 既にお気付きかもしれないが、その「物好きな奴」とは、もちろん筆者のことである。
 このアルバム・カヴァーなのだから、こちらも「どんなコミック・ソングが飛び出してくるのだろうか?」という具合に、ある程度の覚悟を持って聴くわけだが、そこから飛び出してきたのは、あまりにも上質なハード・ロックなので、逆に面喰ってしまうのである(こんなん、反則やん!なんなん、このアルバム・カヴァーの意味は?)。
 ちなみに、このバンドのバンド名はKiLLeR DWaRfSと書くのが作法らしい。

■ 第3位

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title FIGHT TO SURVIVE[華麗なる反逆]
artist WHITE LION[ホワイト・ライオン]
released 1985年
origin Copenhagen, Danmark / New York City, New York, US
comment 後出しジャンケンのような言い方になるが、筆者はこのWHITE LIONの1stアルバムを聴いたときに、「このバンドは絶対に売れる」と確信していた(実際に売れたのは2ndからだ)。
デンマーク人シンガーMike Tramp[マイク・トランプ]は独特の癖を持つ声なのだが(つまり、美声ではない)、欧州的な湿り気や切なさがあり、同時期・同ジャンルの米国人シンガーとは決定的に違う「何か」がある。
 そして、更にこのバンドを個性的にしているのは、Vito Bratta[ヴィト・ブラッタ]の超絶テクニカルなギターだ。
 この時代、高速タッピングやスウィープを取り入れるギタリストは多かったのだが、この人は、高速タッピングやスウィープを、曲の中に美しく自然に入れるのが上手い。
 実はこのアルバム、米国でのレコード会社(エレクトラ)がリリースを拒否したため、当時は日本のレコード会社(ビクター)でのみリリースされていたアルバムだったのである(エレクトラ、大丈夫か?)。

■ 第2位

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title BACK TO BABYLON[バック・トゥ・バビロン]
artist TORMÉ[トーメ]
released 1985年
origin Ranelagh, Dublin, Ireland / London, England, UK
comment  このバンドのギタリストBernie Tormé[バーニー・トーメ]も70年代から活動しているギタリストであり、1952年生れなので、この当時でもけっこうなベテランである(Johnny Thundersジョニー・サンダース]やPaul Stanley[ポール・スタンレー]と同い年)。
 Ian Gillan[イアン・ギラン]やOzzy Osbourneオジー・オズボーン]という超一流のバックを務めたギタリストなのだが、その超一流の下を自ら去ってソロ活動をした後に、元GIRL[ガール]のPhil Lewis[フィル・ルイス]と結成したバンドがTORMÉだ。
 ベテランが作ったグラム・メタルのアルバムは避けたいところなのだが、とにかく筆者はBernie Torméのギターが好きなのである。
 特に、この人が、弦が切れそうなほど、ノリノリで乱暴に惹きまくっているときのギターが最高に好きだ。
 この人は、Ozzy Osbourneのバックをもっと長く務めて、Ozzyのレコードでも弾いていたら、ひとかどの成功と名声を得られていたと思うのだが、どうにも生き方が下手な人のような気がして仕方がない。

■ 第1位

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title VINNIE VINCENT INVASION[ヴィニー・ヴィンセント・インヴェイジョン]
artist VINNIE VINCENT INVASION[ヴィニー・ヴィンセント・インヴェイジョン]
released 1986年
origin Los Angeles, California, US
comment  KISS[キッス]の2代目リード・ギタリスト、Vinnie Vincentが率いるバンドなので、これもベテランが作ったグラム・メタルのアルバムなのだが、Vinnie Vincent以外は当時ほぼ無名だったので取り上げることにした(今回初めて知ったのだが、Vinnie Vincentも1952年生れだ)。
 このアルバムを初めて聴いたときは、Vinnie Vincentの弾きまくりっぷりに一発でノックアウトされてしまった。
 はっきり言って、このアルバムは、Vinnie Vincentのエゴが丸出しになった、ギターだけが飛び抜けて目立つアルバムだ。
 Vinnie Vincentの速弾きを楽しむためのアルバムなので、ロックを聴く時にギターよりもヴォーカルに魅かれる人が聴くと、あまり面白味の無いアルバムに感じるかもしれない。
 しかし、ギターの速弾きが好きな人にとっては、物凄い満足感を得られるアルバムなのである。
 ちなみに、このバンドのベーシストDana Strum[ディナ・ストラム]と、次作でヴォーカルを担当するMark Slaughter[マーク・スローター]は、後にSLAUGHTER[スローター]を結成することになる。

 

前々回が「好きなグラム・メタルのアルバム10選(1980-1984)」、前回が「好きなグラム・メタルのアルバム10選(1985-1989)」ということで、合計20枚選んだのだが、まだまだ好きなグラム・メタルのアルバムがあるので、80年代にリリースされたアルバムに絞って、追加で10枚選んだ。


前回、前々回は、ベテランが作ったグラム・メタルのアルバムは避けていたのだが、今回はメンバーの中で1人だけがベテランならOKにした。


そうしたところ、Carmine AppiceのKING KOBRA、Gregg GiuffriaのHOUSE OF LORDS、Bernie TorméのTORMÉ、Vinnie VincentのVINNIE VINCENT INVASIONという具合に、10枚中4枚が、それに該当するバンドのアルバムになってしまった。


それにしても、このグラム・メタルというジャンルは、1980年代に一世を風靡したジャンルなので、掘れば掘るほど、いくらでも好きなアルバムが出てくる。


そして、今回分かったことは、実はグラム・メタルが死滅したと思われている90年代にも名盤が多いということだ。


選んでいて、「あれっ、これって90年代なん?」ということで、取り上げなかったアルバムもかなりある。


いずれ、「好きな90年代のグラム・メタルのアルバム」もやってみたいと思った。

 

#0440.3) 好きなグラム・メタルのアルバム10選(1985-1989)

■ 第10位

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title LOOK WHAT THE CAT DRAGGED IN[ポイズン・ダメージ]
artist POISON[ポイズン]
released 1986年
origin Mechanicsburg, Pennsylvania, US
comment  POISONが音楽的に成熟するのは、2nd「OPEN UP AND SAY... AHH!」、3rd「Flesh & Blood」なのだが、個人的な思い入れは1st「LOOK WHAT THE CAT DRAGGED IN」になる。
 演奏技術的にはかなり危なっかしいところもあるのだが、このバンドはとにかく曲が良いのである。
 アホっぽいパーティー・ソングを演奏するバンドというイメージで毛嫌いする人もいると思うが、そんな人には「そもそもロックン・ロールなんてそんなものでしょ」と言いたい。
 1曲目の"Cry Tough"なんて、夢を追い続ける思いを歌った曲であり、アホっぽさは無く、むしろ胸にグッとくる名曲だ。
 このバンドはキッズがどんな曲を求めているのかを分かっていて、それを書ける能力があるので、実は賢いバンドなのである。
 アホのくせに賢く見せようとするバンドよりも、賢いのにアホっぽく振舞えるPOISONのようなバンドの方が、筆者は圧倒的に好きだ。

