筆者が高校生の頃、バイト先で知り合った歳上のロック・ファンの人たち(確か5~7歳くらい上だっと思う)は、どう言う訳かLYNYRD SKYNYRD〔レーナード・スキナード〕を好む人が多かった。
そして、これもまたどう言う訳か、彼らは同じサザン・ロック・バンドであるにも関わらずTHE ALLMAN BROTHERS BAND〔ジ・オールマン・ブラザーズ・バンド〕のことを苦手としていた。
ちなみに、話はそれてしまうが、彼らはハード・ロック・バンドでもDEEP PURPLEは好むが、LED ZEPPELIN〔レッド・ツェッペリン〕は苦手という人が多かった。
かく言う筆者も、実はサザン・ロックやハード・ロックを聴き始めた頃、彼らと全く同じだったのである。
LYNYRD SKYNYRDのストレートで豪快な曲はロックを聴き始めたばかりの初心者にも伝わり易いのだが、THE ALLMAN BROTHERS BANDのタメを聴かせた繊細な曲はなかなか伝わり難いのである。
ちなみにこれはバンド名をDEEP PURPLEとLED ZEPPELINに置き換えても成立するのではないだろうか?
筆者がTHE ALLMAN BROTHERS BANDの良さが解ってきたのは30代も半ばを過ぎた頃からだ。
若かりし頃にTHE BLACK CROWES〔ザ・ブラック・クロウズ〕のライヴで聴いたTHE ALLMAN BROTHERS BANDのカヴァー"Dreams"は長いばかりで全くその良さが解らなかったのだが、30代も半ばを過ぎた頃に友人のバンドの演奏で聴いた"Dreams"はあまりにもカッコ良く、聴きながらしばし恍惚としてしまった記憶がある。
これはTHE ALLMAN BROTHERS BANDを改めてちゃんと聴き直さなければと思い買った一枚が今回取り上げた1stアルバムの「THE ALLMAN BROTHERS BAND」だ。
普通、THE ALLMAN BROTHERS BANDで一枚となると名盤と言われているライヴ・アルバム「AT FILLMORE EAST」になることが多いと思うのだが、ライヴ・アルバムというのは反則技のような気がするので、このブログでは取り上げないようにしている。
「THE ALLMAN BROTHERS BAND」は1stアルバムだからなのか、瑞々しさが溢れだすような作品である。
スタジオ・アルバムでありながら、このバンドの魅力でもあるインプロヴィゼーションを所々で楽しめるのも良い。
7分を超える大作"Dreams"を聴いていると、「この曲の良さに気付くまでに長い時間が掛かってしまった。この先の付き合いは短いと思うが一つよろしく頼む」という気分になる。