筆者はAndy McCoy〔アンディ・マッコイ〕が書く曲に関しては常に無条件降伏である。
それは、中学生の頃にHANOI ROCKS〔ハノイ・ロックス〕の1stアルバムを聴いた時から変わっておらず、駄曲や捨て曲だと思える曲が無い。
これは、筆者がAndy McCoyをアイドル視しているからではない。
正直なところ、筆者は人としてのAndy McCoyには全く興味が無いので、Andy McCoyの書いた曲なら何でも良いという訳ではないのである。
筆者が興味の対象としているのは作曲家としての、或いは、演奏家(ギタリスト)としてAndy McCoyのみである。
それは他のお気に入りのミュージシャンに関しても同じであり、永年に渡りロックを聴いてきてきたが、ロック・ミュージシャンをアイドル視したことは一度もなく、常に作曲家、或いは、演奏家としてロック・ミュージシャンに興味を持ってきた。
それ故、筆者はAndy McCoyの書く曲の素晴らしさに関して、常に無条件降伏となるである。
今回取り上げたのは、そのAndy McCoyがHANOI ROCKS、THE CHERRY BOMBZ〔ザ・チェリー・ボムズ〕に続き本格的に始動させたバンド、SHOOTING GALLERY〔シューティング・ギャラリー〕の最初で最後のアルバム「SHOOTING GALLERY」だ。
このバンドは、ギターは当然のことながらAndy McCoyなのだが、脇を固めるメンバーが凄い。
ベースは元SHAM 69〔シャム・シックスティーナイン〕~元THE LORDS OF THE NEW CHURCH〔ザ・ローズ・オブ・ザ・ニュー・チャーチ〕~元KILL CITY DRAGONS〔キル・シティ・ドラゴンズ〕のDave Tregunna〔デイヴ・トレガンナ〕、ドラムは元THE PSYCHEDELIC FURS〔ザ・サイケデリック・ファーズ〕のPaul Garisto〔ポール・ガリスト〕、ヴォーカルは元KILL CITY DRAGONSのBilly G. Bang〔ビリー・G・バン〕という面子となっている(アルバムには未参加だがツアーには元THE DOGS D'AMOUR〔ザ・ドッグス・ダムール〕のギタリストJo Dog〔ジョー・ドッグ〕も参加している)。
こんな面子が揃っている故、つまらないアルバムになるはずもなく、スリージー・ロックン・ロールの大名盤となっている。
Billy G. Bangのヴォーカルが弱いと言われることもあるが、筆者は全くそう感じることはなく、この声があってこそのSHOOTING GALLERYだと思っており、初期HANOI ROCKSにおけるMichael Monroe〔マイケル・モンロー〕の荒っぽいヴォーカルが好きな人なら全然OKなシンガーだと思っている。