CATS IN BOOTS [キャッツ・イン・ブーツ]
出身地:日本/アメリカ合衆国
1987年に 聖飢魔II を脱退したギタリストのジェイル大橋代官こと大橋隆志が、高校生時代のバンド仲間であるベーシストの畑江康弘と共に渡米し、ロサンゼルスで結成したバンドが、この CATS IN BOOTS だ。
1988年に「DEMONSTRATION (EAST MEETS WEST)」を、1989年に「KICKED & KLAWED」をリリースし、楽曲も素晴らしく、MTV やラジオでも好評だったのだが、1990年にあっけなく解散した短命なバンドだ。
解散理由は「メンバー間の人間関係の悪化」ということなのだが、このバンドは、日本人が2人、米国人が2人というメンバー構成なので、人間関係が悪化する方が普通だろう。
その上、活動拠点が米国なのだから、大橋と畑江にとっては完全にアウェイな状態での戦いだ。
外国人が日本に来ているのであれば、それは強制連行したわけではなく、彼らの自由意志で来ているのだから、100% 日本に合わせてもらう必要があり、日本人が外国人に合わせる必要な全くない。
それが出来ないのあれば「帰りなさい」というだけの単純な話である。
しかし、日本人が米国に行っている状態では、日本人が 100% 米国に合わせる必要があるわけなので、これはかなり厳しい戦いになる。
筆者もこれまでに、米国、欧州、アジアなど、様々な国に出張して仕事をしてきたが、良い記憶は一つも無い。
とにかく、出張先の国の人とは、仕事に対する責任感とスピード感が根本から異なるため、常に衝突の連続だった。
特に、納期に対する彼らの意識の低さや甘さは如何ともしがたく、納期を厳守するように強いプレッシャーをかけると、精神に異変をきたすか、逆切れされるかのどちらかだ。
結局、彼らが製造できずに放り投げたものを、全て筆者が引き取って製造するという結果になるのがお決まりのパターンだった。
筆者としても、ロクに準備も出来きていないまま、急な海外出張を命じられ、気が立っている状態だったのだが、それに加えて苦しかったのは、どこに言っても口に合う食べ物が無いことだった。
仕方がないので、こっそり持ち込んだ「カロリーメイト」を、これもこっそり持ち込んだ「南アルプス天然水」で流し込んで何とか飢えをしのいでいた。
今では、もう絶対に、外国には仕事でも観光でも行きたくないと思っている。
ただ、そんな海外出張の中で、最も仕事が出来たのは米国人だった(ちなみに、これを日本人に言うと「えっ、うそやん」と言われることが多い)。
もちろん、筆者が日本の企業人として芯まで刷り込まれている仕事論との隔たりは大きいのだが、筆者が現地で出会った米国人は、けっこうしっかりと仕事上の契約を守る。
そして、意外にも、というと失礼なのだが、仕事の話をしているときに、けっこうしっかりと空気を読む。
欧州やアジアで出会った人には、この感覚が全く無かった。
今、思うと、筆者の初めての海外出張は、新卒2年目に行った、テキサス州のヒューストンだったのだが、ここでの経験が、その後の海外出張先との比較基準になったような気がする。
今回取り上げた、CATS IN BOOTS は、今にして思うと、彼らの渡航先が米国だったので、まだ続いたのではないだろうか。
逆に、よく2年も続いたなと思う。
DEMONSTRATION (EAST MEETS WEST)

1stスタジオアルバム
リリース:1988年
レーベル:ポリドール・レコード
プロデュース:CATS IN BOOTS
| No. | タイトル | 作詞 | 作曲 |
|---|---|---|---|
| 1 | Girl's Alright, Tonight | ジョエル・エリス、ランディ・メアーズ | 大橋隆志 |
| 2 | Judas Kiss | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 3 | Bad Boys | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 4 | 9 Lives (Save Me) | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 5 | Bayou Fool | ジョエル・エリス、ランディ・メアーズ | 大橋隆志 |
| 6 | Her Monkey | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 7 | Heaven on a Heartbeat | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
[comment]
当時、筆者が京都のレコード屋で買ったアナログ盤は、このアルバム・カヴァーではなく、猫のイラストを使ったカッコいいデザインだった。
仲良さげに写っているメンバーだが、解散理由を知った上で見ると、ちょっと寒い。
しかし、楽曲は素晴らしい。
大橋隆志の古巣である 聖飢魔II 的な、メロディアスなヘヴィ・メタルは1曲も無く、ストリート感のあるアメリカン・ハード・ロックン・ロールだ。
簡単に言ってしまうと、GUNS N' ROSES の「APPETITE FOR DESTRUCTION」以降の流れにある、当時の流行に沿った楽曲だ。
しかし、「APPETITE ~」以降、雨後の筍の如く出てきた凡百のバンドより、圧倒的に曲作りが上手い。
メロディーやコード進行も、よく練られていて、耳を引き付ける力がある。
レコード会社や時の流行に合わせて作曲できる大橋隆志の才能は素晴らしい。
こういう人が本当のミュージシャンだ。
KICKED & KLAWED

2ndスタジオアルバム
リリース:1989年
レーベル:東芝EMI
プロデュース:マーク・オピッツ
| No. | タイトル | 作詞 | 作曲 |
|---|---|---|---|
| 1 | Shot Gun Sally | ジョエル・エリス、パルテノン・ハクスリー、スティーヴィー・サラス | 大橋隆志 |
| 2 | Nine Lives (Save Me) | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 3 | Her Monkey | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 4 | Whip It Out | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 5 | Long, Long Way From Home | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 6 | Coast to Coast | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 7 | Every Sunrise | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 8 | Evil Angel | ジョエル・エリス、パルテノン・ハクスリー、スティーヴィー・サラス | 大橋隆志 |
| 9 | Bad Boys Are Back | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 10 | Judas Kiss | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
| 11 | Heaven on a Heartbeat | ジョエル・エリス | 大橋隆志 |
[comment]
前作は、全7曲なので、ミニ・アルバム的な扱いだった。
前作と被っている曲もあるのだが、本作はフル・アルバムであり、これこそが CATS IN BOOTS 真のデビュー・アルバムだ。
楽曲の質は、前作以降に高く、終わったことに「もし」は無いのだが、このまま続けていれば、時代の追い風と相まって、全米チャートの上位に入ったかもしないと思わせるだけの説得力がある。
しかし、日本人2人、米国人2人というメンバー構成では、長続きしなかったのは致し方あるまい。
日本人どうしでさえ、エゴの衝突で解散するバンドは後を絶たないのだから。