■ 第9位

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title NIGHT SONGS[ナイト・ソングス]
artist CINDERELLA[シンデレラ]
released 1986年
origin Philadelphia, Pennsylvania, US
comment  CINDERELLAも音楽的に成熟するのは、2nd「LONG COLD WINTER」、3rd「HEARTBREAK STATION」なのだが、やはり個人的な思い入れは1st「NIGHT SONGS」になる。
 このバンドは、2nd以降、ブルース・ロックやルーツ・ロックに傾倒していくのだが、この1stでは、AC/DCの影響が強い硬派なハード・ロック/ヘヴィ・メタルをやっている。
 POISONもそうなのだが、このバンドも「好きなグラム・メタルのアルバム」として1枚選ぶのが難しい。
 音楽的には2nd以降で深く惹かれていくのだが、インパクトや思い入れとなると、圧倒的に1stなのである。
 CINDERELLAの場合、ヴィジュアルは完全にグラム・メタルなのだが、音楽的にはグラム・メタルからイメージされるような軽さがなく、上記したとおり硬派なハード・ロック/ヘヴィ・メタルなので、このリストに入れるか否かも迷ったくらいだ。
 しかしながら、グラム・メタルの全盛期において、筆者の青春を彩ってくれた1枚なので、どうしても外すことができないアルバムなのである。

■ 第8位

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title LEATHER BOYZ WITH ELECTRIC TOYZ[レザー・ボーイズ・ウィズ・エレクトリック・トイズ]
artist PRETTY BOY FLOYD[プリティ・ボーイ・フロイド]
released 1989年
origin Hollywood, Los Angeles, California, US
comment  「PRETTY BOY FLOYDはMÖTLEY CRÜE[モトリー・クルー]のフォロワーである」と言ってしまうと身も蓋もないかもしれないが、これはかなり質の高いフォロワーだ。
 学生時代、このアルバムを「これ、MÖTLEY CRÜEのメジャー・デビュー前の音源やねん」と言って、友人に聴かせたところ、その友人はあっさりと筆者の嘘に引っかかった。
 MÖTLEY CRÜとPOISONの中間のような音であり、どちらにも似ているようで、それでいてPRETTY BOY FLOYDとしての個性もしっかりとある。
 1989年のリリースなので、グラム・メタル・ムーヴメント末期のアルバムなのだが、あと2年早くリリースされていたら、もっと売れていたのではないだろうか?
 このアルバムを聴いたとき、筆者はグラム・メタル・ムーヴメントが沈みゆく時期にきたように感じてしまい、曲は最高に良いのに何故か悲しくなった記憶がある。
 PRETTY BOY FLOYDは、グラム・メタル・ムーヴメントが放った「鼬(いたち)の最後っ屁」のようなバンドなのである。

■ 第7位

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title YOUNG AND CRAZY[ヤング・アンド・クレイジー
artist TIGERTAILZ[タイガーテイルズ]
released 1987年
origin Cardiff, Wales, UK
comment  英国のウェールズと言えば、後にMANIC STREET PREACHERSマニック・ストリート・プリーチャーズ]、SUPER FURRY ANIMALSスーパー・ファーリー・アニマルズ]、STEREOPHONICSステレオフォニックス]等を輩出した地である。
 筆者が知らないだけかもしれないが、このTIGERTAILZのようなギラついた傾奇者(かぶきもの)が出てくるイメージはない。
 でも、思い出してみれば、MANIC STREET PREACHERSも最初の頃はけっこうな傾奇者だった。
 TIGERTAILZの個性は、この1stアルバムでも歌っている初代シンガーSteevi Jaimz[スティーヴィー・ジェイムズ](この綴り...)のド汚い濁声だ。
 グラム・メタルをやる場合、こういう声は不利な気がするのだが、これが逆にTIGERTAILZにしか出せない個性になっているのだから面白い。
 2nd「BEZERK」ではシンガーがKim Hooker[キム・フッカー]に変わり、彼の声はグラム・メタルに合うハイトーン・ヴォイスなので、かなりキャッチーになったのだが、個性は薄れてしまったような気がする。

■ 第6位

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title SOLDIERS UNDER COMMAND[ソルジャーズ・アンダー・コマンド]
artist STRYPER[ストライパー]
released 1985年
origin Orange County, California, US
comment STRYPERは、クリスチャン・メタルというジャンルを確立したバンドであり、大枠であるグラム・メタルの中でもMÖTLEY CRÜEやW.A.S.P.[ワスプ]のような「悪」を売りにするバンドとは対極の位置に存在するバンドだ。
 クリスチャン・メタルの曲のテーマは「神への賛美」なのである。
 しかしながら、ライヴ中、客席に向けて聖書を投げるパフォーマンスを「けしからん!」と怒られたりもしており、確かに筆者も「クリスチャンなのに聖書の扱い方がぞんざいだな」と思った記憶がある。
 このアルバムは、ギターのハーモニクスや、ヴォーカルのコーラスがとても美しい。
 当時付き合っていた彼女は、日本の女性アイドルやオフコースが好きで、洋楽で聴くのはABBA[アバ]くらいだったのだが、ハーモニクスやコーラスが好きだったので、試しにSTRYPERを聴かせてみたら一発で好きになってくれた。
 筆者はクリスチャンではないのだが、このアルバムを聴いていると、何となく敬虔な気持ちになってくるから不思議なものである。

■ 第5位

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title LAW OF THE ORDER[ロウ・オブ・ジ・オーダー]
artist SHARK ISLAND[シャーク・アイランド]
released 1989年
origin Los Angeles, California, US
comment  5位以上は変化球が多くなってしまい、このSHARK ISLANDもグラム・メタルとしての要件をぎりぎり満たしているか、いないかのボーダーラインに存在するようなバンドだ。
 ただし、グラマラスではないのかと言うと、そんなことはなく、このバンドの曲には、内側から匂い立つような「大人の色気」があるのだ。
 「大人の色気」と言うとブルースやソウル等、ブラック・ミュージックを連想する人がいるかもしれないが、SHARK ISLANDの曲はそういう感じでもない。
 あくまでも、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの範疇にあるものなのだが、同時代の他のバンドに比べて圧倒的な精神年齢の高さを感じるのである。
 このバンドのシンガーRichard Black[リチャード・ブラック]は、GUNS N' ROSES[ガンズ・アンド・ローゼズ]のシンガーW. Axl Rose[W・アクセル・ローズ]が影響を受けたと公言している人物でもある。
 確かに、このアルバムを聴いていると低音域の声の出し方がAxlに影響を与えているように聴こえるし、ミュージック・ビデオを見ているとマイク・スタンドの使い方もAxlに影響を与えているように見える。

