#0017) DEAD WINTER DEAD / SAVATAGE 【1995年リリース】

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SAVATAGE〔サヴァタージ〕と言えば、一般的には6thアルバム「STREETS: A ROCK OPERA」の評価が高い。


プログレッシヴ・メタル愛好家の間では、「STREETS: A ROCK OPERA」と言えば、QUEENSRYCHE〔クイーンズライク〕の「OPERATION: MINDCRIME」と双璧をなすコンセプト・アルバムの傑作として認知されている。


筆者も「STREETS: A ROCK OPERA」が傑作であることに関して異論を唱えるつもりはない。


しかし、個人的な好みで言えば、今回取り上げた9thアルバム「DEAD WINTER DEAD」の方が愛聴盤になっている。


米国の社会問題とも言えるドラッグがらみのストーリーが展開される「STREETS: A ROCK OPERA」は、パクった訳ではないと思うのだが、何となくQUEENSRYCHEの「OPERATION: MINDCRIME」に似ていて、二番煎じと言えなくもない。


それに対し、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景にした人種や信仰に纏わる重厚なストーリーが展開される「DEAD WINTER DEAD」はSAVATAGE(と言うよりJon Oliva〔ジョン・オリヴァ〕とPaul O'Neill〔ポール・オニール〕と言うべきか?)によって創り出されたオリジナリティの高い作品であり、聴いていると、まるで映画を見ているかのような錯覚を覚える。


そして、この重厚なストーリーに花を添えているのが、Al Pitrelli〔アル・ピトレリ〕のテクニカルで流麗ギターだ。


筆者は、MEGADETHメガデス〕の「THE WORLD NEEDS A HERO」でAl Pitrelliを知って彼のファンになった。


技巧派のギタリストがある程度名の知れたバンドに途中加入した場合、とにかく自分の色を前へ前へと押し出すことが多いのだが、Al Pitrelliというギタリストは自分が加入したバンドの音楽性を分析し、そのバンドに最適なギターを提供してくれる職人のようなギタリストである。


「DEAD WINTER DEAD」のギターも本来なら、今は亡きオリジナル・ギタリストのCriss Oliva〔クリス・オリヴァ〕が弾ければそれがベストなはずだ。


そんな叶わぬ思いを掬い上げてくれるかのように、「DEAD WINTER DEAD」におけるAl Pitrelliのギターは、Criss Olivaの不在を埋めてくれる見事な仕事ぶりである。


この「DEAD WINTER DEAD」というアルバムを通して、Al Pitrelliというギタリストの存在を一人でも多くの人に知ってもらいたい。