■ Songs from Black Mountain / Līve
[title]
Songs from Black Mountain [ソングス・フロム・ブラック・マウンテン]
7th album
released: 2006/04/10
- The River
- Mystery
- Get Ready
- Show
- Wings
- Sofia
- Love Shines (A Song for My Daughters About God)
- Where Do We Go from Here?
- Home
- All I Need
- You Are Not Alone
- Night of Nights
[artist]
Līve [ライヴ]
origin: York, Pennsylvania, U.S.
[comment]
このアルバムは、母国の米国では52位を記録し、オーストラリアではゴールド認定されているので商業的な成功は収めているのだが、米国だけで800万枚を売り上げて、1位を獲得した 2nd アルバム Throwing Copper 以降の快進撃と比べると、このアルバムの成績が地味に見えてしまうのは否めない。
しかし、1曲目の "The River" から、いきなり聴く者の心に染み込む名曲であり、そのままアルバムが終わるまで、包容力のある優しくて美しい曲が続く名盤である。
Ed Kowalczyk [エド・コワルクジーク ] (vo, rhythm gt) の歌が目立ちすぎの感もあるのだが、言い方を変えれば、彼の歌を存分に味わえるアルバムでもある。
■ Let Love In / Goo Goo Dolls
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Let Love In [レット・ラヴ・イン]
8th album
released: 2006/04/29
- Stay with You
- Let Love In
- Feel the Silence
- Better Days
- Without You Here
- Listen
- Give a Little Bit
- Can't Let It Go
- We'll Be Here (When You're Gone)
- Strange Love
- Become
[artist]
Goo Goo Dolls [グー・グー・ドールズ]
origin: Buffalo, New York, U.S.
[comment]
このアルバムも、母国の米国では9位を記録し、米国ではゴールド認定、英国ではシルバー認定されているので商業的には大成功だと思うのだが、5th アルバム A Boy Named Goo、6th アルバム Dizzy Up the Girl という過去のビッグ・ヒットと比べると、成功していないかのように錯覚してしまう。
筆者にとっては好きすぎて客観的な評価が難しいバンドなのだが、このアルバムについては、過去のビッグ・ヒットと比べても何の遜色もない名盤だと断言できる。
このアルバムに収録されている曲のメロディーからは前向きな希望が感じられるのだが、ある程度、年を重ねてから分かる切なさも併せ持っているところが実に良いのである。
■ The Silver Lining / Soul Asylum
[title]
The Silver Lining [ザ・シルバー・ライニング]
9th album
released: 2006/06/11
- Stand Up and Be Strong
- Lately
- Crazy Mixed Up World
- All Is Well
- Bus Named Desire
- Whatcha Need
- Standing Water
- Success Is Not So Sweet
- The Great Exaggerator
- Oxygen
- Good For You
- Slowly Rising
- Fearless Leade [hidden track]
[artist]
Soul Asylum [ソウル・アサイラム]
origin: Minneapolis, Minnesota, U.S.
[comment]
このバンドは、全米5位を記録し、グラミー賞も獲得した93年のシングル "Runaway Train" のヒットが際立って大きすぎるため、一発屋扱いされることが多いのだが、筆者はそれを非常に腹立たしく感じている。
その後、95年には "Misery" も全米20位のヒットを記録しているので、二発屋と言って欲しい!...というのは冗談で、このバンドのソングライター Dave Pirner [デイヴ・パーナー] はインディー・レーベル(Twin/Tone)時代から良い曲を書いていたので "Runaway Train" だけでこのバンドを語ってほしくないのだ。
このアルバムはヒット作とは言い難いので、殆ど知られていないかもしれないが、「生きることへの希望」と「挫折のほろ苦さ」が感じられる、バンド史上屈指の名盤なのである。
■ Major Lodge Victory / Gin Blossoms
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Major Lodge Victory [メジャー・ロッジ・ヴィクトリー]
4th album
released: 2006/08/08
- Learning the Hard Way
- Come On Hard
- Someday Soon
- Heart Shaped Locket
- The End of the World
- Long Time Gone
- Super Girl
- Let's Play Two
- Curious Thing
- Jet Black Sunrise
- Fool for the Taking
- California Sun
[artist]
Gin Blossoms [ジン・ブロッサムズ]
origin: Tempe, Arizona, U.S.
[comment]
92年にリリースされた、このバンドの 2nd アルバム New Miserable Experience は、全米で400万枚を売り上げた大ヒット作なのだが、当時トレンドだったグランジの殺伐とした雰囲気のとは無縁の爽やかなパワー・ポップだった。
このアルバムは、97年に解散した彼らが01年に再結成してから初めてリリースしたアルバムなのだが、胸をキュンとさせる美メロには更に磨きがかかり、栄光と挫折を味わったことで曲の深みが増している。
全盛期のような大ヒットにはならなかったのだが、個人的には当時と同等か、それ以上の満足感を得られるアルバムだと思っている。
~ 総括 ~
あえて、そうしたのだが、今回取り上げた4枚は、いずれも2006年のアルバムだ。
Goo Goo Dolls、Soul Asylum、Gin Blossoms のアルバムはリリースされた2006年に聴いており、いずれのアルバムも、これといって買うあてもなく立ち寄った近所の「タワーレコード京都店」で、「えっ、ニュー・アルバム出てるやん!」という感じで購入した。
Līve のアルバムだけは発見が遅れ、2~3年経ってから通販サイトで購入した。
どのアルバムも、バンドとしてキャリアのピークを過ぎてからのアルバムなのだが、ピーク時のアルバムと比較しても遜色が無い上、むしろ楽曲に円熟味が加わり深い味わいを醸し出している。
限りなく上昇して成功を続けられるアーティストは殆どいないわけであり、一定の成功の後には下降がある。
そもそも、成功を得られないアーティストの方が多い。
今回取り上げた4枚に共通している音は「優しさ」であり、たぶん、それは上昇の後の下降を味わったことにより得られた感情なのではないだろうか。
自分が若い頃は「バンドなんか長いことやるもんやない」と思っていたのだが、50代の半ばを迎える今では「長いことやるのもええかも」と思うようになってきた。