■ 第4位

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title VELVET KISS, LICK OF THE LIME[ヴェルヴェット・キス、リック・オブ・ザ・ライム]
artist LIONS & GHOSTS[ライオンズ&ゴースツ]
released 1987年
origin Los Angeles, California, US
comment  LIONS & GHOSTSは、ヴィジュアル的にはグラマラスなのだが、音楽的にはグラム・メタルというよりも、メタルですらないような気がする。
 当時、このデビュー・アルバムがメタル系洋楽雑誌「BURRN!」のディスク・レビューでも取り上げられており、リリースの時期がGUNS N' ROSESのデビュー・アルバムの少し後くらいだったので、ハード・ロック/ヘヴィ・メタル的な音を期待して買った人の多くはズッコケたのではないだろうか?
 筆者の場合は、逆にこのバンドにドハマりした少数派の方だ。
 GENE LOVES JEZEBEL[ジーン・ラヴズ・ジザベル]のような、英国のポップなゴシック・ロック・バンドが、米国の市場を意識してアメリカナイズしてみた感じの音なのである。
 この時期だと、音はポップでも、ギター・ソロだけはテクニカルでフラッシーだったりするのだが、それすらも無く、今回選んだ10枚の中では、メタルを聴かない人でも聴ける唯一のアルバムだと思う。
 ちなみに、2年後にリリースする2nd「WILD GARDEN」では、完全にネオアコになってしまうのである。

■ 第3位

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title NO RESPECT[ノー・リスペクト
artist VAIN[ヴェイン]
released 1989年
origin San Francisco Bay Area, California, US
comment  このDavy Vain[デイヴィー・ヴェイン]率いるVAINには、異端のグラム・メタル・バンドというイメージがある。
 ざっくりとだが、当時、同じカリフォルニア州でも、ロサンゼルスはグラム・メタル、サンフランシスコはスラッシュ・メタルというイメージがあった(ただし、イメージだけであり、実際にはそうでもない)。
 このVAINは、サンフランシスコから登場したグラム・メタル・バンドということで、当時の筆者はこのバンドに対し、異端のイメージを持ったのである。
 そして、1987年にリリースされたGUNS N' ROSESのデビュー・アルバムが記録的な大ヒットとなって以降、グラマラスではなく、ラフでワイルドなイメージのバンドが増えたのだが、VAINはGUNS N' ROSES以前のグラム・メタルのイメージを持っており、その点でも異端のイメージがあった。
 ただし、このVAINが凡百(ぼんぴゃく)のグラム・メタル・バンドと一線を画しているのは、曲の良さ、曲の個性、そして、爬虫類のようにねちっこいDavy Vainのヴォーカルである。
 このデビュー・アルバム以降、一度の解散と再結成を挟み、2022年現在まで、7枚のアルバムをリリースしているのだが、駄作を1枚も作っていない稀有な存在でもある。

■ 第2位

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title ATOMIC PLAYBOYS[アトミック・プレイボーイズ]
artist Steve Stevens[スティーヴ・スティーヴンス]
released 1989年
origin New York City, New York, US
comment  当時、このアルバムは、STEVE STEVENS ATOMIC PLAYBOYSというバンドのアルバムとてリリースされたが、現在では、Steve Stevensのソロ・アルバムという扱いになっているようだ。
 これまでに聴いた回数では、確実に上位に入るアルバムであり、あらゆる面で好きなアルバムだ。
Steve Stevensのテクニカルなギターにつていは、Billy Idol[ビリー・アイドル]のバック・バンドにいたときから、既に度肝を抜かれていたが、このアルバムはPerry McCarty[ペリー・マッカーティ]のヴォーカルも素晴らしいのである。
 Perry McCartyは、WARRIOR[ウォーリアー]というパワー・メタル・バンドにいたシンガーなのだが、彼の正確かつ艶のある歌声が、Steve Stevensのフラッシーなギターと実によく合うのだ。
 このバンドは、1989年12月31日に東京ドームで行われたカウントダウン・ライヴに出演する予定だったのだが、解散によりドタキャンとなった。
 当時、このバンドが見たくて、京都から東京に向かった筆者にとっては、苦い記憶が蘇る思い出の1枚でもある。

■ 第1位

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title ENUFF Z'NUFF[イナフ・ズナフ]
artist ENUFF Z'NUFF[イナフ・ズナフ]
released 1989年
origin Blue Island, Illinois, US
comment  多くのロック・リスナーにとって、THE BEATLESザ・ビートルズ]の血を受け継ぐバンドはOASIS[オアシス]なのかもしれないが、筆者にとってのそれはENUFF Z'NUFFなのである。
 音楽的にはグラム・メタルではなく、パワー・ポップだと思うのだが、そのパワー・ポップには一聴すると不似合いなDerek Frigo[デレク・フリーゴ]のテクニカルでフラッシーなギターが入るところが、このバンドの最大の個性だ。
 シンガーのDonnie Vie[ドニー・ヴィー]は、たぶん、John Lennonジョン・レノン]を意識した歌い方をしていると思うのだが、安っぽい模倣にならず、既にこの1stの時点で、Donnie VieでなければENUFF Z'NUFFにはならないと言えるだけの輝きがある。
 ドラマーのVikki Fox[ヴィッキー・フォックス]は、ヴィジュアルも良く、ドラムの腕前も達者だったので、後にVince Neil[ヴィンス・ニール]がMÖTLEY CRÜEを解雇されてソロ活動を始めるときに引き抜かれることになるのだが、それがこのバンドの活動に暗雲をもたらしたのは残念だった。
 Donnie VieとベーシストのChip Z'Nuff[チップ・ズナフ]のソングライター・コンビが書く曲は唯一無二であり、同時代のこのムーヴメントの中で彼らとの共通点を持つソングライターはいない。
 グラム・メタル・ムーヴメントでは、THE ROLLING STONESザ・ローリング・ストーンズ]、LED ZEPPELINレッド・ツェッペリン]、AEROSMITHエアロスミス]、KISS[キッス]等を追いかけるバンドは多かったが、THE BEATLESを追いかけるバンドは少なかったのである。

 

【総括】
1980-1984からの10選も難しかったが、1985-1989からの10選は更に難しかった。


MÖTLEY CRÜEやRATTの成功で「これは金になる」と睨んだレコード会社が、この手のバンドを青田買いしたため、1985年以降に多くのバンドがデビュー・アルバムをリリースしているからだ。


