2018年現在、筆者は所謂アラフィフと呼ばれる年齢である。
中学生の頃にロックを知って以来、趣味の音楽鑑賞は現在でも続いているのだが、この歳になると十代の頃のように熱くなれるアーティストにはなかなか出会えなくなった。
ところが、最近、色々なロックン・ロール・バンドの名前をキーにしてインターネットで情報を検索していたところ、やけに気になるバンドを見つけてしまった。
そのバンドの名はLAST GREAT DREAMERS〔ラスト・グレート・ドリーマーズ〕。
自らを「最後の偉大なる夢追い人たち」と名乗るそのバンド名が気に入り、早速YouTubeで聴いてみた(観てみた)のだが、あまりにも筆者のストライク・ゾーンだったので久々にCDを購入してしまった。
それが今回取り上げたLAST GREAT DREAMERSの4thアルバム「13TH FLOOR RENEGADES」だ。
無節操に色々な音楽を聴き漁る筆者だが、「最も好きなジャンルは何か?」と問われたなら、必ず「ロックン・ロール」と答えるだろう。
それも、ポップで、キャッチーで、ちょっと切ないメロディを聴かせてくれるロックン・ロールが最高に好きなのである。
そういうロックン・ロール・バンドは、グランジやオルタナティヴのムーヴメントが勃発してからは少なくなった。
ムーヴメントの終焉以降、スウェーデンからはBACKYARD BABIES〔バックヤード・ベイビーズ〕 、THE HELLACOPTERS〔ザ・ヘラコプターズ〕、HARDCORE SUPERSTAR〔ハードコア・スーパースター〕、米国からはBUCKCHERRY〔バックチェリー〕、BULLETS AND OCTANE〔バレッツ・アンド・オクターン〕等、活きのいいロックン・ロール・バンドも出てくるようになった。
いずれのバンドも筆者は喜んで聴いていたのだが、これらのバンドはハード・ロックやヘヴィ・メタルからの影響が少なからずあり、筆者のストライク・ゾーンからは微妙にずれていたのである。
筆者のストライク・ゾーンは既に示したように、ポップで、キャッチーで、ちょっと切ないメロディを聴かせてくれるロックン・ロールであり、ハード・ロックやヘヴィ・メタルからの影響が無い方が好ましい。
具体的なバンド名を挙げるならHANOI ROCKS〔ハノイ・ロックス〕やTHE DOGS D'AMOUR〔ザ・ドッグス・ダムール〕がそれにあたる。
LAST GREAT DREAMERSも正にその系譜に位置するバンドなのである。
今のところバンドのプロフィールが殆ど判らないのだが、バンドのサイトを見ると英国のバンドであることが分り、バイオグラフィからはHANOI ROCKSやTHE DOGS D'AMOURから影響を受けたという文を読み取ることが出来る。
HANOI ROCKSのようなパンキッシュなテイストやTHE DOGS D'AMOURのようなブルージーなテイストは薄いのだが、初期のTHE BEATLES〔ザ・ビートルズ〕やCHEAP TRICK〔チープ・トリック〕に通ずるパワー・ポップなテイストが心地良い。
SLADE〔スレイド〕やSWEET〔スウィート〕に通ずるグリッター感も薄っすらとある。
筆者は、1980年代の英国にいた知る人ぞ知るグラム・ロックン・ロール・バンドTHE BABYSITTERS〔ザ・ベビーシッターズ〕を思い出してしまった。
最近少しずつLAST GREAT DREAMERSのことが分かってきたのだが、どうやらそれほど若いバンドではなさそうだ。
ミュージック・ヴィデオに写っているメンバーを見ると、筆者とそれほど歳が変わらなさそうである。
1stアルバムのリリースが1994年なので、キャリア20年以上のベテランである。
久々にCDを集めてみたいと思えるバンドに出会えた。
今後も息の長い活動を期待する。