一番好きなバンドは?と問われたら、速攻でTHE DOGS D'AMOUR〔ザ・ドッグス・ダムール〕と答える。
一番センスが良いと思うバンドは?と問われたら、これも速攻でSMALL FACES〔スモール・フェイセス〕と答える。
一番可愛いと思うバンドは?と問われたら迷うことなくTHE BANGLES〔ザ・バングルス〕と答える。
一番好きな男性ソロ・アーティストは?と問われたら、これはけっこう悩むのだが、結局はDavid Bowie〔デヴィッド・ボウイ〕と答えている自分が予想できる。
そして、一番好きな女性ソロ・アーティストは?と問われたら、脳で思考する間もなく脊髄で反射的にKate Bush〔ケイト・ブッシュ〕と答える。
そもそも、筆者にとって、男女問わず、ソロ・アーティストの中で最も好きな人がKate Bushなのだ。
Kate Bushのアルバムは全てが傑作だが、あえて一枚選ぶなら1stアルバムの「THE KICK INSIDE」(邦題は「天使と小悪魔」)になる。
このアルバムに収録されている"Wuthering Heights"(邦題は"嵐が丘")を初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れられない。
洋楽を聴き始めたのが1980年代前半。
リアルタイムの音楽では飽き足らず、もっと色々な音楽が聴きたいという思いで様々なアーティストの過去のカタログを貪欲に聴き漁っていた時に見つけた宝石。
それが筆者にとってのKate Bushであり、「THE KICK INSIDE」である。
筆者にとって、Kate Bushの音楽はそれまで全く聴いたことない新しい音楽だった。
オペラティックな歌唱、変幻自在な歌声、きっと英国人にしか書けないであろう詩的情緒豊かなメロデイー、高度な音楽的才能に裏付けられた気品溢れるアレンジ、その全てが筆者にとって新しかった。
その音楽はKate Bushの美しい容姿との相乗効果を引き起こし、聴く者を別世界へ連れていってくれる。
1990年代以降は極めて寡作(かさく)なアーティストとなった。
大好きなアーティストなので、願いが叶うなら、もう少し作品を聴かせて欲しい。