その上、グラム・メタルが葬られたと思われている1990年以降も、けっこう名盤が多いのである。


はっきり言って、1985-1989のグラム・メタルとなると、とても10枚では足りないのだ。


そして、1980-1984のときも1985-1989ときも迷ったのは、ベテランのアルバムを入れるか否かだ。


例えば、Y&T[ワイ・アンド・ティー]やWHITESNAKEホワイトスネイク]は、この時期、グラム・メタル的なアプローチをしていて、リリースしたアルバムも超絶的にクオリティの高い名盤なのだが、今回のようなリストに入れるには安定感が有り過ぎて面白味が無い。


結局、ベテランを入れるのは止めにした。


そして、更に、筆者を迷わせたのはGUNS N' ROSESの存在である。


NIRVANAニルヴァーナ]以降のグランジ/オルタナティヴ・ロックのリスナーにとって、GUNS N' ROSESは、80年代を代表するグラム・メタルの権化のように思われているだろう。


しかし、80年代初期からグラム・メタルを聴いていた筆者にとってのGUNS N' ROSESとは、それまでのグラム・メタルとは一味違う新しい存在だったのである。


SKID ROWスキッド・ロウ]が登場したときも、GUNS N' ROSESと同様に感じた。


それ故、この二つのバンドは今回のリストに入れなかった。


これらは、別途、「GUNS N' ROSES以降の10選」を書く機会があれば取り上げたい。


2回に渡り、グラム・メタルを取り上げたのだが、やはり、筆者のロックの原点はここにあるなと、改めて確認することができた。


グラム・メタルをやり玉にあげて、商業主義だのリアリティが無いだの、的外れな批判をしたり、バカにしたりする人がいるが、そんな攻撃には洒落臭いと言いたい。


何故なら、音源をリリースする以上、それがメジャー・レーベルでも、インディー・レーベルでも、音源を販売しているのであれば、商業主義であることに違いはないからだ。


リアリティがないというのもお門違いであり、メインストリームであろうが、オルタナティヴであろうが、ミュージシャンなんてものは企業や組織に与するものではなく、明日の事も分からない世界で生きているわけだから、どの道、reality(現実)なんてものは無いのだ。


今回のような記事は書くのが大変なのだが、面白かったので、また書きたいと思う。

 

#0440.2) 好きなグラム・メタルのアルバム10選(1980-1984)

■ 第10位

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title METAL HEALTH[メタル・ヘルス?ランディ・ローズに捧ぐ?]
artist QUIET RIOT[クワイエット・ライオット]
released 1983年
origin Los Angeles, California, US
comment  これはQUIET RIOT名義としては3rdアルバムなのだが、1stと2ndは日本でしかリリースされていないため、母国の米国ではこれがデビュー・アルバムにあたる。
 収録曲の"Cum on Feel the Noize"は、70年代に人気を博した英国のグラム・ロック・バンドSLADE[スレイド]が放ったヒット曲のカヴァーであり、QUIET RIOTにとっても全米チャート5を記録したキャリア最大のヒット曲である。
 アルバム自体も全米チャート1位を記録しており、メタル系としては初の快挙らしい。
 ただし、ジャンルの捉え方は様々なので諸説入り乱れている。
 はっきりと言い切れるのは、これこそが80年代に勃発するメタル・バブルの切っ掛けを作ったアルバムであるということだ。
 このアルバムがなければ、MÖTLEY CRÜE、RATTDOKKENといった後続バンド達の成功への道のりは、もう少し苦戦を強いられたのではないだろうか?

■ 第9位

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title STAKK ATTAKK[スタック・アタック]
artist WRATHCHILD[ラスチャイルド]
released 1984
origin Evesham, Worcestershire, England, UK
comment  このアルバム・カヴァーを見て、ひくようならロック・ファンとしては、まだまだである(ただし、これは日本盤のアルバム・カヴァーらしい)。
 グラム・メタルは米国のバンドがムーヴメントの中心であり、LAに活動の拠点を置くバンドが多かったため、当時の日本では「LAメタル」と呼ばれていた。
 そのような状況下にあって、英国から登場したWRATHCHILDは異色のバンドだった。
 当時の技術に鑑みても相当チープな録音なのだが、それと反比例するかの如く収録曲はポップでキャッチーで楽曲としての完成度が高い。
 当時の英国は、ニューロマンティックや第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンのようなシンセポップ、ポストパンク以降のインディー・ロックがシーンの中心だったので、WRATHCHILDが正当に評価されることはなかった。
 グラム・メタル・ムーヴメントにおける徒花のようなバンドだが、筆者にとって、このアルバムは忘れられない1枚なのである。

■ 第8位

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title SIGN IN PLEASE[サイン・イン・プリーズ]
artist AUTOGRAPH[オートグラフ]
released 1984
origin Pasadena, California, US
comment  AUTOGRAPHは、今回のリストに入れるかどうかを悩んだバンドだ。
 「好きなグラム・メタルのアルバム」というタイトルなので、メタル感を重要視したいのだが、AUTOGRAPHの音楽性はメタル感が薄いのである。
 AUTOGRAPHの音は、グラム・メタルというよりもハード・ポップ、或いは、メロディアス・ハードであり、キッズ達の善良なパパママが聴いても顔をしかめるような要素は殆ど無い(ただし、筆者は英語が苦手なので歌詞の内容は不明だ)。
 それでいて、ヴィジュアル的には完全にグラム・メタルなので、時代性が感じられて面白い存在でもある。
 今回取り上げたのは彼らの1stアルバムなのだが、「本当に新人ですか?」と訊きたくなるほど曲作りが上手い。
 とにかく、楽曲の完成度が高いので、この機会に聴いてくれる人がいるといいなと思い、リストに入れることにした。

■ 第7位

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title BLACK 'N BLUE[ブラック・アンド・ブルー]
artist BLACK 'N BLUE[ブラック・アンド・ブルー]
released 1984
origin Portland, Oregon, US
comment  BLACK 'N BLUEというバンドは、あと1つの「何か」を持っていれば、もっと派手に売れていたのではないだろうか?
 このアルバムは1stアルバムなのだが、この時点で既に曲も良いし、サウンドクオリティも高い。
 70年代に人気を博した英国のグラム・ロック・バンドSWEET[スウィート]の名曲"Action"のカヴァーも、ばっちりと嵌っている。
 メタルとしての重さを持ちながらも、メロディは取っ付きやすく、この時期のグラム・メタル・バンドとしては、あらゆる面で平均点を上回っている。
 しかし、その「あらゆる面で平均点を上回っている」ということが、逆に仇となったのかもしれない。
 同時期のライバルであるMÖTLEY CRÜEやRATTには、良くも悪くもMÖTLEY CRÜEやRATTでなければならない有無を言わせぬ強烈な個性があったが、BLACK 'N BLUEはあまりにも優等生すぎたのではないだろうか?

■ 第6位

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title SHEER GREED[シアー・グリード]
artist GIRL[ガール]
released 1980年
origin London, England, UK
comment  GIRLは、1980年頃に英国で興ったNew Wave Of British Heavy Metalというムーヴメントから登場したバンドだが、最初期のグラム・メタル・バンドでもある。
 GIRLというバンドの価値は、"Hollywood Tease"というメタル史上、否、ロック史上に残る、屈指の名曲を生み出したことに尽きる。
 もし、筆者がミュージシャンで、こんな神がかった名曲を書けたのであれば「もう引退してもいい」とすら思うだろう。
 このGIRLの1stアルバムは、1曲目の"Hollywood Tease"という曲がずば抜けて良すぎるため、2曲目以降が地味に聴こえてしまうのだが、メタルという枠に納まらないような曲も含まれており、実は佳曲が揃った名盤である。
 "Hollywood Tease"は、シンガーのPhil Lewis[フィル・ルイス]が後に参加するL.A. GUNS[エルエー・ガンズ]でもリメイクされることになる。
 ちなみに、Phil Lewisは、SKID ROWスキッド・ロウ]のシンガーだったSebastian Bach[セバスチャン・バック]と並び、筆者が生で見たことのあるミュージシャンの中で最も美しい容姿を持つ人である。

■ 第5位

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title STAY HUNGRY[ステイ・ハングリー]
artist TWISTED SISTER[トゥイステッド・シスター]
released 1984
origin Long Island, New York, US (Ho-Ho-Kus, New Jersey, US)
comment  このアルバム・カヴァーにも写っているTWISTED SISTERのシンガーDee Snider[ディー・スナイダー]は、見てのとおりこのヴィジュアルなのでアホっぽく見えるかもしれない。
 しかし、実際には非常に頭の良い人物であり、それは彼のことについて書かれたWikipediaの日本語版ページを読めば手っ取り早く理解することができる。
 このバンドは、キッズが何を求めているのかを理解しているバンドであり、音楽評論家ではなく、常にキッズの方を見ているバンドだ。
 ヴィジュアルとは裏腹にTWISTED SISTERの音楽性はストレートなハード・ロック/ヘヴィ・メタルであり、このアルバムは彼らがグラム・メタル・ムーヴメントを賢く上手に利用したヒット・アルバムだ。
 バンドの起源はニュージャージーにあるが、その後、ニューヨークに拠点を移し、全盛期のメンバーの殆どがニューヨークの出身である。
 筆者にとって、ニューヨークを象徴するバンドと言えば、NEW YORK DOLLSか、このTWISTED SISTERなのである。

■ 第4位

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title W.A.S.P.[魔人伝]
artist W.A.S.P.[ワスプ]
released 1984
origin Los Angeles, California, US
comment  W.A.S.P.のシンガー兼ベーシスト(後にシンガー兼ギタリスト)のBlackie Lawless[ブラッキー・ローレス]は股間にノコギリを装着しているので、アホっぽく見えるかもしれないが、実はこのミュージシャンも非常に頭の良い人物だ。
 悪の権化のようなヴィジュアルなのでデス・メタルでもやりそうに見えるが、その音楽性は極めて高性能でキャッチーなヘヴィ・メタルである。
 このアルバムは、筆者がヘヴィ・メタルを意識してリアルタイムで買った最初期のアルバムであり、あまりの曲の良さ、そして、カッコ良さにノックアウトされてしまい、1年くらい毎日聴き続けた。
 W.A.S.P.(というよりもBlackie Lawless)は、後に「THE HEADLESS CHILDREN」というシリアスなアルバムや、「THE CRIMSON IDOL」というコンセプト・アルバムを制作するが、その片鱗は既にこの1stアルバムの中にある。
 Blackie Lawlessが描く世界観は独特であり、それは彼がネイティブ・アメリカンをルーツに持つ人物だからなのだろうか?
 とにかくこのアルバムは、完成度の高いヘヴィ・メタルを聴きたい人に、絶対の自身を持ってお薦めできる1枚なのである。

■ 第3位

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title TOO FAST FOR LOVE[華麗なる激情]
artist MÖTLEY CRÜE[モトリー・クルー
released 1981年
origin Los Angeles, California, US
comment  グラム・メタルを好きであろうが嫌いであろうが、多くのロック・リスナーにとってグラム・メタルの象徴と言えば、MÖTLEY CRÜEなのではないだろうか?
 このバンドのベーシストでありブレインでもあるNikki Sixx[ニッキー・シックス]も、TWISTED SISTERのDee SniderやW.A.S.P.のBlackie Lawlessと同様、頭の良い人物である。
 ただし、Nikki Sixxはドラッグのオーヴァードーズにより死にかけているので、その点では愚かな人物だ。
 「グラム・メタル=MÖTLEY CRÜE」というイメージがあるが、MÖTLEY CRÜEのアルバムの中で純粋にグラム・メタルと呼べるのは、この1st「TOO FAST FOR LOVE」と3rd「THEATRE OF PAIN」の2枚だけだ。
 3rdは平凡なグラム・メタルのアルバムだが、この1stはロックの歴史に刻まれたグラム・メタルの名盤中の名盤だ。
 そして、あまり言われないことだが、このアルバムを名盤たらしめているのは、実はMick Mars[ミック・マーズ]のギターなのである。

■ 第2位

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title PYROMANIA[炎のターゲット]
artist DEF LEPPARDデフ・レパード
released 1983年
origin Sheffield, South Yorkshire, England, UK
comment DEF LEPPARDの3rdアルバム「PYROMANIA」、これはグラム・メタル以前にロック・アルバムとして完璧な作品である。
 このアルバムに靡かないロック・リスナーは、相当へそ曲がりなロック・リスナーなのではないだろうか?
 このアルバムはメロディ、コーラス、アレンジ、サウンド、どれをとっても完璧であり、何一つ欠けたところが無く、1曲目の"Rock! Rock! (Till You Drop)"が始まった瞬間から抗いがたい魅力に捻じ伏せられる。
DEF LEPPARDはグラム・メタルという定義からは少し外れると思うのだが、このアルバムが後に現れる多くのグラム・メタル・バンドに与えた影響の大きさは計り知れないものがある。
 何より凄いのは、普段メタル系の音楽を聴かない人までをも巻き込んだことであり、結果として1,000万枚以上の売り上げを記録している。
 ちなみに、次作「HYSTERIA」も傑作なのだが、「HYSTERIA」は「完璧すぎるアルバム」、そして、この「PYROMANIA」は「完璧なアルバム」という具合に、同じ傑作でも微妙にニュアンスが異なる。

■ 第1位

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title OUT OF THE CELLAR[情欲の炎]
artist RATT[ラット]
released 1984
origin San Diego, California, US
comment  このランキング・リストを作ると決めたときから、1位はRATTの「OUT OF THE CELLAR」にすると決めていた。
 このアルバムは骨の髄まで、徹頭徹尾、グラム・メタルなのである。
 自らがラットン・ロールと呼んだ、妖艶でありながらもカジュアルでスポーティなサウンドは唯一無二であり、これこそが筆者にとってのグラム・メタルなのである。
 グラム・メタルは軟弱なイメージを持たれがちだと思うのだが、RATTサウンドには重さもあり、Warren DeMartini[ウォーレン・デ・マルティーニ]のギターはテクニカルだ。
 同じムーヴメントから現れたMÖTLEY CRÜEはトレンドを巧みに取り入れることのできる器用なバンドだったが、RATTはそれができない不器用なバンドなので、4th「REACH FOR THE SKY」以降はセールスを落としてしまうのだが、4thおよび5th「DETONATOR」も筆者にとっては傑作だ。
 復活作となった2010年の7th「INFESTATION」も傑作なのだが、このバンドはメンバー同士の人間関係を悪化させることが多く、安定した活動を継続できないのが残念なところである。

 

【総括】
前回は1970年代の「好きなグラム・ロックのアルバム10選」を書いたので、今回は、そのグラム・ロックから影響を受けた1980年代の「好きなグラム・メタルのアルバム10選」を書くことにした。


ただし、グラム・メタルは筆者が最もレコードやCDを買ったジャンルなので選びたいアルバムが多すぎるため10枚に絞るのが難しい。


よって、今回は1980年~1984年までにリリースされたアルバムを10枚、次回は1985年~1989年までにリリースされたアルバムを10枚選ぶことにした。


筆者はドンピシャのグラム・メタル世代であり、グラム・メタルに対する拘りが強い。


筆者の中におけるグラム・メタルとは、1970年代のグラム・ロックに、AEROSMITHエアロスミス]、KISS[キッス]、AC/DC[エーシー・ディーシー]あたりのエッセンスを加えたものだと思っている。


音楽的にはAC/DCの影響が大きい。


「なぜBON JOVIボン・ジョヴィ]が入っていないのか?」と思う人もいろかもしれないが、筆者の中におけるBON JOVIはグラム・メタルではない。


BON JOVIは好きなバンドなのだが、BON JOVIにはグラム・メタル的な「いかがわしさ」が無いからだ。


EUROPE[ヨーロッパ]も同じ理由でグラム・メタル的ではないと思っているので入れなかった。


EUROPEはこの先「 好きな北欧メタルのアルバム10選 」を書くときがあれば入れたいと思う。


DEF LEPPARDは今回のリストに入れてしまったのだが、やはり同じ理由でグラム・メタルではないと思っている。


ただし、DEF LEPPARDの「PYROMANIA」というモンスター級のアルバムが無ければ、グラム・メタルがあれほどの隆盛を極めることは無かったかもしれないので入れることにした。


HANOI ROCKSハノイ・ロックス]は多くのグラム・メタル・バンドと同世代でありながら、彼らに大きな影響を与えたバンドであり、筆者の好きなバンドの中では殿堂入りの存在なのだが、HANOI ROCKS自体はグラム・メタルではないと思っている。


HANOI ROCKSはこの先「 80年代以降の好きなロックンロールのアルバム10選 」を書くときがあれば入れたいと思う。

 

#0440.1) 好きなグラム・ロックのアルバム10選

■ 第10位

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title ALADDIN SANE[アラジン・セイン
artist David Bowieデヴィッド・ボウイ
released 1973年
origin London, England, UK
comment David Bowieは、T. REX[T・レックス]のMarc Bolanマーク・ボラン]と双璧を成すグラム・ロックのアイコンなので、10位というのは低すぎると感じる人も多いだろう。
 しかし、この稀代の天才総合芸術家の神髄は、グラム・ロックが完全に終わった後に制作した「LOW」と「"HEROES"」の2枚だ。
 極論すると、筆者にとってのDavid Bowieは「LOW」と「"HEROES"」という、ロックの歴史に刻まれた2枚の大傑作があれば充分なのである。
 筆者は、グラム・ロックと呼べるDavid Bowieのアルバムは「ZIGGY STARDUST(長いので省略)」と「ALADDIN SANE」の2枚だけだと思っているのだが、グラム・ロック期のDavid Bowieは、彼自身が本当にやりたい音楽をやっていないのではないかと感じている。
 「ZIGGY STARDUST」と「ALADDIN SANE」のどちらか1枚を選ぶのであれば「ALADDIN SANE」だ。
 抒情的な"Five Years"で始まる「ZIGGY STARDUST」よりも、グルーヴィーでノリの良い"Watch That Man"で始まる「ALADDIN SANE」の方が聴いていてテンションが上がる。

■ 第9位

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title ROXY MUSICロキシー・ミュージック
artist ROXY MUSICロキシー・ミュージック
released 1972年
origin County Durham/London, England, UK
comment  「ROXY MUSIC」は、ROXY MUSICの1stアルバムだが、これは彼らのアルバムの中で、唯一グラム・ロックと呼べるのアルバムだ。
 筆者の中では、ROXY MUSICのアルバムとして上位に入るものではないのだが、非常によく出来たデビュー・アルバムである。
 実に上手にグラム・ロックというフォーマットを使って、自分達を売り出すことに成功している。
 しかし、このバンド(というか、Bryan Ferry[ブライアン・フェリー])も、David Bowie同様、グラム・ロックが完全に終わった後に最高傑作アルバム「AVALON」をリリースしている。
Brian Enoブライアン・イーノ]が参加している1stと2nd「FOR YOUR PLEASURE」を特別視する傾向もあるが、Brian Enoが脱退し(クビ?)、Eddie Jobson[エディ・ジョブソン]が加入した3rd「STRANDED」以降にROXY MUSICの神髄はある。
 このデビュー・アルバム「ROXY MUSIC」は、Bryan Ferryが本当にやりたい音楽ではないと思うのだが、ここからラスト・アルバム(8th)の「AVALON」に登り詰めていく中で、Bryan Ferryは駄作を1枚も作らなかった稀有な存在なのである。

■ 第8位

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title WOULDN'T YOU LIKE IT?[青春のアイドル]
artist BAY CITY ROLLERS[ベイ・シティ・ローラーズ
released 1975年
origin Edinburgh, Scotland, UK
comment  「BAY CITY ROLLERSって、グラム・ロックなん?」そう思う人も多いと思うが、欧米でリリースされているグラム・ロックのコンピレーション・アルバムにはBAY CITY ROLLERSの曲が入っていることが多いらしい。
 Glam RockのGlamとは、Glamorous(魅惑的)の意味なので、タータン・チェックの衣装を身に纏ったBAY CITY ROLLERSは魅惑的であり、グラム・ロックの範疇に入るアーティストだと思っている。
グラム・ロックには音楽的な共通性は無いと言われているが、筆者の中では「ポップなロック」あるいは「わかりやすいロックン・ロール」が基本であり、そこに「イミテーションっぽさ」が加味されたものがグラム・ロックなのかなと思っている。
 BAY CITY ROLLERSの曲はベスト・アルバムで聴いた方が良いと思うのだが、こういう企画でベスト・アルバムを挙げるのは反則だと思うので、彼らの転機ともなり、全12曲中、11曲がメンバーのオリジナル曲となった3rdアルバムの「WOULDN'T YOU LIKE IT?」を挙げることにする。
 Leslie McKeown[レスリー・マッコーエン]の声が意外なほど男っぽいところも、このバンドの魅力の1つである。

■ 第7位

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title SUZI QUATRO[サディスティック・ロックの女王]
artist Suzi Quatroスージー・クアトロ
released 1973年
origin Detroit, Michigan, US
comment  引き続き、「Suzi Quatroって、グラム・ロックなん?」そう思う人も多いと思うが、欧米でリリースされているグラム・ロックのコンピレーション・アルバムにはSuzi Quatroの曲が入っていることが多いらしい。
 そんな前置きは不要なくらい、このグラマラスで、分かり易くて、ご機嫌なロックン・ロールは、筆者がイメージするグラム・ロックそのものである。
 アルバムの完成度は2nd「QUATRO」の方が上だと思うのだが、グラム・ロックっぽさで選ぶのであれば、この1st「SUZI QUATRO」の方が上だ。
 音楽性とは全く関係が無いのだが、筆者は小柄な女性とベースを弾く女性が好きなので、その両方が揃っているSuzi Quatroには、ちょっと特別な感情移入があったりもする。
 動くSuzi Quatroを見たのは、インターネットが一般化してからなのだが、小柄な彼女が大きいベースを弾きながら歌う姿にはグッとくるものがある。
 この人の登場が、後に現れるTHE RUNAWAYS[ザ・ランナウェイズ]、THE GO-GO'S[ザ・ゴーゴーズ]、THE BANGLES[ザ・バングルス]といった女性ロッカー達への道を切り開いたであろうことは想像に難くない。

■ 第6位

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title WIZZARD BREW[ウィザード・ブリュウ
artist WIZZARD[ウィザード]
released 1973年
origin Birmingham, England, UK
comment  1位から10位の中でWIZZARD以外は1980年代からレコードで聴いているのだが、WIZZARDだけは2000年代に入ってから配信で聴くようになった。
 WIZZARDのことは、1990年代に洋楽雑誌の旧譜を取り扱うような企画で知ったと思うのだが、Roy Wood[ロイ・ウッド]の奇抜なヴィジュアルから色物的な音を想像してしまい、ちょっとCDを買うことに躊躇いがあった。
 定額で聴き放題という音楽配信サービスは、そういう「買うのはちょっと...」と思うようなアーティストを躊躇いなく聴くことができるのでありがたい。
 聴いてみて驚いたのは、音楽的にはかなり正統派のロックであり、言うなれば、THE BEATLESザ・ビートルズ]やTHE BEACH BOYSザ・ビーチ・ボーイズ]の系譜なのである。
 とにかく曲が良いので、一時期ドハマりしたアルバムだ。
 しかし、思い込みがあるのかもしれないが、バンド名をWIZZARDと名乗るだけあり、Roy Woodの書くの曲はどこか「魔法使いっぽい」のである。

■ 第5位

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title SLAYED?[スレイド?]
artist SLADE[スレイド]
released 1972年
origin Wolverhampton, England, UK
comment  これ以降、5位から1位までは、一応、順位は付けたが、殆ど同列であり、筆者にとっての「グラム・ロックとはこれだ!」というアルバムである。
 否、アルバムというよりは、筆者にとってのグラム・ロックとは、5位から1位までのアーティストなのである。
 1970年代に興ったグラム・ロックは、後の1980年代にグラム・メタルとしてアップデートされるのだが、SLADEはそのロールモデルなのではないだろうか?
 事実、グラム・メタル・バンドのQUIET RIOT[クワイエット・ライオット]は、SLADEの"Cum On Feel The Noize"をカヴァーして大ヒットを記録している。
 そして、2匹目のドジョウを狙って、"Mama Weer All Crazee Now"もカヴァーしたのだが、こちらはどういうわけ"Cum On Feel The Noize"ほどのヒットには至らなかった。
 このアルバム「SLAYED?」は3rdアルバムであり、"Mama Weer All Crazee Now"が収録されており、今ではボーナス・トラックとして、"Cum On Feel The Noize"も収録されている。
 この2曲に限らず、SLADEはヒット曲が多いので、実のところ一番よく聴くのは、このアルバムではなく、ベスト・アルバム「SLADEST」の方である。

■ 第4位

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title DESOLATION BOULEVARD[危険なブールヴァード]
artist SWEET[スウィート]
released 1974年
origin London, England, UK
comment  このバンドも間違いなく、後の1980年代に興るグラム・メタルのロールモデルになっているはずだ。
 SWEETらしさという点では、彼らに曲を提供していたMike Chapman[マイク・チャップマン]とNicky Chinn[ニッキー・チン]の手を離れた4th「GIVE US A WINK」だと思う。
 しかし、グラム・ロックらしさとなると、この3rd「DESOLATION BOULEVARD」なのである。
 初めてSWEETを聴いた時に驚いたのは、当時リアルタイムで聴いていたグラム・メタルに物凄く似ていたことである(実際にはグラム・メタル・バンドがSWEETに似ているのだが)。
 とにかくSWEETの曲は、当時聴いていたSTRYPER[ストライパー]、BLACK 'N BLUE[ブラック・アンド・ブルー]、KING KOBRA[キング・コブラ]あたりのグラム・メタル・バンドの曲とイメージが重なるのだ。
 このアルバムの収録曲では無いが、2nd「SWEET FANNY ADAMS」収録の"Set Me Free"は完全にグラム・メタルであり、初めて聴いたときはRATT[ラット]の曲に聴こえてしまった。

■ 第3位

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title SCHOOL'S OUT[スクールズ・アウト]
artist ALICE COOPERアリス・クーパー
released 1972年
origin Detroit, Michigan, US
comment  このリストに入れたアーティストの中で、ALICE COOPERは「どのアルバムを選ぶか」を最も迷ったアーティストだ。
 バンドALICE COOPERとしての3rd「LOVE IT TO DEATH」から7th「MUSCLE OF LOVE」、ソロ・アーティストAlice Cooperとしての1st「WELCOME TO MY NIGHTMARE」、この範囲のアルバムは全て好きだ。
 1980年代にグラム・メタルの波に乗って復活してから制作したアルバムにも名盤が多い。
 一番好きなアルバム(一番聴いた回数の多いアルバム)は「WELCOME TO MY NIGHTMARE」だが、グラム・ロックらしさとなると「SCHOOL'S OUT」だと思う。
 音楽的にはハード・ロックの要素が強いのだが、ALICE COOPERの曲には何とも言えない「いかがわしさ」がある。
 そして、Alice Cooperという人はグラム・ロックのみならず、ショック・ロックの始祖でもある。
 この人の存在が無かったら、KISS[キッス]、W.A.S.P.[ワスプ]、LIZZY BORDEN[リジー・ボーデン]、MARILYN MANSONマリリン・マンソン]の登場は無かったかもしれない...というのは言い過ぎだろうか?

■ 第2位

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title NEW YORK DOLLSニューヨーク・ドールズ
artist NEW YORK DOLLSニューヨーク・ドールズ
released 1973年
origin New York City, New York, US
comment  このアルバムにつていは、殆ど書くことが無い。
 一言「ロックン・ロール」、それだけで充分な気がする。
 ロックン・ロール・バンドと呼ばれているバンドでも、実はロックン・ロール以外の成分を多く含んでいることがある。
 世界最高峰のロックン・ロール・バンドTHE ROLLING STONESローリング・ストーンズ]も、時期によってサイケデリック・ロック、スワンプ・ロック、ファンク、レゲイ、ディスコ等、色々なジャンルの成分を取り入れている。
 NEW YORK DOLLSの場合、殆どロックン・ロール一本なのである。
 NEW YORK DOLLSは、この1st「NEW YORK DOLLS」と2nd「TOO MUCH TOO SOON」の2枚のみで、早々に解散(空中分解?)してしまったため、他の成分を取り入れる時間が無かったというのもあるだろう。
 筆者は、このアルバムを聴かなかったら、ここまでロックに嵌ることは無かったような気がする。
 言うなれば、筆者の人生を狂わせたアルバムなのである。

■ 第1位

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title THE SLIDER[ザ・スライダー]
artist T. REX[T・レックス]
released 1972年
origin London, England, UK
comment  結局のところ、1位はこのアルバムになった。
 「5位から1位までは、一応、順位は付けたが、殆ど同列」と書いたものの、やはり、1位はT. REXでありMarc Bolanマーク・ボラン]なのである。
 前身のTYRANNOSAURUS REX[ティラノザウルス・レックス]には、それほど嵌らなかったのだが、T. REXのアルバムは全部好だ。
 一番好きなのは2nd「ELECTRIC WARRIOR」なのだが、グラム・ロックらしさで選ぶとなると、この3rd「THE SLIDER」になる。
 このアルバムに収録されているギラギラに輝く曲達こそ、グラム・ロックなのである。
 もしかすると、真のグラム・ロックと言えるのはT. REXだけなのかもしれない。
 そして、これもまた、もしかすると、Marc Bolanが本当にやりたかったのは、TYRANNOSAURUS REXでやっていたようなサイケデリックなフォーク・ロックの方なのかもしれない。
 奥さんの運転する車の事故により、29歳という若さで亡くなってしまうとは、何とも儚い人である。

【総括】

筆者は13歳(1982年)でロックを聴き始めたのだが、初めてリアルタイム以外のロックを掘り下げて聴いたジャンルがグラム・ロックだ。

 

切っ掛けは、当時、読んでいたロック雑誌「音楽専科」に掲載されていた「グラム・ロックをふりかえる」的な記事である。

 

いつも、このようなランキング・リストを作る時に感じることは「難しい」ということだ。

 

通勤電車の中で、改めて色々なアルバムを聴き直し、文章を書くのには1週間くらいかかっている。

 

実質的な使用時間は「2時間×7日=14時間」くらいだと思う。

 

今回、グラム・ロックをテーマにして個人的なベスト10を作ったわけだが、一般的にグラム・ロックとして扱われているアーティストでも、自分にとってはグラム・ロックらしくないアーティストが多いことにも気付いた。

 

David BowieROXY MUSICは大好きなのだが、筆者にとっては、グラム・ロックというよりはアート・ロックなのである。

 

David BowieROXY MUSICではなく、もっとグラム・ロックらしいMUD[マッド]とHELLO[ハロー]を入れようかと思ったのだが、ちょっとマニアックすぎるので入れなかった。

 

COCKNEY REBELコックニー・レベル]も頭の中にあったのだが、これもグラム・ロックというよりはアート・ロックなのである。

 

MOTT THE HOOPLE[モット・ザ・フープル]やSILVERHEAD[シルヴァーヘッド]も大好きなのだが、音楽的にはあまりにも王道のハード・ロックであり、グラム・ロックを意識して聴いたことがない。

 

グラム・ロックは、ハード・ロックプログレッシヴ・ロックと異なり、音楽的な共通性が殆どない。

 

人によって、グラム・ロックの定義は様々だろう。

 

今回は筆者自身の「私の好きなグラム・ロックのアルバム」を選んだのだが、他の人が選ぶ「私の好きなグラム・ロックのアルバム」を見てみたくなった。

#0440) TRUE CONFESSIONS / BANANARAMA 【1986年リリース】

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昨日はクリスマスだった。


もう、クリスマス・プレゼントを貰えるような歳ではないし、クリスチャンでもないのだが、クリスマス・シーズンになると、不思議と気分がウキウキして仕方がない。


街中は松任谷由実山下達郎Mariah Careyマライア・キャリー]、WHAM!ワム!]等が溢れかえっている。


筆者は所謂(いわゆる)バブル世代である。


バブル世代のクリスマスの想い出と言えば、彼女と過ごすために、何ヶ月も前からレストランやホテルを予約して、かなり無理をして買った高価なプレゼントを彼女に渡すといった過ごし方である。


レストランを出た後に行くお店も予約しておかなければ、彼女から「段取りが悪い!」と怒られるわけである。


今、冷静に振り返ると、理不尽な話なのだが、当時は、それが当たり前だと思っていた。


そんな日本のバブル期のイメージにがっつり重なるアーティストと言えば、筆者にとってはBANANARAMAバナナラマ]なのである。


BANANARAMAに限らず、英国のプロデューサー・チームStock Aitken Waterman[ストック・エイトキン・ウォーターマン]が手掛けたアーティストは、ことごとく日本のバブル期のイメージと重なる人が多い。


今回取り上げているBANANARAMAの3rdアルバム「TRUE CONFESSIONS」は大ヒット曲"Venus"が収録されていることもあり、殊の外その印象が強い。


数十年ぶりに「TRUE CONFESSIONS」を聴いてみて、ちょっと以外だったのが、思いの外しっとりとした曲が多いことだ。


当時聴いていたときは、もっとイケイケ(死語)な印象があったのだが、"Venus"が飛び抜けてイケイケ感が強いだけで、意外なほど良質なヴォーカル・アルバムなのである。